唯一無二の存在として、深い悩みを解決したい!勝手にやっちゃうことでつながる人生。

ヒトとモノとコトの「つながるをつくる」ことに軸を置き、様々な事業に取り組む株式会社グラコネの代表を務める藤本さん。大学を中退してフリーランサーとして歩み始めるには、どんなきっかけがあったのか?お話を伺いました。

藤本 真衣

ふじもと まい|つながるをつくる
株式会社グラコネの代表取締役、ビットコイン・モナコイン取引所Zaifの広報、いいね!JAPANのリアライザーを務める。

欲を抑えつけた生活を送る


私は兵庫県神戸市で生まれました。母が元タカラジェンヌだったので、日舞やバレエ、ピアノや声楽など、様々な習い事をしていました。母は将来舞台女優に育てたかったようですが、幼い私は友達と遊ぶことのほうが大事で、女優への憧れはありつつも、そこまで一生懸命ではありませんでしたね。

また、小さな頃から、信仰していた宗教に強く影響されていました。色々と厳しい戒律があって、節約のためにお風呂でもほとんどシャワーを使わなかったり、学校でも異性と話さなかったり、カラオケやプリクラには行かなかったりと、周りの友達とは少し違った生活を送っていました。「自分を犠牲にしてでも他人に尽くしなさい」という教えもあって、自分が厳しい修行の生活を送ることが、家族や周りのためになると信じていたんです。

さらに、高校1年生の時からは、お寺のような施設に住み込むようになりました。母の身体が弱く、私が修行を怠けたら母の体調が悪化すると教えられていたんです。

しかし、ある時、斎藤一人さんの著書を読んでから、考え方が変わっていきました。「これをしなきゃいけない」と、強迫観念に縛られて生きるのではなく、もっと「こうなりたい」というポジティブな考え方の方が私には合うと思ったんです。それは確信に近いものでした。

そこで、暮らしていた施設から出ることにしました。それまで欲を抑えつける生活だった反動もあり、それからは自分の本能に従って自由に生きるようになったんです。

女優への挫折と子どものやる気を引き出す面白さ


その後、私は高校に行きながら芸能活動を始めました。小さい頃から憧れていた女優の道を、本格的に目指し始めたんです。そして、少しずつテレビやCMにも出るようになり、事務所の中でも演技は評価してもらっていました。

ただ、私はぽっちゃり体型で、オーディションでは書類選考で落ちてしまうことが多くありました。事務所からは「あと10キロ痩せたら写真集を出そう」と言われていて、ダイエットにも励んだのですが、体重が落ちるどころか、痩せようと思えば思うほどストレスで太ってしまいました。

いつも比較対象にされていた細くて可愛い子は、東京の大手事務所にスカウトやドラマの主演も決まってキラキラしていて、焦りは増すばかり。そして、せっかく与えてもらっているチャンスに応えられない自分に嫌気がさしてしまい、事務所を辞めることにしました。それからは、しばらくテレビは見られないほど落ち込んでいましたね。

その後、特にやりたいこともなかったのですが、母の勧めもあり大学に進学すると、すぐにアルバイトに夢中になっていきました。勉強が苦手な子ども向けに家庭教師を派遣する会社での営業の仕事で、テレアポから初回の無料お試し授業まで行い、新規顧客を獲得するんです。

対象となる子どもは、そもそも勉強が嫌いだったり、学校や塾の授業についていけなくて勉強が苦手な子ども。親御さんは、そんな子どもを心配して、「子どものやる気を引き出してくれるなら」と考えています。初回の無料授業では、家庭教師に求めるものが微妙に違う子どもと親御さんのどちらにも納得してもらわなければならないので、営業としては難しさがありました。

ただ、家庭教師を派遣することが決まってから、子どものやる気が引き出されたり、成績が上がったと親御さんが喜んでくれたりするのを聞けるのは嬉しく、やりがいを感じていました。手紙を送ってもらえたりもするんですよね。また、完全成果報酬の仕事だったので、自分の努力次第で稼げることも魅力でした。

企業を相手にする仕事をしてみたい


仕事にのめり込んでいくと、大学に通う時間はもったいないと感じてしまい、2回生に上がるタイミングで退学することにしました。そして、フリーランサーとして業務委託で営業の仕事を続けながら、役者としての活動も再開しました。高校生時代に中途半端に夢を諦めてしまったことに、後悔があったんです。

そして、今回は努力のかいもあり、体重も高校生の時からちょうど10キロほど痩せ、自分がメインのテレビCMに出演することができました。そこまで来て、やっと自分の中で納得感を持つことができ、役者は辞めることができました。

また、仕事ではより幅広い業務を行うようになりました。自分の体験授業で興味を持ってくれた人に契約をしてもらっていたので、その後もしっかりと責任を持ちたいと考え、子どもに合った家庭教師を推薦したり、その後のサポート体制も整えていったんです。

ただ、個人向けの営業だったので、土日でも仕事は休みではありませんでした。そこで、たまに長期で休みを取って、一流のサービスを受けることを自分へのご褒美としていました。ある時、東京に遊びに来てコンラッド東京に宿泊していると、隣に大きな会社のビルがあり、何の会社なのか気になって見に行くことにしました。

すると、そこにはスーツに身をまとい、セキュリティカードをかざしてオフィスに入っていく人たちがいました。私にはその姿は印象的でした。これまでの仕事は、スーツを着るわけでもないし、名刺も持っていませんでしたから。また、ちょうど今の仕事はやりきった感覚もあって、次の挑戦を考えていた時だったので、今度は企業に訪問する仕事をしようと決めたんです。

そして、企業向けの仕事をしたいと公言していたところ、人づてで「美人時計」の子ども版である「キッズ時計」のスポンサー営業の仕事を紹介してもらいました。この商材なら、これまでの子ども向けの営業経験も活かせるだろうと。そこで、6年続けた家庭教師営業の仕事を辞めて、新しい挑戦を始めたんです。

会社を作ってみたいと考え東京に出てくる


キッズ時計はできたばかりのサービスで、ほぼ立ち上げの段階から携わることになりました。主にスポンサー営業をしつつ、広報やPR、撮影会の調整など、様々な仕事に携わっていきました。

すると、今度は次第に「会社を作りたい」という気持ちが湧いてきました。これまでの仕事は、フリーランサーとして業務委託で受けていました。ただ、会社にした方が社会的信用度も上がって仕事も増えるし、色々できると思ったんです。

そこで、2014年1月に「グラコネ」という会社を立ち上げることにしました。グラコネとは、「グラビティ(引力)」と「コネクション(つながり)」を合わせた造語です。私自身、これまで様々な人との縁で仕事が生まれいていたし、人同士をつなぐことで様々な機会が生まれることを実感していました。そこで、ヒトとモノとコトの「つながるをつくる」ことを会社の軸にしようと考えたんです。

そして、東京に出てきて、イベントのプランニングや、広告の制作管理などの仕事をするようになりました。人がたくさんいる場所が好きで、東京にはいつか出たいと思っていたんです。

また、個人的には、「ミス・ビットコイン」と勝手に名乗って、ビットコインを分かりやすく説明する動画を配信するようになりました。知人と夕食を食べてる時に、知人の友人として紹介されたのが後に「ビットコイン・ジーザス」の名として知られる事となるロジャー・ヴィアでした。彼からビットコインは海外送金の手数料がかからないと聞き、NPOなどが活用したら、もっと社会が良くなると考えたんです。

しかし、ビットコインの認知度はまだ低いし、ロジャーを誰かに紹介していても「ビットコインってよく分からない」と言われてしまうこともあったので、それなら私が分かりやすく情報発信をしようと思ったんです。

すると、ビットコインを扱う会社から問い合わせが来るようになり、大阪にあるビットコイン取引所Zaifの広報担当としての仕事もするようになりました。

子どもの気持ちに気づいて接することができる大人を増やす


現在は、グラコネによってつながるをつくること、Zaifでのビットコイン広報に加えて、日本の地域にある良い物を世界中に発信している「いいね!JAPAN」にも関わっています。これらは、全てが偶然の縁によってつながったものです。

ただ、これまでは「会社を作ること」が目的になってしまっていたと気づかせてもらうことがありました。知り合いに誘われ、自分と同い年の女性が開くセミナーに参加したのですが、その中で、「あなたは唯一無二の存在として、お客さんの深い悩みを解決していますか?」と言われて、はっとしたんです。会社を作り事業を回すことばかりに因われて、私は大事なことを忘れていたかもしれないなと。

そして、大学時代に家庭教師営業のアルバイトをした時に感じた、「勉強に悩んでいる子ども」の課題を解決できた時のやりがいをまた思い出し、原点に帰ってこれたような感覚がありました。その時から、これからは私自身が「深い悩みを解決できるサービス」を立ち上げたいと考えるようになりました。

特に、「子ども」を軸に置きたいと考えています。家庭教師営業の仕事をしていた時に感じたことですが、子どもの可能性は無限大なのに、周りの大人の言葉で、その芽を潰してしまうこともあります。それは、悪意があるわけではないし、身近な親であっても何気ない一言が子どもを傷つけてしまうこともあるんです。

逆に、子どもにかける言葉や触れ合い方によって、子どもが心を開き、可能性が引き出される瞬間もあります。そこで、子どもの気持ちに気づいてコミュニケーションできる大人を増やすためのサービスを作っていけたらと考えています。

私の人生は、これまで起こったこと全てがつながって今があると考えています。修行していたことも、大学時代にアルバイトを始めたことも、Skype英会話を始めたことも、全て何かの縁を運んでくれました。

だから、その時々で、「説明できないけど、なんだかそわそわする」ことを勝手にやっちゃうことが大事なんだと思います。これからも、そんな自分の本能に従って生きていき、唯一無二の存在として、人の深い悩みを解決できる存在になれたらと思います。

2015.07.31

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