働くことの難しさ、そして楽しさを伝えたい。「23年間を打ち砕いた2ヶ月間」を越えて。
【株式会社UZUZ提供:第二新卒・既卒の就活CH】新卒で入社した会社を2ヶ月で退職し、第二新卒・既卒に特化した転職支援サービスを運営する企業で再スタート、キャリアカウンセラー・営業担当として活躍する瀧水さん。部活やサークルで活躍しながらも、新卒の会社で感じた「それまで生きて来た23年間が2ヶ月で崩れ落ちる」という感覚。そんな経験の先に何を思い、どんな変化があったのか、お話を伺いました。
瀧水 貴博
たきみず たかひろ|既卒・第二新卒の就職支援
株式会社UZUZにてキャリアカウンセラー・営業担当を務める。
※本チャンネルは、株式会社UZUZの提供でお届けしました。
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厳しい野球部を耐えぬいた経験と、先生という夢
僕は埼玉県さいたま市に生まれ育ちました。父がずっと野球をしていたこともあり、物心ついた頃から家にはバットとグローブがあり、小学校から野球を始め、中学からは野球部に入って本格的に練習を始めました。父はプロでこそないものの、都市対抗選手権に出場するような選手だったこともあり小さい頃からスパルタの練習を受けており(笑)、半分野球が嫌いでしたが、中学に入ってからは楽しさを見いだしてからはのめり込んでいきました。
ただ、父のように完全に野球一筋になることには違和感もあったため、
中学を卒業してからは文武両道の私立校に進学し、野球だけでなく、ある程度勉強も打ち込もうと考えていました。
ところが、そんな風に「高校野球を楽しみたい」という気持ちで部活に入ったのに、僕たちの代から監督が変わり、元プロ選手の指導を受けることになったんです。最初は「あ、終わったな」と思いましたね。(笑)それでも、一つの縁だろうと、そのまま野球を続けることにしました。
それからは、生活環境が720°くらい変わりました。「野球というのは人格形成そのものだ」という哲学を持つ監督だったため、野球に取り組む姿勢はもちろんのこと、授業に向かう姿勢もとても厳しく、グラウンドにボールが落ちていたらその個数分校庭を走り、授業中に寝ていることがあろうことなら、その日はとんでもないことになる...という毎日でした。
そんな生活を通じて、とにかく自分のダメな部分と向き合う日々を過ごし、トレーニングや食生活を変えた結果、80キロ・体脂肪率3%という体型になり、個人的には終盤で怪我をしてしまったものの、チームは1・2回戦敗退だったのが県でベスト16まで躍進し、辛い日々でしたが、監督には本当に感謝の気持ちで一杯でした。
その後、高校を卒業後は仲の良い部活の先輩が早稲田大学に進学し「お前も早稲田に来い」と言われたこともあり、浪人してなんとなく早稲田を目指すようになりました。
また、中学の頃に恩師から受けた言葉をキッカケに、将来は学校の先生になりたいという思いを抱いていたんです。中学の英語の先生から、「お前は周りを盛り上げたりまとめたりできるから、先生に向いている」と言っていただいて、自分自身意識をするようになったんですよね。
元々、勉強が苦手な友人にマンツーマンで勉強を教えたり、野球部のチームメイトのバッティング練習に付き合ったり、「誰かが何かをできること」に貢献できることに、すごくやりがいを感じていたことも一つのきっかけでした。
しかし、大学を卒業して、社会を知らぬまま先生になるのは嫌だったので、広く社会を知ることができるようなイメージのあった経済学部を目指すことにしました。
能力主義の就職活動で見つけた納得感
ところが、迎えた受験には失敗してしまい、最終的には東洋大学の経済学部に進学することになりました。正直、志望校では無かったこともあり、最初の半年はそのことを引きずってしまい、あまり前向きになれずにいましたね。
しかし、入学式に出会って、同じサークルに入り、いつも一緒に行動している友人から、愚痴をこぼし続ける状態を見かねて、「自分の大学に誇りが持てないなら今すぐ辞めろ」と言われたんです。その言葉でハッとして以来、少しずつですが考え方が変わっていき、時間を自由に使える大学生活を楽しもうと考えるようになりました。
そこで、入学前から関心を抱いていた海外留学に挑戦してみたいと思い、イギリスやオーストラリアへの短期留学のプログラムに参加をしました。元々、英語の先生に影響を受けて以来、科目としても得意でしたし、海外への関心を抱いていたんです。実際に、海外特有のフランクにコミュニケーションを取ってくれる遠慮をしない雰囲気はすごく心地よかったですね。
また、友人と一緒になんとなく入ったサークルでは、先輩からの推薦で代表を務めることになったんです。仲良くしていた友人が副代表を務め、300人規模の団体をまとめて運営することになりました。
そんな大学生活を過ごし就職活動を迎えると、「圧倒的な成長を遂げたい」と思い、厳しいと言われる業界に身を置こうと考え、先輩から話を聞いて関心を持った金融業界を受けて回りました。
すると、ある日たまたま会社説明会の間に空いている時間があり、その時間帯でどこかの説明会に行けないかと探していき、ワークスアプリケーションズという会社が説明会を行っていることを知りました。そして、その説明会の説明文に書かれていた、「圧倒的な成長」という言葉に惹かれ、見に行ってみることにしたんです。正直、どんな事業をしているか等は全く分からない状況でした。
そして、実際に説明会を聞いた後、その場で選考のために論理思考力を測るテストを行うことになったんです。そこで初めて会社に関心を持ったんですよね。「この会社は、能力値で見てくれるんだ!」と。
それまで、過度に大学名を強調するような雰囲気を感じたことが多々あり、どこか違和感を感じていたため、そういったスタンスに関心が湧いたんです。結局そのまま実力主義の選考を進めていき、最終的には内定をいただくことができました。能力で評価をしてもらえることに、自分自身嬉しさを感じましたね。
他にも金融系の会社から複数内定をいただいていたものの、自分が何故受かったか分からなかった中、この会社に関しては、すごく納得感があったんです。
そこで、一番大変そうだけど面白そうな環境に飛び込みたいという思いから、ワークスアプリケーションズへの入社を決めました。
23年を打ち砕いた2ヶ月
実際に入社をしてからは、エンジニアとしての研修が始まりました。ところが、その研修で自分の力の無さを痛感してしまったんです。独力でプログラミング課題を解くような研修だったのですが、これまで触れたことが無い分野だったこともあり、どこまでいっても分からず、これまでに感じたことが無いような壁に突き当たりました。
しかし、なんとか食らいつかなければという思いで、自ら本を買って、仕事が終わり家に帰ってからは朝まで勉強をして、研修中は昼も食べずに仕事をして、というフル稼働状態を続けていきました。
ところが、そんな努力をしながらも、中々成果に繋がらない日々が続き、次第に「自分はなんでこんなにできないんだ・・・」とふさぎ込んでしまうようになりました。これまで自分に自信を持っていたからこそ、自分ができないわけがないと思いましたし、できないということを認めたくもなかったんです。
それでも、次第に精神的にも追いつめられていき、憂鬱な感覚を持つようになっていきました。これまでの23年間が、たったの2ヶ月で打ち砕かれてしまったような感覚でした。
また、次第に体調も崩し始め、周りからも顔色がいつもと違うと言われるようになりました。そこで、「これが自分の限界なのかな」と感じてしまったんです。
一度冷静に考えて、自分のダメな部分を認めようと考えるようになったんですよね。これ以上やったら本当に壊れてしまう、と。入社して2ヶ月のタイミングで、会社を退職することに決めました。正直、逃げたいという思いも強かったのだと思います。
会社を辞めてからは、まずは体調を治すことから始めました。ほとんど何もせずに1ヶ月休養をした後、しばらくはすぐに働かずに猶予を設けようと決めました。
働くことに恐怖心があったんです。自分は社会で通用しないんじゃないかという感覚がありましたし、例え就職したとしても、次の会社でも役立たずとして終わってしまうんじゃないかと。
そこで、あまり難しいことを求められない派遣のアルバイトで生活を行うようになりました。食べていくだけの給料はもらえていましたし、バイトの環境では自分のことを責められることも無かったので、それまでとは変わって、快適に過ごすことが出来ました。
第二新卒としての再スタートと、怒られるありがたさ
しかしそんなバイト生活を続けていくと、少しずつ気持ちに変化が起こり始めました。
社会人として働く友人と久しぶりに集まったり、厳しい環境で仕事をしながらも自分との時間を作ってくれていた彼女を見ていて、次第にこのままではいけないと感じるようになったんです。勇気を出して、もう一度ゼロから始める気持ちで突き進むべきなんじゃないか、と。
そこで、同じ時期に辞めた同期に話を聞き、転職サイトに登録しエージェントの面談を受け始めました。改めて自らの成長というテーマに加え、学生時代から違和感を感じていた就職活動の課題解決につながるような人材業界を見て回ることに決めたんです。
すると友人から、個別サポートで面白いエージェントがあると言われ、株式会社UZUZという人材系の会社を紹介されました。そして実際に面談を始めると、僕のキャリア設計に加え、入社後すぐに会社を辞めてしまった自分の甘い部分について、厳しい言葉もかけていただいたんです。「ここまで自分のことを思ってくれる人がいるんだ」と、驚きすら感じましたね。また、第二新卒や既卒の社会人に特化して転職サービスを行う背景やビジョンについても話を聞き、次第に経営者のお二人に魅力を感じるようになっていきました。
気づけば、どの会社に選考に行く時よりも、UZUZに面談に行く日が一番楽しく感じていたんです。そこで、思い切ってUZUZで働きたいという旨を社長の今村さんに伝え、採用前提の2週間のインターンに参加させていただくことになりました。
ところが、1週間経った中間地点で副社長の岡本さんからいただいたのは、「今の姿勢や働き方だと正直厳しいと思う」という言葉でした。正直、やはり通用しないのかもしれないと感じたり、諦めようかと感じることもありました。ただ、残りの1週間、ありのままで仕事に打ち込むと、最終日の朝礼で合格をいただくことができたんです。最初は最終日の夕方に結果を伝えると言われていたので、朝礼の段階で「新しく入社する人がいる」という話を聞いた時も、まさか自分だとは思いませんでした。
本当に驚きしかありませんでしたね。そしてその後には経営陣のお二人を含む会社への感謝を強く感じました。
しかし、一方でもう一度企業に務め働くことに対し、恐怖心が残っているのも事実でした。働き始めてからも、自分が必要な存在になれているか、ずっと不安でしたね。
ただ、新卒の時は怒られることが悪だと思っていたのが、UZUZに入り、上司の岡本に「なんで怒っていると思う?不要な人ならそもそも採用しないよ」という話をされて以来、自分勘違いしていたことに気づいたんです。指摘してくれる人がいることは幸せで、指摘されなくなったら終わりだと。
2度目のスタートを切って、「怒られること」の意味に気づいてからは、少しずつ不安も無くなっていき、仕事への考え方も変わっていきました。
働くことの難しさや楽しさを、多くの人に伝えていきたい
現在はエンジニア等、技術系求人ニーズを抱える企業への営業に加え、キャリアカウンセラーとして求職者の方とのコミュニケーションを行っています。
特にエンジニアに関しては未経験からスタートできる企業も多く、業界も多岐に渡って間口は広がっている状況です。ただ、既卒や第二新卒の求職者に対し、「輝く部分がないのではないか?」というネガティブな感覚を持たれてしまうこともあり、そのイメージを払拭することに力を入れています。一度退職していることや、就職しないまま卒業していること等、就職においてはビハインドな状況であるからこそ、「この状況を取り返してやる」という熱意は人一倍なんですよね。
実際に一度会ってもらえると、採用したいと言う声をもらえるケースもあり、最初からうまく伝えることができないことに、悔しさを感じることもありました。
また、キャリアカウンセリングにおいては、自分自身が2ヶ月で会社を辞めているからこそ共感できる部分も多いですし、そんな方の人生設計に関わることに大きな責任を感じます。実際に、短い期間で2社を退職した方から新しく働きたいという声をいただきながらも、自己認識にずれがある状態では紹介をしないほうが良いと判断し、エージェントながらどこの会社も紹介せずに考えてもらったこともありました。その時は本当に悩みましたね。
しかし、そんな風にその人の人生に責任を負ってキャリア選択のお手伝いを行うからこそ、実際に就職をして、1年後等に「こんな感じで働いています」という声をもらえる時は、本当にやっていてよかったなと感じます。
今後は、会社により大きく貢献していくためにも、今の仕事に加えて新規事業の開発にも携わり、より価値を発揮していきたいと考えています。また、学校の先生という形ではないものの、昔からの夢だった教育には会社の事業を通じて携わっていければという気持ちもあります。
自分自身が働くことの難しさや楽しさを深く感じられたからこそ、それらをもっと多くの人に伝えていきたいですね。そうすることで、もっと多様な働き方ができるんじゃないかと思います。
2015.04.26