東京都の離島、八丈島で生まれました。姉と二人兄妹です。性格はとてもやんちゃでしたね。プロレスごっこをして友達を怪我させるわ、人の家に石を投げてガラスを割るわ、人の畑でスイカを盗んで追いかけられるわ、いつも怒られてました。骨折したり怪我をすることも多くて、町の病院にお世話になりっぱなしでした。

家では牛や山羊を飼っていましたし、父と良く釣りにいっていたので、動物というか、食が身近でしたね。祖母が戦時中旅館をやっていたこともあって、小さい頃から、オオウナギなど、ちょっといい食材を食べさせてもらいました。

うちの家系は教師一家だったので、僕も将来は教師になろうと思っていました。それで、高校卒業後は教職課程のある東京の大学に進学しました。

ところが、大学に入ってからは料理に夢中になってしまったんです。きっかけは、叔父の日本料理店でアルバイトを始めたことでした。

チラシ配りの手伝いをしたとき、本マグロやフグなど、すごくおいしい日本料理を食べさせてもらって。貧乏学生だったので、これはいいと思い、叔父のお店でアルバイトをさせてもらうことにしたんです。単純に美味しいご飯が食べたかっただけですね。

最初は、チラシ配りや接客をしていたのですが、次第に調理場にも興味が湧きました。そうはいっても、有名人も来るようなお店だったので簡単にはやらせてもらえないですし、親戚だからって特別対応したら、他の若い衆が面白がりません。基本的には洗い物をずっとやって、営業が終わった後に料理を教わりました。

料理は面白かったですね。何が面白いって、日本料理の包丁さばき。包丁にもいろんな種類があって、それを駆使した技術を学ぶのが楽しかったです。大根の茎の部分に筋目を入れて、水に挿すとパッと開いたり。そういうのを一つひとつ学べるのが面白かったです。

大学2年生になる頃には、将来料理の道に進むと決めました。叔父から出された条件は、大学を卒業すること。それで、大学に通いながら料理の修行をすることにしました。