3歳から東京で育ち、小学校4年生から塾に通い、中学は校風に惹かれた開成中学・高校に入学しました。

小さい頃から本が好きで、他の人格を味わえるような感覚に惹かれ、多い時は4件も本屋をはしごするような性格でした。特に、中学3年になり、大江健三郎がノーベル賞を受賞してからは、世界が一つひろがったような感覚がありましたね。

それ以来、大人に交じって大江氏が登壇する医学系の講演会にも参加し、高校を卒業後は、ノーベル文学賞の研究をしようと考え、彼の背中を追って東京大学に進学しました。

ノーベル文学賞は世の中の流れとリンクしていたこともあり、その変遷を追うことで人がどのように物事を見ているかを見ることができましたし、そうやって人の考えや認識を変えるような言葉と概念を世の中に提供できることを、純粋にすごいなと感じたんです。

ところが、学者になろうという思いを抱いて入学した大学では、周りの友人が昔からずっと同じメンバーだったこともあり、なんだかつまらなく感じてしまったんです。下手すれば小学校から同じ人だけと関わり続けるような生活に、「なんだよ、この人生」と嫌気がさしてしまったんですよね。また、昔からおじいちゃん子として育ったのですが、ちょうど、大学1年生の時に祖父母が4人とも亡くなってしまったんです。

それまでは、正直祖父母のために勉強をしようというモチベーションもあったのですが、そこで、呆然としてしまいました。

まるで、自分自身をもう一度生き直さなければいけないような気持ちになり、学校に行かずに新宿の街をうろうろするような日々を過ごしましたね。

そして、22歳で大学を中退することに決めました。親との話し合いの末、一応私大の法学部に籍を移し、法曹界を目指すことも考えたのですが、結局中退後はニートのような生活で、朝早く起きてテレビを見て、昼になると街をうろうろ歩くような毎日でした。