星野 智佳子さんストーリーのトップへ
気づきが生まれる過程は宝探しのよう
キャリア教育NPOでは仕事に夢中になりました。高校生が、大学入学前に将来を考える機会があったらなという私の想いと、団体の理念が一致していて、やってることも面白い。社会の役に立つ喜びを感じました。尊敬できる上司もできて、文句のない環境でしたね。
3年くらい経って、キャリアカウンセラーの資格を取りました。世話を焼くのが好きで、ボランティアの大学生の相談にのっていて、1対1で話を聞くことが楽しかったんです。自分がいかに良い問いを投げかけるかによって、相手の気づきが生まれるじゃないですか。相手が「自分はそういうことを考えていたのか!」とか、「そういう考え方もあったね!」って気づく瞬間があって、一緒に宝探しをしている感覚でした。そういえば、小学生の頃から私がやりたいことってカウンセラーだったなって思い出したんです。
それから、だんだん私のやりたいことと、NPOの目指す方向にずれが生じてきました。NPOでは「生き抜く力を、子ども・若者へ」と謳っていますが、その対象は10代です。一方で私は、20~30代のキャリア支援をしたいと思いました。対話をしながら、その人の人生を振り返ってやりたいことを見つけだすとか、そういうことをやりたいと考えるようになり、退職が頭に浮かぶようになりました。
でも、そのNPO以上にいい職場は見つからないだろうって思っていたんです。だからNPOの中で近いことが実現できないか1年間考えました。でも、やっぱり難しいかなと思って退職することにしました。
退職後、転職か独立か迷って、キャリア支援をしている企業に話を聞きに行きました。いくつか企業に足を運びながら、自分のやりたいことと完全に一致する場所はないなって思ったんです。それに最初は同じでも、ずれていく場合もあります。
大好きなNPOを辞めてまで自分のやりたいことをやるんだから、本当にやりたいことをできる、独立がいいと思いました。他の企業だと妥協になるんですよね。それで、フリーランスのキャリアカウンセラーとして独立しました。