私は、日本人の父と中国人の母の間に生まれ、2、3歳の頃は中国、小学校4、5年生をアメリカで過ごしました。私の両親は、ずっと共働きで、物心がついた時から、毎日、家に外国人留学生がベビーシッターとして、お手伝いに来てくれていました。色んな国のお姉さんたちと触れあうことで、私の世界は広がっていきました。

また、母方の親戚は、アメリカ、中国、ブラジル、オーストラリア、マレーシア等、色んな国に散らばり、華僑となったため、親戚で集まると、英語と中国語が入り混じるような家庭環境で育ちました。私はそれが嫌で嫌でたまらず、「どうして私だけみんなと違うんだろう」と、ネガティブな感情を持っていました。人と違うバックグラウンドに自信が持てず、自分の中で英語や中国語を遠ざけるようになりました。

しかし、10歳の頃に父の仕事の都合でアメリカのボストンに引っ越すと、その考え方はがらっと変わりました。アメリカには多種多様な人種がいて、それぞれが自分のアイデンティティに誇りを持って生きている姿は、とてもインパクトが大きかったんです。

特に、私の通っていた学校での出来事は印象的でした。耳の聴こえない生徒が同じクラスにいたので、私たちのクラスだけ、特別に手話の授業があったんです。そのため、授業中もみんな手話で会話していました。「今日の放課後、何して遊ぶ?」って。先生にバレないし、これは便利だと思いましたね。(笑)

アメリカでは、自分と異なるものを受け入れるとはどういうことかを実感し、人と違うからこそ「私」なんだということに気づくことができました。