年功序列の壁を壊したい!
元大企業のエンジニアが、投資家として描く夢。

世界一のベンチャーキャピタルを目指し、シリコンバレーを拠点に、日本や東南アジアでもベンチャー投資を行うアニスさん。博士課程をとり、エンジニアとして大企業に就職しながらも、独立してベンチャーキャピタルを立ち上げた背景には、ご自身の体験に基づく、現在の社会への課題感がありました。

Anis Uzzaman

アニス ウッザマン|ベンチャーキャピタリスト
米国、日本、東南アジアにおいて35社以上のスタートアップに投資を行う、
Fenox VCの共同代表パートナー&CEOを務める。
投資家業務の傍ら、世界各地での講演等も行う。

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エンジニアを目指して日本へ


私はバングラディシュ系アメリカ人として生まれ育ちました。

アジア系のコミュニティでは、親は大体子供に医者かエンジニアになって欲しいんですね。
そんな親からの期待やプレッシャーもあり、エンジニアになるために高校から科学系の科目を集中して受けました。

そのまま大学で工学系を学ぼうと思ったのですが、私立大学は学費がとても高かったので、
海外の大学も視野に入れ、奨学金を調べるようになりました。

そんな時、たまたま当時の日本政府が海外の学生に対して募集していた奨学金制度を見つけたんです。

そこで、その制度に応募し合格することができ、日本の大学に進学することを決めました。
他の国でも奨学金はあったのですが、当時電子技術と言えば、断然日本が進んでいた時代だったので、
工学部に行くなら日本、という思いがあったんですよね。
また、安全な国という面も大きかったです。

留学して最初の1年は寮生活で、外語大で日本語の勉強をしていました。
1年でゼロから大学の入試レベルまで上げなければならなかったので、結構大変でしたね。
物理、数学、化学等の授業も日本語で受けていましたが、言語は壁でした。

また、最初は食べ物にもかなり驚きました。
日本食はどれも味が薄いなあと思っていたし、うどんを初めてみたときは、
「なんでスパゲッティが水に浮いているんだろう?」と衝撃を受けました。(笑)
その後1年間の勉強を経て、無事国立大学の工学部に進学しました。

実力主義の先にあった年齢の壁


理系ということもあり、大学卒業後は周りの友達でも就職する人は少なくて、
ほとんど皆大学院に進学していました。
同じように私も、自然な流れで、アメリカの大学でマスターを取りました。
大学院卒業後はエンジニアとして就職しようと思い、IBMのインタビューに合格し、
ニューヨークのEndicottという、IBMが生まれた場所で就職することに決まりました。

世界的に有名な企業でエンジニアになったこともあり、親は喜んでいましたね。
それを見て、これからは自分の好きなことをしようと漠然と感じたのを覚えています。

IBMでは社内制度が非常に充実しており、自分の適正を知るキッカケとなりました。
最初はアプリケーションエンジニアとしてお客さんと接する仕事をしていたのですが、
気づけば次の商品の宣伝をしていたり、ボスからも、
エンジニアより、ビジネスの方が向いているんじゃないかと言われたんです。

自分自身、そのほうが得意だという感覚もあったので、
ビジネスの方面で若くから活躍しようと、仕事に打ち込むようになりました。

アメリカは実力主義ということもあり、パフォーマンス次第で上に上がっていくことができ、
自分でも活躍できる感覚を持つことができました。

ところが、アメリカと言えども、歴史のある大企業で一定以上のポストに就くには、
年齢が問われるということに気づいたんです。
若くして成功しようと思い働いていたので、それがすごく悔しかったんですよね。

「壁」を壊したい


そんな折、ちょうどシリコンバレーにある企業から良いオファーをもらい、転職することに決めました。
世の中を変えるスタートアップが集まっていたこともあり、
シリコンバレーでは、もっと大きな夢を見られると思ったんですよね。

転職先では主にビジネス戦略やM&A(企業の合併買収)等の業務を担当しました。
まわりにはスタートアップ企業やベンチャーキャピタルが沢山いましたし、
自分自身、M&Aでスタートアップの買収に携わる中で、

「エキサイティングな社会だな」

と感じるようになりました。
だんだんと知識もついていき、ベンチャーキャピタルに関心を持つようになったんです。

その背景には、自分自身が若くから成功したいという思いと同時に、
それを阻むような大企業の年功序列の壁への違和感がありました。

IBMで悔しい思いをしたからこそ、その壁を壊したいという気持ちもありましたし、
ベンチャーキャピタルなら、社長レベルから変えていけると思ったんです。

そんな思いから、2011年5月、シリコンバレーを拠点にベンチャーキャピタルFenoxを立ちあげました。

世界一のベンチャーキャピタルに


立ち上げたのはよいものの、自分自身投資の実績は無かったので、
はじめは資金集めが大変でした。
スタートアップに投資するベンチャーキャピタルでありながら、
自分たち自身もスタートアップだったので、
信用を得るために色々と工夫し続け、今ではなんとかハードルも下がってきました。

シリコンバレーを拠点にスタートし、日本や東南アジアでも投資を行い、
現在35社に投資を行っています。
加えて、通常のベンチャーキャピタルの業務の他にも、
これからの世代の若者のために、各地で講演活動なども行っています。

シリコンバレー流のスタートアップについて多くの若者に伝えることで、
チャレンジの手助けになりたいんですよね。
特に日本では、北海道から沖縄まで、色々な地域で講演を行っています。
自分が学生時代お世話になった恩返しをしたいという気持ちもあるんです。

今はとにかくFenoxを大きくしていきたいと考えています。
投資先の信頼を得つつ、より規模を拡大していき、
Fenoxを世界で一番大きなベンチャーキャピタルにしたいと思っています。

2014.06.24

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