人生にBefore/Afterを!「短髪・体育会・ジャージが私服」だった私だからできること。

ファッション、メイク、ヘアチェンジで一日で別人のように変身させるトータルスタイルプロデュース、「シンデレラプランニング」を運営する三村さん。「このサービスに出会っていい人生になったな、と言ってもらえるサービスを作りたい」と話す背景には、ご自身に訪れた大きな転機のストーリーがありました。

三村 愛

みむら あい|トータルスタイルプロデュース事業経営
ファッション、メイク、ヘアチェンジで一日で別人のように変身させるトータルスタイルプロデュース、「シンデレラプランニング」を運営する、
株式会社りぷらすの代表取締役を務める。

シンデレラプランニング

短髪で剣道部、男の子みたいな女子高生


小学生の頃、「るろうに剣心」に憧れて、剣道を始めました。
もともと漫画やアニメが好きでしたし、どちらかというと人と違うことをしたいという性格だったんですよね。

「礼儀作法が身に付く」と、親も喜んでいたのですが、
いざ始めてみると、「臭い」「重い」「熱い(寒い)」と、すごく大変でした。
中学に上がる頃にはもう辞めようと思い、吹奏楽部やバレー部を見に行ったのですが、
小学校の友達に一緒に剣道部に入ろうと誘われたのを断りきれず、
結局再び剣道部に入ることになりました。

当時は身体が大きくて根暗だったこともあり、地味なグループにいましたね。
いじめられていた時期もあり、あまりいい思い出はなかったです。

高校に進学すると、今度こそ剣道を辞めて自由になろうと思ったのですが、
他にこんなことがしたいというものが見つかりませんでした。
そんな中、高校でも友達についていった練習で監督に気に入ってもらい、剣道部に誘われたんです。

さすがにどうしようか悩んだのですが、剣道を続けることに決めました。
何もなくダラダラしている自分より、スポーツに打ち込んでいる自分の方がいいと思ったんです。

ところが、高校は非常にスポーツが盛んな学校で、もんちっちみたいな短髪で、
一人称は「自分」でなければいけない、というとても厳しい環境でした。

そんな風に部活に打ち込んでいたこともあり、クラスでは男の子みたいなキャラクターでいじられていたんです。
プロテインを飲んでいた影響で筋肉質な体型になってしまい、
「クラスで一番彼氏ができなさそう」とからかわれることもありました。

自分でも、女の子らしくなるイメージが全然持てなかったんですよね。

提案されたコーディネートで知った、自分の可能性


高校卒業後は短大に進学しました。
本当は、社会の授業で関心をもった、保健所で処分されてしまう動物の問題に取り組もうと、
専門学校に進もうと思ったのですが、「それだけでは食べていけない」という周りからのアドバイスもあり、
最低限の生きるスキルを得るために、情報系の短大に進学することに決めました。

大学生になってからは、当然、私服を着ることになりますが、
それまではずっとジャージを私服代わりに着ていたんですよね。
ひどいときは体育着の短パンにトレーナーで出かけたこともありました。
そんな背景もあり、洋服屋さんが何処にあるか知らないし、メイクの仕方も分からない、
オシャレなお店に行くのには抵抗すら感じていたんです。

ただ、ある時友達に「買い物に付き合ってほしい」と頼まれて、しぶしぶ付いていったことがありました。

行った先のお店で友達の試着中に服を見ていると、店員さんに話しかけられたんです。
雑談をする中で、私の顔立ちや体型を見て、コーディネートをしてくれました。

普段は避けているような服だったので、抵抗もあったのですが、
選んでもらった服をいざ着てみると、自分の容姿が全く違って見えたんです。

本当に、とにかく感動しました。
予算を大幅にオーバーしているのに一式買ってしまうくらい驚いたんです。

それ以来、外見にすごく関心を持つようになりました。

せっかく買った服を着こなしたいという思いにかられていたんですよね。
美容学校にいた妹に頼んでメイクを教わったり、ウォーキングや半身浴をしてみたり、
とにかく色々なことを勉強しました。
すると努力がどんどん成果に繋がっていき、月単位で体重が下がっていったんです。

スイッチが入ったことで、それまで自分がしていなかった、
「女性としてみられる努力」を始めてするようになったんです。

そうするうちに短期間で外見が一気に変わったこともあり、
周りの人の反応もすごく変わっていきました。

昔のバイトの友達から驚かれたり、合コンやパーティーに誘われたり、
気付いたら、付き合っている友人のタイプも変わりました。

外見が変わることで、劇的に色々なことが変わっていったんです。

チャレンジするには今しかない


大学を卒業してからは、旅行関係の会社を経て、大手コンサルの社内ベンチャーに転職しました。
動物関係の方面で独立したいという夢はまだ抱きつつも、社会経験も必要だと感じたんですよね。

ところが、社会人になり働く中で、同性の先輩をみていくうちに、
女性は実現させたい夢と“産み育てる”自らの性との両立が難しいことに気がつきました。

言葉では平等といっても肉体的、社会的にも男性と全く同じにはなれませんし、
結婚すれば出産、育児に親の介護など、女性が家庭の中で負う役目は多くなり、
自分の都合で物事を決定することが難しくなってしまう。
そう考えたとき、私は逆らうのではなく、そういう立場に納得して生きていきたいと思いました。

じゃあ、自分がしたいと思ったことに、自分の判断で可能な限りのリスクを負って挑戦できるのはいつまでだろうと考えると、
30代半ばまでなんじゃないか、というような危機感を持つようになりました。

そんな折、これまでの自分の変化の経験を綴ったブログに少しずつ反響が来るようになったんです。
同じように悩んでいる女性がコメントをくれたり、悩みの相談をしてくれる方もいました。
中でも、

「コーディネートを参考にしたいです!」

というコメントをたくさんもらうようになったんです。

でも、自身の経験からも、人ごとに似合うものは大きく違うし、
一概にオススメができないよな、という悩みがありました。
せっかく期待をしてもらっているのに、すごく歯がゆい気持ちでした。

そんなコメントをもらううちに、段々と、どうにかして、個々人に合うものを選んであげられないか、
と考えるようになりました。
言い換えれば、私が偶然見つけた変化のキッカケを、必然にしたいと思ったんです。

そんな思いを叶えるために、私は自らサービスを立ち上げることを決めました。

25歳を迎えた私の、「自分がチャレンジするには今しかない」という危機感が背中を押してくれました。

本当に色々なことが重なったタイミングでした。
元々考えていた動物関連のことよりも先に、自分ができることで、今やるべきことがあり、
それを心からやりたいと思えたんです。

「あのサービスに出会って、いい人生になった」


最初はmixiのコミュニティでスタイリストを募り、ブログでモニターを集め、小さくスタートしました。
「シンデレラプランニング」と名付けたサービスで、一人でも多くの人に価値を届けようと、試行錯誤を繰り返しました。

やはり、新しいことに挑戦しているからこその難しさを感じながら、
それでも腹をくくってサービスを作っていきました。

そんな風に覚悟を決めて取り組むことで、現在パートナーとして一緒に仕事をしている技術講師の方を含め、
仲間が集まり、サービスの精度もどんどん上がっていったんです。

今では、7万人の統計データから生まれた分析情報をサービスに取り入れて、
老若男女関わらずその人に本当に似合うものを提案できるまでに至りました。

私自身は、自分の価値観を押し付けるようなプロデュースではなく、
変わりたい人(お客様)と、変えてあげたい人(コーディネーター)を繋ぎ合わせる、
看板になりたいと思っています。

理想としては

「あのサービスに出会ったから、いい人生になったな」

と先々のどこかで振り返ってもらえるものにしていきたいと考えています。

個人としても、別に偉くなりたい訳でもないですし、キャリアウーマンになりたい訳でもないんです。
結婚もしたいし、子どもも生みたいという気持ちがあります。

だからこそ、育児をしながら運用できるモデルを作っていますし、自社だけで大きくなろうと背伸びせずに、
色んな会社や団体の痒いところに手を届かせながら自社を成長させることが目標です。

そうすることで、女性としての働き方の一つのサンプルにもなれたらいいなと思うんです。

いつも、何か判断をするときは、「どっちの自分が好きか」という観点で決めてきました。
今は、この仕事に全力で取り組む自分が好きなので、このまま真っ直ぐ進んでいきたいです。

2014.05.19

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