東京で生まれ育ちました。細かいことが気になって、「なんで?」とよく質問する子どもでしたね。例えば、マイナス×マイナスがなぜプラスになるのか、どうして文化祭や体育祭、修学旅行が全員参加なのか…。疑問に思うことの理由がわかり、自分で納得できるまでは動きたくありませんでした。

「なんで?」と聞くとたいてい、「みんなもそうしているから」「そういうものだから」と言われるのですが、全然納得がいかなくて。だってそれ、理由になっていませんよね。みんなはそうかもしれないけど、私はそうは思わないのに、なぜ頭ごなしに否定されるんだろう…って。親や先生にはよく「口ごたえするな」とか「屁理屈ばっかり言って」と言われていました。

地元の小、中学校に通ったのち、高校は都立の進学校に進みました。校則も制服も一切なくて「自由な校風」と言われていたのですが、教室内の空気感はわりと日本人的というか、あまり自由な感じはしなかったですね。華やかな容姿やキャラクターだったり、リーダーシップがあったり、あるいは運動部に所属していたり、そういう子が目立っていて、そうじゃない子はおさえめな行動をしている雰囲気があって。

あと、男子生徒が投票する裏ミスコン、女子生徒が投票する裏ミスターコンのようなものが存在していました。年に2回くらい自主的にアンケートを取って集計して、イケてる人ランキングトップ5みたいなのを決めるんですよ。集計結果が出たら、授業中にランキングが書かれた小さな紙切れが回ってくるんです。オープンな学校のイベントではなく、秘密裏のものでしたが、脈々と受け継がれてきた文化だそうで。

「ここにイケてると思う男子の名前書いて」とクラスの女子からアンケート用紙が回ってきたとき、「人に順位付けするのめちゃくちゃ嫌だなぁ」と後ろ暗い影がさしたんです。通常のミスコンが立候補者の中から選ぶシステムなのに対して、これってクラス全員が強制的に立候補者になって、“序列を可視化”しちゃうわけですからね…。こういうランキングに入る子たちはやっぱり発言力が強くて。なんとなく息苦しさがあるなと感じながら、そういうものかな、と飲み込んでいました。