絶景を通じて多くの人にワクワクを!私にしかできないことで、伝え続けたい。

書籍「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」の著者である詩歩さん。「この本は、会社から帰ってきたOLの人が、寝っ転がりながらページをめくって…」と、本の先にいる人への想像をふくらませ、こだわりの点を楽しそうに話されますが、今を悔いなく生きる姿の裏側にはどんな背景があったのか。お話を伺いました。

詩歩

しほ|「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」管理人
インターネット広告代理店の新卒研修で作成したFacebookページ「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」が62万いいね!を突破。
2013年8月に書籍「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」を出版し、Amazon・オリコン年間ランキング等で1位を獲得するなど話題に。
2014年7月に2作目となる「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 日本編」を出版。
シリーズ累計38万部を超えるベストセラーとなっている。

Facebookページ「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」

書籍
「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」
「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 日本編」

積み重ねること


私は静岡県の田舎で生まれ育ちました。

物心ついた時から、何で見たかは覚えていないのですが、「最後の藁」という話が心に残っていて、小さなことでも、積み重ねることに意味があると考えていましたね。

また、なぜか環境問題に関心があって、こまめに電気を消したり、節約を心がけていました。私1人が節約してもほとんど意味は無いかもしれないと思いながらも、この行動が、誰かの生活を守ると考えると使命感がありましたね。

中学時代はいわゆるガリ勉で、テスト期間は毎日14時間くらい勉強していました。親にも「もっと遊びなさい」と怒られるほどでしたが、自分に自信もなかったので、「やらなきゃ」という焦りが強かったですね。

地道な積み重ねが功を奏し、高校も自分が志望していた学校に進むことができ、大学も勉強したかった環境問題を学べる学校に合格することができました。そして、大学から東京に上京してきました。

色々な人生


やはり上京してからは驚きの連続でしたね。渋谷と原宿はすごく近くにあることや、恵比寿という地名があること、TVでしか知らなかった世界を目の前にし、とても驚きましたが、それ以上に、色々な人がいることが刺激的でした。

田舎で育ったので、幼稚園から中学校まではみんな同じメンバーで、高校から少しとなり町の人もいる程度で、誤解を恐れずに言えば、みんな似たような人生を送っていたんです。しかし、東京で出会った人たちは、起業している人もいるし、帰国子女もいるし、アイドルやっている人もいて、いろんな経験をしている人たちがいたので、刺激的でしたね。

私ももっと色々な経験がしたいと思い、やりたいと思うことを全部やるため、活発に動きました。それまで海外に行ったことがなかったので、「海外の友達を作りたい!」と思い、大学2年の時、1人でイタリアのボランティアツアーに参加しました。英語は得意だったので話せると思っていたのですが、全然通じず、結局あまり友達はできませんでしたが(笑)

また、国内旅行もそんなに行ったことがなかったので、遺跡とかお城とか、色々な場所に行きました。歴史が好きで、古い場所に行き、その土地で過去の人と同じ風を感じながら、そこで生きていた人のことを考えるのが好きだったんです。

広告とネット


一方、環境問題に関しては相変わらず関心があったので、環境問題を解決するビジネスコンテストを運営するサークルに所属していました。そこでは多くの社会人の方と会う機会があり、家が自営業だったのでサラリーマンとして働くという生き方も知らなかったし、どんな職業があるのかも知らなかったので、とても新鮮でしたね。

そんな中で、環境省と一緒に、世の中の人にいかに環境問題に関心を持ってもらうかを企画している、広告代理店の方と知り合いました。それまではそんな職業はもちろん知らなかったのですが、1つの会社に入るよりも色々な問題を扱え、多くの人に届けられることに興味を持ち、広告代理店に就職したいと思うようになりました。

ただ、調べていくうちに広告代理店はTVや新聞の枠を押さえることが非常に重要で、そういうことに力を注ぐのは自分がやりたいことじゃない気がして、既存の大手広告代理店が力を入れていない、ネット広告の領域の会社を志望するようになりましたね。そして、行きたいと思っていたネット広告の会社に内定をもらうことができました。

死ぬまでに行ってみたい


旅行はイタリア旅行以来ハマっており、南米やアフリカにいったり、ひとりで日本一周をしたりしていました。

しかし入社直前、大学生活最後の卒業旅行で、大きな事故に巻き込まれました。

オーストラリアでキャンピングカーに乗っていたのですが、車がまっぷたつに割れてしまうような大きな事故に遭い、意識がないままヘリで病院に運ばれ、手術をしてそのまま緊急帰国することになったんです。幸い一命をとりとめましたが、大げさな表現ではなく、死にかけたんです。

そして、包帯ぐるぐる巻で入社した会社の新卒研修の1つだった、1人1つfacebookページを運用するという課題でつくったのが、「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」のページだったんです。

これは、大好きな旅行中にでも死んでしまったかもしれないから、人間は本当にいつ死んでしまうか分からない。だからいつ死んでも後悔しないように、「死ぬまでに行きたい場所」をストックしてみんなと共有しよう、というコンセプトでつくったんですよね。

正直新卒研修がとても忙しく、更新するのも会社から帰ってきた深夜に行うのでしんどかったのですが、1回投稿すると1万人以上がいいねを押してくれて、自分が発信したことが、知らない人の心を動かしていることがすごく面白かったんです。

そうやって更新を続けていると良いことがあるもので、数ヶ月経った時に出版の話をもらうことができたんです。そして会社の仕事は続けながら、就職して2年目に『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景』を出版しました。

私じゃなきゃできないこと


出版してからは、2作目の話を頂いたり、講演会に呼んでいただいたり、様々な活動のオファーをいただくようになりました。しかし、会社の仕事もすごく忙しく、両立できるような状態ではなかったので、旅行関連の仕事をお断りする日々が続いていました。

実際、会社の仕事も好きで、忙しいこと自体も楽しかったのですが、仕事と旅行系の活動を二足のわらじでやるということは、両方とも全力でやらないということ。どうせ死ぬことはないんだから思い切って片方に絞ろうと考え、2年働いた会社を辞め独立することにしたんです。

これからはフリーで動きながら色々な活動を通じて、絶景を通じて日常生活にわくわくを伝えていけたら良いなと思っていて、今は「行きたい!」と心を動かすだけで終わってしまっているので、実際に絶景の地にみんなが行けるところまでサポートしていきたいと思っています。やっぱりFacebookページや書籍だけではなく、その場で体感することが一番感動するので。

今の仕事は、1人でやっている感覚ってあんまりなくて、Facebookでいいねをくれた人の反応で書籍にする景色も選んだし、2冊目も「日本版を見たい!」という声をもとにつくったので、みんなで一緒にやっている感じですね。人生でこんなに求められたのは初めてなので、嬉しいし、自分ができることを妥協せずにやっていきたいです。

そして、死んだ時に後悔しないように、「やるなら全力で」「コツコツ続けること」のスタンスでやりたいことに突き進んでいきます。

2014.08.11

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