自分を変えるため、今いる場所と対極のところに行きたい。そう考えた時、直感的でニューヨークだと思いました。単純にほかのどの場所よりも大都会のイメージがあったんです。親に話すと、初めは「突然何を言ってるんだ」という反応でしたが、私がこれまで何もしないで生活してきたのを知っているので、最終的には「やりたいことができたならよかったんじゃない」という感じで送り出してくれました。そこで、東京の英語の専門学校へ進学し、ニューヨークの提携校へ留学しました。

しかし、ニューヨークといえど田舎にある学校だったので、思い描いていた環境とは違いました。しかも手違いで入学手続きができておらず、日本に戻らなければならなくなってしまったんです。帰国前にどうしても都会を見ておきたくて、マンハッタンを旅行することにしました。

マンハッタンを歩いていると、また直感的に「ここなら住めるんじゃないか」と思いました。これまで、学校で悪口を言われるのが当たり前だったので、何か言われているんじゃないかと人が怖かったんです。しかしマンハッタンは、こんなにさまざまな人がいるのに何を言っているのかまったくわからない。この中でなら暮らせるんじゃないかと思いました。

必ずここに戻ってくると決めて帰国し、留学資金を貯めるため、お金が稼げるイメージがあったホストになりました。アメリカ帰りで気持ちが大きくなっており、なんでもできる気がしたんです。そもそも人が苦手だったのでかなり苦労しましたが、なんとかお金を貯めて再びニューヨークへ向かいました。

今度は、どうせ行くなら高校の時から興味のあったファッションについて学ぼうと、ファッションの専門学校に進学しました。よく考えずにデザインを専攻。しかし授業は毎日デッサンばかりで、面白さを感じられなかったです。

大都会では悪口に怯える必要がなくなったので、自分のしたいようにピアスをし、奇抜な髪形に変えました。人に注目されるようになったことで、人の視線に段々と慣れていきました。お酒も覚え、毎日のように飲み歩いていましたね。

そんな中、知り合ったスタイリストに「アシスタントやらない?」と声を掛けられました。授業に疑問を感じていたので、そっちの方が面白そうだと学校を辞め、その人の元でアシスタントとして働くことにしました。

それからは、英語学校に通い、終わったら仕事に行く毎日でしたね。大きなファッションショーにも関わることができ、さまざまな面白い経験ができました。しかし働くうちに、自分自身の服には興味があっても、他人の服に対しては強いこだわりがないことに気づきました。みんな自分の好きな服を着ればいいと思ったんです。4年ほど働きましたが、結局辞めることにしました。