夢を持つことで巡り会えた、
「ライフプランナー」という僕の生き方。
生命保険会社のライフプランナーとして、保険だけでなく様々な分野からお客さんの人生サポートをされている中村さん。「夢を持って様々なことに取り組んできたからこそ、今の仕事に出会えた」と話す背景にはどのような出来事があったのでしょうか。お話を伺いました。
中村 俊介
なかむら しゅんすけ|ライフプランナー
ソニー生命保険株式会社のライフプランナーとして、主に保険や金融といった分野からお客さんを支援する。
また個人で、金融の知識をつけるセミナー「おかねの学校」や、キャリアを考えるトークイベント「はたらきかた美術館」を運営している。
人前で話すことを克服したい
私の父親は浅草で煎餅屋を、母親が婦人服店を営んでいる商売人の家系に生まれました。両親からは、手に職を持った方が良いということと、人の縁を大切にするようにとよく言われていましたが、それ以外は放任主義で、勉強をしなさいと言われたこともなく、自由に育てられていました。
小学校5年生の時に部活でサッカーを始めてから中学3年生まで、テニス、吹奏楽、卓球というように、毎年違う部活に入っていました。暇なのが嫌で、部活の他に囲碁将棋同好会に入ったり、地学部に入ったりと掛け持ちをして、興味があればすぐに何でも挑戦していたので、毎日何かしらの活動をしていましたね。
高校では、たまたま知り合いに誘われて入った剣道部で3年間活動を続けました。特に剣道にこだわりがあって続けたわけではなかったのですが、体育会系の厳しい練習をやっていく中で、何かを続けることの大切さを学ぶことができたんです。
高校3年生の卒業パーティーで、その会の司会進行役が募集されているのを知りました。それまで、人前に出たり、目立ちたいという思いはあったものの、シャイな性格でなかなか言い出せないこともありましたが、この時はなんとか立候補してやってみることにしたんです。
でも当日は、とにかく緊張してしまって、「グラスをお取りください」と言うところを、「グロスをお取りください」と言い間違えてしまう程でした。(笑)ただ、人前で話すことはとても楽しかったので、緊張してしまう自分を今後は克服したいなと強く思いましたね。
アナウンサーを目指しながら、様々なことに挑戦
大学に入学すると、人前で話すことへの苦手意識を克服したいという思いで、なるべく人前で話す回数を増やそうと、まずはアナウンス研究会に入りました。学内だけでなく、池袋の大型イベントスペースのDJブースを利用して、曲を紹介したり、決めたテーマでトークをしたりする番組制作を行うなど、精力的に活動していました。
他にも、姉が日本チアダンス協会の運営の手伝いをしていたことから紹介を受け、東京体育館で行われる大きな大会の司会に挑戦させてもらいました。このような大舞台を経験し、度胸がついて、徐々に人前で話すことに自信を持てるようになっていきました。そして、このように人前で話すということをこれからもやっていきたいと思い、人前で話すプロフェッショナルである、アナウンサーという仕事に憧れるようになったんです。
また、大学では、アナウンス研究会の活動だけでなく、ダンスサークルや資格取得サークルにも入って活動していました。アナウンサーという夢を叶えるために様々な経験をしておかなければと考え、とにかく興味を持ったものは何でもやってみましたね。
大学3年生の夏休みに、アナウンサーの1日体験スクールの選考を受けて、合格することができたんです。合格するのが難しかったのでとても嬉しく自分にも自信がつきましたし、実際にスクールで実践的な体験してみると、もしかしたら本当になれるかもしれないと、気持ちが更に強くなりましたね。
ただ、実際に就職活動を始めてからは、どうしても東京で働きたいと考えていたため、キー局しか受験しなかったんです。結果的に受験したテレビ局は全て落ちてしまったため、アナウンサーの夢は諦めることになりました。その時、大手の通信教育や出版をしている会社のインターンもしていたのですが、そこで社員の方の考えや理念に共感し、更に「人生においてのよりよく生きるための情報を与える」という事業内容を魅力的に感じたため、アナウンサーになれなかったら、この会社に入ろうと思っていました。そのまま選考を受け、入社することを決めたんです。
明日死ぬとして、その仕事をするのか?
就職してからは、中学3年生から高校1年生に向けて自社の教材を勧めるために送る、ダイレクトメールを企画・制作するなど、主にプロモーションを行う部署を希望し、配属してもらいました。
同じ部署の先輩方は、「かっこいい!」と思うような制作物を作る人ばかりで、とても優秀な方に囲まれ、充実した環境でしたね。特に、課長からは「ダイレクトメールはラブレターだ!」と言われ、自分の売りたいものを押し付けるのではなく、どうしたらもっと届ける先の人の力になれるのかを考えて活動するという、企業活動の根幹の大切な考えを学ぶことができました。
ただその一方で、媒体を通して情報提供行うのではなく、自分自身の力で、対個人に何かを伝えることをしていきたいという気持ちがあったんです。そこで、仕事とは別にキャリアカウンセラーの養成講座を受講し、資格を取得しました。もともと手に職をつけたいと思っていましたし、大学時代に就職活動支援を行った経験からキャリア教育に興味があったんですよね。
そんな風に模索しながら仕事を続け、入社して4年ほど経った頃、東日本大震災が起きました。
この時、いろいろなことを考えさせられたんです。いつ死ぬかもわからず、本当に何が起こるかわからない世の中なんだなと、強く感じ、仕事とは何か?自分がやるべきことは何なのか?など、考えずにはいられませんでした。
最終的に、「明日死ぬとして、今この仕事を続けるか?」と自分の中で問うと、「自分の強みを活かしきれている仕事ではない」と思ったんです。
今の仕事や環境にはとても恵まれているものの、今は会社あっての自分でしかなく、このまま進んでも自分の目指すべき社会人像にはたどり着かないような気がして、「手に職を持て」という親からの教えを実践できるようなフィールドにいった方がいいような気がしていました。
すると、たまたまある生命保険会社から、「ライフプランナー」として転職をしないかという誘いを受けたんです。よく話を聞いてみると、その仕事がただ生命保険を売るだけのものではないということを知り、興味を持ちました。
そこで、自分のいた会社からライフプランナーに転職した先輩に話をきいてみると、ライフプランナーとは、「どう生きるか?」というところに焦点を当て、元気な時でもどうやったらもっとよく生きていけるのかと一緒に考える、人生の伴走者のような存在なのだということを知りました。
それを聞いて、まさに自分が今までやりたいと思ってきた仕事だと感じたんです。人から相談されることが好きで、自分の周りの人々をどうしたら幸せにすることができるのかと考えていくことができるこの仕事は、自分に適していると思いましたね。
「キャリアカウンセラー」の養成講座の経験から人のキャリアをサポートしていきたいという思いも、対個人に直接、情報提供をしたいという思いも、何もかも叶えられると思ったんです。そして、約5年勤めた会社を辞め、ライフプランナーに転職することに決めました。
生涯ライフプランナーとして生きていく
実際に転職してみると、思った以上に保険以外のいろいろなことを知らなければいけない仕事なのだと気づきました。ローンなどお金にまつわる話から、仕事や人間関係が上手くいかない等という相談まで受けるんです。
ただ、大変な一方で、この仕事を通して、自分の好きなことである「人から相談されること」と、「人前で話すこと」ができ、それによって周りの人を幸せにしていくという、自分が目指している生き方ができていると感じます。だから、自分の中で仕事とプライベートを切り分けることができず、ライフプランナーとは生き方そのものだと思っているんです。
私は人生を通して、人々に生きていく上で必要な、お金とキャリアという2つの面から人々をサポートし続けたいと考えています。これはどちらかが欠けてもダメで、お金の知識をつけるためのセミナーを開催したり、キャリアカウンセラーの資格を活かし、将来のことを考える場として、『はたらきかた美術館』という、半歩先をいく素敵な働き方や生き方をしている方を呼んでトークイベントをしたりもしています。
さらに、自分自身がアナウンサーという夢を叶えるために、とにかく様々な経験をしてきたからこそ、今、いろいろなことにその経験が活きてきていると感じています。叶うかどうかは関係なく、夢は持った方がいいと僕は思っています。それが未来にいい形でつながってくると信じているからです。
今後については、「とりあえず、中村俊介に相談すればいいよ!」と言われるような存在になりたいですね。だから、そのためにも各業界のプロフェッショナルに会って、自分が窓口となり、人と人をつないでいって、どんなことでもお客さんが幸せになるための価値を提供できるようになりたいです。今後も自分と関わった人を幸せにし続けるために、この会社で生涯ライフプランナーとして、生きていきたいと思っています。
2014.10.01
中村 俊介
なかむら しゅんすけ|ライフプランナー
ソニー生命保険株式会社のライフプランナーとして、主に保険や金融といった分野からお客さんを支援する。
また個人で、金融の知識をつけるセミナー「おかねの学校」や、キャリアを考えるトークイベント「はたらきかた美術館」を運営している。
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