静岡県静岡市で育ちました。スポーツマンの父の影響で、父と弟と一緒にランニングや水泳、サッカー、スキーなどいろいろなスポーツをして過ごしました。どんなスポーツもまんべんなくできるようにという父の教育方針です。お陰でほとんどのスポーツは人よりうまくできましたが、近所に通報されるくらいスパルタ指導だったので、ちょっとできたくらいで褒められることはなく、自己肯定感は常に低かったですね(笑)。

ただ、本当に好きなのはスポーツよりも絵を描くことでした。自分の思いや考えを表現できるのが面白かったんです。毎日、1人でコツコツ漫画を描いていましたね。でも、漫画を描いている子は暗いイメージがありましたし、家族はスポーツ一家。漫画を描いている自分を見られるのが嫌だと思い、誰にも知られないように隠れて描いていました。

ある日、絵を描いているところを親に見つかってしまったんです。「お前、面白いの描いてんな」と言われて、特に否定されたわけではないのに、恥ずかしくて恥ずかしくて。それ以来、絵を描かなくなりました。「僕は活発なスポーツ少年であるべき」と思い込み、好きなものへ向かう気持ちを隠して理想の自分を装うようになったんです。

父に気に入られるようにアクティブなスポーツ少年を演じて過ごしました。ライバルの弟に負けないように、男らしい強い長男も同時に演じていましたね。

一方勉強では、自分の中でかっこいいと思っていた「授業は聞かないのにテストでは良い点をとる」スタイルを貫き、人が見ていないところで勉強していました。人一倍、周りからどう見えるかを気にして、架空の自分を演じていましたね。
授業を真面目に聞かないので先生にはあまり好かれませんでしたが、理科の先生はすごく可愛がってくれました。ふざけていても強く叱らず、どこか面白がってくれていたんです。兄のような存在で、憧れると同時に「こんないい先生になりたい」と思い、将来は教師を目指すことにしました。

高校受験のタイミングで父の実家がある名古屋市に引っ越したため、高校は名古屋市の私立に通いました。田舎の中学校から都会の高校に行って、中学生の時のように伸び伸び過ごせませんでしたね。自分らしくいられなくて、楽しくなかったので、高校生活は大学で教員免許をとるためのつなぎと考え、淡々と過ごしました。