情けない自分に打ち勝ちたい。
そんな思いで決めた、結婚出産後の独立。

「カップル茶」や「妊活茶」など、漢方のブレンド茶を、恵比寿のカフェやオンライン上で販売する佐々木さん。与えられた環境でとにかく全力を尽くす、という性格だった佐々木さんが自ら独立しようと決めた背景には、一体どのような思いがあったのか、お話を伺いました。

佐々木 美紗

ささき みさ|漢方ブレンド茶販売
漢方ブレンド茶を実店舗&ネットで専門的に扱う株式会社メデテの代表取締役を務める。
株式会社メデテ

「30歳で医学部に入ろう」


小さい頃から転勤が多い親の仕事の影響で、海外を転々としていました。
2歳からアメリカ・オランダ・イギリスという順に移住し、
中学の終わりからは、日本に戻ることになりました。

最初は、日本の学校はいじめが怖そうだと思い、
眼鏡をかけてださい感じで馴染んでいこうと考えたんです。
しかし、結局その方がいじめられると気づき、色々難しいなと感じましたね。(笑)

また、小学校からずっとテニスをしており、日本に帰ってからもとにかくテニスに打ち込みました。
元々は、長く続けられて、海外でもできるスポーツということで、父から勧められて始めるようになり、
負けると怒られることもあり、プレッシャーを感じて楽しむという感じではありませんでしたね。

自ら主体的に選ぶ、という感覚ではなかったです。

それでも、テニスに没頭した結果、高校ではインターハイにも出場し、
慶應大学の環境情報学部に進学してからも、体育会テニス部の主将を務めました。
とにかく部活のことで頭がいっぱいで、大学3年生になって初めて将来のことを考えるというような調子でした。

そして就職活動の時期を迎えて初めて将来のことを考えると、
将来は自営業をしたいと考えるようになりました。
女性ということもあり、子育てのことも考えると、自由な働き方が出来る方が良いのではないかと感じたんです。

そこで、最初に思い立ったのは、医者になって自分のクリニックを持つということでした。
漠然と、人が健康に生きることに貢献したいという気持ちがあったんですよね。

しかし医療の勉強をしてきた訳でも無かったので、

「30歳で医学部に入ろう」

と決め、それまではお金を貯めて、店舗経営を学ぼうと決めたんです。

そして、そんな条件の元、たどり着いたのは、マクドナルドでした。
ここなら医学部の学費も貯められるし、店舗経営を学べると感じたんです。
親の反対も受けましたが、そのまま就職を決めました。

与えられた環境で全力を尽くす日々


実際に入社してからは、現場のオペレーションを行いつつスタッフの教育を行う、アシスタントマネージャーとして働き始めました。
仕事自体はかなり激務でしたが、どこかハイになっていて、私自身は楽しかったですね。
求めていた一つである、マネジメントスキルを鍛えることにもつながった感覚がありました。

しかし、忙しい仕事を終えて、気を失うように眠って、という日々を繰り返した結果、
ある時、交通事故を起こしてしまったんです。
そこでさすがにまずいと思い、入社後2年弱というタイミングで退職を決めました。

すると、仕事に全力を費やしていた分、退職後は全ての活力を使い果たしたような状態になってしまったんです。
いつしか医者になりたいという思いも、どこかに行ってしまっていました。

そこで、次はどうしようか考えた結果たどり着いたのは、
テニス部でもマクドナルドでも共通していた、「20名くらいのチームで動く」ということでした。
それくらいの規模の組織であればイメージが持てたし、そんな環境で働きたいという思いもあったんです。

そういった基準で転職エージェントで企業を探した結果、
サイバーエージェントの子会社である株式会社シーエー・モバイルを紹介され、入社することに決めました。

入社後は、それまでとは全く業界も異なるため、とにかく言われることは全部やろうという気持ちで働きました。
「自分は何もできないな」と感じましたし、あまり自信も無かった分、毎日を必死に生きるような感覚でしたね。
本社に出向して広告営業としても働き、与えられた環境で全力を尽くす日々を過ごしました。

すると、子会社に戻ってきたタイミングで、
新しく立ち上げる事業の責任者の募集があったんです。
そして、周りに立候補がいなかったこともあり、私が責任者を務めることになったんですよね。
正直、その選択についても自ら主体的にという感覚ではありませんでしたね。

運営事業の吸収で感じたふがいなさ


そんな背景ながら、扱っていた電子書籍の事業自体は順調に成長していき、
意思決定のスピードを上げるためにも分社独立することを提案し、
社長からOKが貰えたんです。
そのまま、一つの会社として、チームの皆と事業に集中していき、事業は更なる成長を遂げていきました。

ところが、調子が良かった分、親会社の主軸事業にするという流れになってしまい、
最終的には、もう一度チームごと吸収されることになってしまったんです。
これまで取り組んできたものを取り上げられてしまったような感覚があり、悲しかったですね。

そして何より、そういった状況を作ってしまった自分のふがいなさを強く感じ、
それがすごく悔しかったんです。
自分の力量の無さにモヤモヤし、しばらくは廃人的な状態になってしまいました。

そして、ちょうど、そのタイミングで、仕事でつながりのあったKDDIから声をかけてもらったこともあり、
私は転職をすることに決めました。

電子書籍の事業の際にシステムをうまく回せなかったことへのコンプレックスから、
スキルとして、もっとシステムのことを学びたいという思いを抱き、
ちょうど一致している職種の応募に申し込むことに決めたんです。

34歳のことでした。

悔しさと不安を抱えて決めた独立


KDDIに転職してからは、システム開発管理のプロジェクトマネジメントを担当しました。

しかし、入社後もモヤモヤは消えませんでした。
会社設立までしながら、望まぬ結果になったまま離れてしまったことに、悔しさが残っていたんです。
気がつけば、

「今度は、自分の力で立ち上がり、情けない自分に打ち勝ちたい」

と、再度起業を考える自分がいました。

それでも、KDDIの環境は魅力的で、女性活用の流れもあったため、
そのまま会社でキャリアを積むことも、一つの選択肢として良いなと感じたんです。
そんなことを悩む日々が続きました。

その後、35歳で結婚・出産を迎えると、育児休暇で少し時間ができました。
そこで、子どもが寝ている時間に関しては何か別のことを考えようと、
仮に起業した場合の事業プランを考え始めてみたんです。

すると、前職時代の経営者仲間から、中小企業庁の創業支援金の話を教えてもらいました。
そこで、育休期間ではあるものの、出すだけ出してみようと考えて応募してみると、
選考に合格することができたんです。

正直、それ自体は大きなことではありませんでしたが、
それでも、自分の中で不安が少し緩んだ感覚がありました。
元々、38歳頃まで働いて、会社にも貢献した上で起業しようという気持ちだったのが、
育休中の36歳の時点で十分怖さを感じていたんですよね。

だからこそ、年齢を重ねたら、もっと挑戦を怖く感じるんじゃないかと思ったんです。

そんなことを考えた結果、最後は、えいやで起業を決めました。

「漢方ブレンド茶」で人々を健康に


私が事業のテーマに選んだのは、「健康でいきいき暮らす」ということでした。
どこかで、昔抱いていた医者への未練があったんですよね。

そこで、具体的に事業を考える時に思い浮かんだのが「健康茶」でした。

元々、結婚後に妊活のためにお茶を飲んでいたことがありましたし、
逆に言えば、健康を意識しながらも、自分が続けられたのは健康茶だけだったんです。

しかし、健康茶は単一種が多く、ここで勝負しても拡張性がないと思い、
ある薬局で勉強をさせてもらい、ブレンドの漢方茶を作ることに決めました。

そんな背景から、2回目の挑戦として、株式会社メデテを立ち上げ、
恵比寿にカフェ形式で店舗を持ち、オンラインショッピングでの販売も開始しました。
利用していただく方のほとんどは30代・40代の女性ですが、
最近は不眠等の改善のために男性が買っていただく例もありますね。
皆さん美容や身体の問題解決のために購入する方が多いです。

そして、直近では、女豹ライターの島田佳奈さんのプロデュースの元、
「年齢を重ねても恋愛をしていく」というコンセプトで、
「カップル茶」という新商品を開発し、クラウドファンディングにも挑戦しています。

現在はこの企画を中心に、お店や商品を多くの人に知っていただくことに注力していますね。
まずはこの事業をうまくいかせることだけを考えています。

そして、その先には薬草への展開や、輸入に頼らない国産栽培へのチャレンジなど、
もっと事業を広げて、多くの人の健康に貢献していきたいですね。

2014.12.16

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