私は高知県の土佐清水市という田舎町で生まれました。1学年は20人ほどで、幼稚園から中学生まで同じメンバーで過ごすような環境で育ちました。テニスやサッカーなど、スポーツは好きでしたが、性格的にはどちらかといえば落ち着いていましたね。将来はサッカー選手になりたいと思いつつも、そこまで現実的ではありませんでした。

高校は高知市の進学校に進み、大学は慶應義塾大学の理工学部に進みました。そして大学3年生で研究室を選ぶ時には、「人工知能」を選択することにしました。

元々物理が好きで、世の中の事象を、シンプルな計算式で表せることに魅了されていました。その中でも、人工知能は人の頭の中にある感覚や感性といった「目に見えないもの」を可視化できるところに面白みを感じたんです。

研究に没頭するようになり、2週間ほど家に帰らないような時もありましたね。論文の成果も認められるようになり、将来は研究者の道に進もうと考えていました。

一方、興味のあることには何でも取り組む性格だったので、3年生の時には、友達と家庭教師の派遣事業を立ち上げました。どうせ自分で家庭教師をするなら、みんなと一緒に行った方が広がりを出せると思ったんです。

ただ、この事業を一生続けようとは思っていませんでしたし、事業もうまくいきませんでした。営業に苦手意識があり、チラシを置いてもらうお願いをしにいくのも緊張してしまったし、どんなエリアにチラシを置けばいいのかも分からなかったんです。結局、事業は半年ほどでたたむことにしました。