サーカスのように、誰かを元気にするパン屋に!3児の母が「アヤパン」で伝えたいこと。

東京都大田区にて「アヤパン」というパン屋さんをオープンされる守谷さん。インテリアデザインの専門学校に通い、就職後は結婚・出産・3児の子育てに力を注がれていた守谷さんがパン屋さんになろうと考えた背景には、幼少期の体験から抱いた、ある思いがありました。

守谷 彩

もりや あや|東京都大田区のパン屋さん
東京都大田区にて「アヤパン」というパン屋さんを2015年2月1日にオープン。

住所:東京都大田区田園調布本町45-12
最寄り駅:東急東横線多摩川駅、東急多摩川線沼部駅

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サーカスと父の死とシナモンロール


私は東京都の大田区に生まれ、
油絵を描きアートに関心の強い父と、料理が好きな母のもと育ちました。

ある時、3歳の私は父にサーカスに連れて行ってもらう機会があり、
そこで見た光景にものすごい衝撃を受けたんです。
空中ブランコをする人がいたり、火の玉を口の中に入れる人がいたり、
なんだか、非日常の世界に強いインパクトを感じました。
多くの人を喜ばせていることに、純粋に憧れを抱き、

「私もあんな風になりたいな」

と感じましたね。

その後、中学・高校と地元の学校に進学しました。
そして、高校1年生の時に、父が亡くなってしまったんです。
本当に、深い哀しみに襲われ、
反抗期も重なり、家族との喧嘩も増えたり、
どこか現実逃避的に考えたりすることも多くなっていきました。

しかし、そんな状況でも、母が作ったシナモンロールを食べると、
その美味しさに、自然と微笑みがこぼれてしまい、不思議に感じていましたね。

それから、高校を卒業後はインテリアデザイナーを目指し、
雑貨デザインを学ぶことが出来る専門学校に進学することに決めました。
元々、インテリアや雑貨が好きで、よく買い物に行っていましたし、
父の死から気持ちを明るく切り替えようという思いからも、
好きなことを目指してみようと考えたんです。

結婚・出産・3児の子育てに大忙しの日々


実際に学校に通い始めてからは、色々な先生がいたこともあり、
これは本当にためになるのか?と悩んでしまうこともありました。
正直、学校がつまらなくて途中で辞めようと思ったこともありました。
しかし、姉から、つまらなくても続ける忍耐力が大事だと言われ、
なんとか通い続けることにしたんです。

また、専門に通い始めてから、RAKERU(ラケル)という卵料理専門店でアルバイトを始めました。
元々、高校生の頃からカントリー調のお店の雰囲気に惹かれており、
数ある飲食店の中でも、そこが一番現実とは離れた異空間のように思え、
ここで勉強をしながらバイトをしたいなと感じていたんです。

実際に働き始めてみると、それまで働いていたファミリーレストランとは客層も異なり、
そのための接客等も全く違い、とても勉強になりました。
また、内装は全て社内で装飾していたので、
インテリアを担当したいという思いも強くなり、
専門学校を卒業した後は、そのまま正社員として働くことに決めました。

実際に社員として働き始めると、年上のアルバイトの方ができたり、
それまでと比べて責任が重くなったりしたものの、
実際に店内のインテリアについても自由に任せてもらい、
多くのことを勉強させてもらいました。

しかし、父親のこともあり、早く結婚をして家族がほしいという思いもあり、
1年ほど務めた後、21歳で婚約して会社を離れることに決めました。
そして、23歳で初めて子どもを授かって以来、
3人の子どもに恵まれ、子育てに奔走する日々が始まりました。

2歳ずつ離れて3人ということもあり、手のかかる時期が重なり、
夫は自営でコンビニの経営をしていたため、仕事が大変で、
とにかく忙しい毎日を過ごしました、
ママさんバレーをしたり、小さい頃から習っていたピアノを弾いたりして息抜きをしながら、
子どもが幼稚園に通い始めると、私もお店を手伝うようになりました。

人を元気づけるパワーを持ったパン


その後、子育てをしながら自営の手伝いをして34歳を迎えると、
夫の店の手伝いだけでなく、再び私も仕事を始めようと考えるようになりました。
しかし、子どもと接する時間のことを考えても、アルバイトは難しく、
自らなにかお店を立ち上げるしかない、と考え始めました。
そこで、色々考えた結果、パン屋を開こうと決めたんです。
昔から勉強等は得意な方ではなかったものの、料理は褒められることも多かったし、
「なんとなく」という感じでした。

そこで、実際に勉強のために、パン屋の食べ歩きを始めてみたんです。
すると、ある時訪れた、大倉山にあるパン屋さんに心底惚れ込んでしまいました。

そのお店は、パンのミニCMを店員さんが売り込んだり、
作り手の方がダイナミックなパフォーマンスをしたり、
味もとにかくジューシーで、本当に感動しました。

「このパンだったら、人のことを元気づけられるパワーがあるな」

と感じたんです。
そして、私自身が、母が作ってくれたシナモンロールを食べることで、悲しみや喧嘩を忘れて笑顔になったように、
食べ物の持つ力を通じて、誰かに笑顔や元気を与えてあげたい、
という思いからパン屋になろうとしていることに気づいたんですよね。

そこで、そのお店に修行をさせてくださいと頼んでみることにしたんです。
それまで家庭で食パンを焼いたりはしていたものの、お店を開くためにはやはり勉強しなければという思いがありましたし、
どうせ勉強するなら、ピンと来て感動したお店で働きたいと感じたんです。

正直、向こうからすれば、「え?」という感じだし、
ダメもとだと分かりながらも、行ってみることに決めました。

そして、案の定、この日までに電話をしますという日まで、採用の連絡をいただくことは出来ませんでした。
しかし、完全に諦めていたその日、お店からOKのご連絡をいただけたんです。

本当に、奇跡的のように感じ、すごく嬉しかったですね。

食を通じて、メッセージを伝えられる人に


実際にお店にお世話になり、修行を開始してからは、

「完全に舐めていたな・・・」

という感じでした。
朝早くから出勤し、帰るのは夜8時、
売り場から始めるも、焼きたてのパンの扱いは非常に難しく、
実際に作り手側に回ってからも、とにかく頭を使わないと終わらない仕事だなと痛感しました。

そして、並行してお店を立ち上げるための準備も進めていき、
約9ヶ月の修業期間を経て、2014年12月に本格的に開業準備に入りました。

現在は、2月1日の正式オープンに向けて、プレオープンという形で、最終調整を行っています。
お店の場所は地元の東京都大田区、
お店の名前は、知人の提案で、親しみやすさをこめて「アヤパン」に決まりました。

このお店は、地域の方、特に子どもの方に来てもらえるよう、
小さい頃に憧れた、サーカスのような非日常感を味わえる場所にしたいなと感じています。
楽しい空間でおいしいパンを買って、日常の気分転換につながればいいなと思いますし、
それが、多くの人に伝染していってほしいという思いもあります。

正直、今の心境は不安半分、期待半分という感じですが、
やっぱり、自分のやりたいことだからこそ一生懸命できるし、
そうすることができる環境を、幸せだなと感じます。

将来は、少し大きな話ですが、例えば発展途上国の子ども達と一緒にパンを作ったり、
戦争等の歴史を伝えることを併せてしたり、
食を通じて、子ども達にメッセージを伝えられる人になりたいですね。

2015.01.31

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