「普通に頑張れる毎日」を積み重ねる。1年で会社を辞めて気づけた、大切なこと。

【株式会社UZUZ提供:第二新卒・既卒の就活CH】第二新卒・既卒に特化した人材紹介会社で、主に営業を務める横山さん。新卒で入った会社を1年で辞め、憧れていた会社にも転職できず、「やりたいことがゼロになってしまった」と話します。不安な日々を過ごす中で気づいた「普通でいること」の意味とは。お話を伺いました。

横山 友梨香

よこやま ゆりか|第二新卒・既卒専門人材紹介会社勤務
株式会社UZUZにて、営業とキャリアコンサルタントを兼務する。

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インドへの強い衝動


神奈川県平塚市で生まれました。学校全体を使って鬼ごっこをしたり、男子に混ざってドッヂボールをしたりと、運動が好きで活発な子どもでした。中学受験をするため、小学校高学年になってからは勉強ばかりしていました。
中学ではバスケットボール部に入りましたが、部内でゴタゴタが起きた時に何人かの友達と一緒にやめました。中高一貫校だったので、高校でも部活には入りませんでした。代わりに、アルバイトでお金を貯めて、好きなアイドルグループのコンサートに行っていましたね。

大学に入る頃にはアイドルに飽きていて、「好きなこと」を見つけたいと思っていました。中高で部活をしなかったので、大学では何かに打ち込みたいと考えていたんです。

ダンスに興味があり、チアリーディング部に入りました。練習はすごく大変でした。でも、仲間と一緒にひとつのことに打ち込めて、生活はとても充実していました。どんなに練習が辛くても、大会が終わった瞬間は楽しくて仕方ありませんでしたね。

ある時、本屋に置いてあった旅行雑誌で、インドの特集を見ました。その時、なぜか分かりませんが、ガンジス川にすごく魅力を感じました。「インドに行きたい」と、強い衝動が起きたんです。

ただ、部活がとても忙しかったので、部活を続けながらでは旅行の時間を作ることができませんでした。インドに行くなら、部活をやめる必要がありました。

私の大学生活は、部活でのコミュニティが全てでしたし、みんなと一緒に頑張りたいと思っていたので、部活をやめるかどうか、かなり悩みました。それでも、何かをしたいとこれほど強く思ったのは初めてだったので、2年生の夏、部活をやめてインドに行くと決めました。

海外の貧困問題を解決したい


1週間程度のツアー旅行でしたが、自分の目で見たガンジス川は感動的でしたね。ガンジス川は、地元の人が日常生活でも使いますが、すぐ近くに火葬場があり、死体が流れているのも日常のことです。私も流れている死体を見たのですが、不思議と怖いとは感じませんでした。生と死が間近にあって混沌としているように見えますが、インドではそれが自然なことなんだと感じました。
それからは、海外に興味を持ち、アジアの国々を一人旅するようになりました。また、海外旅行を広める学生団体に関わり始めてからは、学外の友人ができるなど交友関係が広まっていきました。

3年生に上がる時に、ファッションショーを企画するサークルの立ち上げに誘われました。部活の代わりに熱中できることを探していましたし、なんとなく将来ファッション系の仕事に就きたいとも思っていたので、立ち上げに参加しました。

大変なことはありましたが、ゼロから企画を作るのが楽しかったですね。ただ、ファッション系の仕事に就くのは難しいだろうなと、諦めてしまいました。上には上がいたんです。本当にファッションが好きな人は、自分でアクセサリーを作ったり、洋服をアレンジしたりしていて。私はそれでほどではなかったんです。

学生団体の運営をしながら、暇さえあれば海外を旅する、という生活を送っていたので、授業にはあまり出ませんでした。海外で路上生活者の姿をたくさん見て、将来は貧困問題を解決する仕事に就きたいと考えるようになりました。

ある時、先輩から面白いファッションブランドを紹介してもらいました。その会社は、バングラディシュに生産工場を持っていました。さらに、現地の素材を使い、現地の人が作ったアパレル製品を、日本で販売していました。雇用を作ることで、貧困問題に取り組む仕組みです。

途上国に対して、ボランティアで支援するのではなく、ビジネスで対等に支援していることに惹かれましたし、作っている製品自体にも魅力を感じました。そこで、大学4年生になってからは、そのブランドで働くことに決めました。

最初は、社長の考え方や人柄に惹かれていたので本社でのバイトに応募することを考えました。ですが、店舗での接客をとても大事にしている会社だったので接客のバイトをすることに決めました。というのも自分自身、接客の仕事に魅力を感じることができていませんでしたし、なぜこの会社が店舗での接客を大事にしているのかわからなかったので、理解したいと思ったからです。

目の前のことしか考えられない日々


アルバイトを始めると、お客様が喜ぶのを肌で感じられ、接客はとてもやりがいがあると分かりました。そのまま就職したいと思いましたが、その会社では新卒採用をしていませんでした。どうしても諦められなかったので、一度就職して力をつけ、数年してから戻ってこようと心に決めました。
就職活動でどんな仕事をしたいか考えるうちに、海外の貧困問題だけでなく、日本の問題にも目が向きました。海外では、路上で暮らしている人や働きたくても働けない人がたくさんいますが、日本はアルバイトでもすれば生きていける社会です。それなのに、大学生は「安定した大手企業に入ること」ばかりを目指していて。「自分のやりたいこと」に挑戦していないように感じていました。

その状況を変えるために、インターンシップを広めることが大事だと考えました。数日間のワークショップ形式ではなく、会社で実務をする長期のインターンシップです。それがあれば、大学生が仕事に触れることができて、仕事の選択肢を広げられるだろうと考えたんです。

そこで、大学卒業後は、インターンシップの導入を広めていたベンチャー企業に就職しました。

ベンチャー企業での仕事は、想像以上に大変でした。人が少ないので、仕事のやり方を丁寧に教えてくれる人がいませんし、かと言って、周りの人にどう頼ればいいかも分からず、効率良く仕事ができませんでした。

毎日終電まで働き、土日は疲れて寝るだけでした。友達と会う機会も減り、学生時代のように社会問題について考えることもできなくなり、目の前の仕事で精一杯。心が荒んでいくのを感じました。

入社1年目の夏頃には、会社を辞めたいと思い始めました。ただ、そんなに早く辞めてしまったらダメだと思ったので、決断はなかなかできませんでした。

1年で会社を辞め、第二新卒で転職


入社して1年経つ頃、組織が大きく変わり、新規事業を担当することになりました。このままずっと働き続ける気はないのに、新規事業なんて担当してしまったら会社に迷惑をかけてしまう。今のタイミングが一番だと思い、会社を辞めることにしました。
退職後、大学時代にアルバイトをしていた会社の面接を受けました。採用されると思っていたのですが、結果は不採用でした。

私は、その会社が好きなだけで、「会社をこうしていきたい」とか、意志がなかったんですよね。その会社に戻ることが目的で、会社で実現したいことはありませんでした。「社会人になって成長したよね」と、認められたかっただけで。

その気持ちに気づいた時、やりたいことがなくなってしまいました。ただ、面接で前職の話をした時に、「会社で経験したことから、しっかり学んだ方が良い」と言われたので、転職活動をしながら、自分が置かれている状況を学びに変えるにはどうしたらいいか考えました。

色々考えてみて感じたのが、私は社会人として働くということを理解できていなかったということです。1年働いただけで好きな仕事ができるという考えもとても甘かったと感じました。社会問題を解決するためには、泥臭い仕事も必要なのに、理念とかビジョンとか、綺麗な部分しか見えていなかったんです。見ようとすらしていませんでした。入社前に、会社の良い面だけでなく泥臭い部分もきちんと知る必要があったと感じました。

そんなことをキャリアコンサルタントに話すと、「人事が向いているんじゃない」と勧められました。確かに、人事として会社の全てをさらけ出す仕事ができれば、私のようなミスマッチを防げるかもしれないと思いました。そこで、将来的に人事になることを見据えて、次は人材業界で営業をしようと決めました。

転職活動では、いくつかの人材紹介会社に登録しましたが、その中でも第二新卒・既卒に特化した紹介会社を使いました。インターネットで見つけて、サイトの雰囲気が面白そうだと思ったんですよね。漫画が書いてあったり、面白い感じなんです。また、私が抱えていた「所属がなくて不安な気持ち」を、その会社の人なら分かってくれると思ったんです。

勧められたいくつかの求人情報のひとつに、その人材紹介会社の求人もありました。確かに、希望通り人材業界で営業ができる職場でした。また、社員全員を紹介してくれて。社員の人や会社の雰囲気が、合いそうだと感じたんですよね。それが、入社の決め手でした。

想定以上に心地いい会社


今の会社に入社して、1年ほど経ちました。想像以上に心地良く働けて、素直に驚いています。社員同士で思っていることを言い合う会が半期毎にありますし、普段から本音で接することができるので、風通しがいいと感じています。また、経営陣から会社の状況を逐一共有してもらえるのも嬉しいですね。
現在は、営業とキャリアカウンセラーの仕事を掛け持っています。営業の仕事は未経験だったので苦労も多いのですが、やっと最近、楽しめるようになってきました。クライアント企業の担当者と、どういう人材がその会社の成長につながるのか話して、イメージのすり合わせができる瞬間が一番嬉しいですね。

また、広報の仕事にも関わっていて、私は社外の人も招く交流会の企画をしています。女性の採用に力を入れているので、特に女性の方が来やすいイベントを開きたいですね。

将来に関しては、正直なところ、やりたいことや大きな目標を持っていません。「絶対に人事になりたい」というわけでもありません。どちらかと言うと、今の会社でマネジメントをしてみたいと考えています。

学生時代は自分を特別だと思い壮大な目標を掲げていましたが、社会に出て、私は特別ではないんだと気づきました。また、普通に働いて、目の前のことを頑張っていれば、それで良いんだと思えるようになりました。できることにしっかりと取り組み、その中で本当に自分がやりたいことを見つけていきます。

2016.02.24

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