全ての女子にトキメキを。
「干物女」だった私が、
「イケメン」サービスで起業した理由。

Photo by AKIRA INOUE  “いつものお店選びにちょっとした「トキメキ」を”というコンセプトのもと、「イケメン店員マップ」というスマートフォンアプリ・webサービスを運営する岩館さん。「干物女」だった自分が欲しいサービスを作ったと話す背景には、あるクリスマスのエピソードがありました。

岩館 空

いわだて そら|「トキメキ」を届けるwebサービス運営
“いつものお店選びにちょっとした「トキメキ」を”というコンセプトのもと、
「イケメン店員マップ」を運営する株式会社ときめきサプリの代表取締役を務める。
こじれ女子の持つ自意識スパイラルと、トキメキを求める乙女心を胸にサービス展開中。

イケメン店員マップ
株式会社ときめきサプリ

暗黒の小中学校から最強の高専生活へ。


小中学校の頃は、暗黒の学生生活でした。

小さい頃から、どこか言っちゃいけないことを言ってしまう子で、
感じたことはすぐに話してしまい、周りからするとうざかったんだと思います。
みんなの中でうまくやれずにいじめられるような、「出る杭」タイプでした。

そんな背景もあり、中学時代は自分がいじめられるターゲットにならないよう、
細心の注意を払って生活していました。
もともと空気を読んでみんなに合わせるのが苦手なのに、そんなに気を使って過ごすものだから、
円形脱毛症になってしまったこともあったんです。

まるで、透明人間になるスキルを身につけようとしていて、

「こんな苦しい思いをしなくてよい場所は無いのかな?」

と考えるようになったんですよね。
この環境を脱するためなら何でもする、とすら考えていました。

そんな折、地元に新しくできた高専について知りました。
そこは非常に自由な校風で、すごく魅力的に感じたんですよね。

新しい学校で狭き門でしたが、必死に勉強し無事入学することができてからは、
抑圧された中学時代から解放され、一転幸せな学生生活が訪れました。

ひと学年80人のうち、男子は12人しかおらず、まるで修道女のような生活でしたね。
元気よく、ひたすら好きなことをしていました。

社会に出る前の最強の時期だったんです。(笑)

憧れの出版業界へ


学生時代、できる社会人のイメージといえば、
「白いシャツにトレンチコートで、日経新聞を持って飛行機でパソコンをうつ」
という感じでした。

昔から本が好きだったこともあり、ぼんやりと書籍を作るような仕事をしたいなと思ったり、
創作活動が好きだったので、そんな方面で働ければということを考えていた気がします。
結局就職活動を経て、札幌のIT会社・webデザイン部門に就職が決まりました。

ところが、またもや人間関係で悩むようになってしまったんです。
上司や先輩と接するなかで空回りしてなかなか馴染めず、
「目立ったら終わり」という恐怖が、社会に出た後もまた生じて来ました。

もはや、全然無敵じゃなく、仕事って難しいなと思うようになりましたね。
結局、出版社の夢を捨てきれなかったこともあり、転職することに決めたんです。

憧れの出版業界は、漫画で見るのと全く一緒でした。
会社に寝袋が置いてあり、締め切りが近づくにつれてとにかく忙しくなって。
かなりの体力勝負でしたが、仕事はすごく面白かったですね。

裁量も増えたし、やらなきゃいけないことばかりなので没頭できたし、
社会人になってOFFにしていたスイッチを、全てONにするような作業でした。

「ん?聞いてないよ?」


その後、さすがに体力的な面でずっと続けるのは難しいと感じ、また札幌のIT会社に転職・企画部門で働き始めました。
居心地が非常によく、企画の業務も楽しく、仕事は順調に進んでいました。

そんなある時、クリスマスの季節のことでした。
付き合っていた彼氏から、「大事な話がある」と切り出されたんです。

ちょうど、結婚も考え始めていた時期だったので、プロポーズされるのかと思ってワクワクしていたのですが、
フラれてしまったんです。

「ん、聞いてないよ?」

という感じでした。
もともと空回りな恋愛ばかりでしたが、期待していた分かなり凹みました。

それからは完全に「干物女」となりました。

テレビ、漫画、ネット、DVDなどなど、生温い2次元の世界に浸かってしまい、土日もだらだら過ごすだけ。
枯れてましたね。

友達からは「いい歳なんだから、まず合コンしなよ!というか、婚活しなよ!」
という声をかけられるも、一足飛びにそんな3次元の世界には戻れない。

なにかウキウキ外出するキッカケになるような、2.5次元のサービスが欲しい。私のために。
そんなことをぼんやり考えていました。

休日に着替えてちゃんと外に出るのは、漫画の新刊が出た時に、いつも同じ書店に向かうくらい。
どこで買ってもいいのですが、店員さんがちょっとイケメンさんだったんですよね。
それで何となく同じところに通っていました。

ふと気付けば、その書店のイケメン店員に合うのをちょっと楽しみにしていました。
そして、
「もしかしたら自分だけじゃなくて、きっとみんな心のオアシスになるイケメンを、
一人くらいは知っているんじゃないか、この情報を集めたら面白いんじゃないか」
と思ったんですよね。

ちょうどその頃、会社で新規事業案の募集があったので、
自分の体験をもとに、失恋したてで高まっていた仕事へのモチベーションをぶつけてみることにしました。

干物女が外出するキッカケとして、色々なイケメン店員さん情報を紹介し合うことで、
いつものお店選びにちょっとしたトキメキ感を添えるサービスを作ろうと決めたんです。

早速社内でプレゼンをしたところ、社長から「面白いアイデアだ」と言ってもらいました。
期間は1年、予算は0円という条件で、事業として挑戦する機会をもらうことができたんです。

一人部署のため、自分でできないことは、他の部の社員の残業時間を借りて、ひそひそとスタートを切ることになりました。

全ての女子にトキメキを


それでもなんとかアプリのリリースにこぎ着けると、口コミなどを介して段々と人気が出てくるようになりました。
TVなどの取材も入り、注目してもらえるようになったんです。

ところが、約束の一年を経ったとき、社長以外の役員から事業継続のNGが出てしまったんです。
せっかくこれからという所だったので、私はなんとか事業を続けるために、独立することに決めました。

投資家の方からの支援も受け、「全ての女子にトキメキを」というミッションのもと、
会社としてサービスを継続することにしたんです。

独立してからは、やらなければいけないことがたくさんあってエキサイティングさが増しました。
昔ずっと苦しんでいた人間関係で気を使う辛さから解放されて、自由に働けるのは嬉しいですね。

気付けば、拠点の北海道と東京を往復する飛行機の中で、
昔憧れた社会人像とおなじようなことをしている自分がいました。
「これじゃない感」はありましたが。(笑)

まずは事業として確立させることを優先に取り組んでいますが、
いずれはイケメンに限らず色々な「トキメキ」感を可視化したいと思っているんです。

全ての女子を「キュン」とさせるような、そんなサービスにしたいんですよね。

2014.05.24

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