一度挫折しても、復活できるんだ。失意の僕に勇気をくれた出会い。

【株式会社UZUZ提供:第二新卒・既卒の就活CH】第二新卒・既卒に特化した人材紹介会社で経営企画を務める羽原さん。新卒で入った会社を3ヶ月も経たずに退職。「人生終わった」と落ち込んでいた時、「一回失敗しても、復活できるかもしれない」と思わせてくれた出会いとは、どんなものだったのでしょうか。お話を伺いました。

羽原 佳希

はばら よしき|第二新卒・既卒専門人材紹介会社勤務
株式会社UZUZにて、経営企画室室長を務める。

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周りの目を気にしなくてもいい環境


沖縄で生まれ、兵庫県神戸市で育ちました。ふたりの姉がいる末っ子長男だった上に、親戚の中で唯一の男の子だったので、可愛がられて育ちました。人の目を気にしてうまく立ちまわる性格で、常に同級生のリーダーの側にいましたね。先輩からも可愛がられていました。
小さい頃は、賢くない上に努力が嫌いで、何も考えていませんでしたが、中学3年生の時に、中国の歴史書『史記』に出会ってから、生き方にこだわるようになりました。戦略や政治活動が重要な戦国時代で、歴史上の人物が人を巧みに操った話を読み、彼らの賢さに惹かれたんです。賢いふたりの姉に追いつきたいと思っていたので、それからは『史記』を読み込み、生き方の指針とするようになりました。

中学は高校の付属校に通っていましたが、外部の学校を受験することも考えていました。ある時、別の付属校に通っていた小学校の同級生から、「うちの学校面白いから、来なよ!」と誘われ、雰囲気が合うか確かめてみようと、一度その友達の学校の同級生と遊んでみました。

彼らは、壁を作らず平等に接してくれました。学校内によくある「スクールカースト」を一切感じないんですよね。その感覚が新鮮で、居心地の良さを感じて、彼らの高校に進学しました。

思っていた通り、学校の雰囲気は平等そのものでした。理不尽なことが多い世の中で、こんな平等な環境があるのかと驚きましたね。それまで持っていた周りへの警戒心から解放され、人の目を気にするなんてアホらしい、好きなことに挑戦しようと思えました。

親に感謝することって多いんだな


高校生の時に、コスタリカへの留学を考えました。コスタリカは、軍隊を持たない平和主義の国だと聞いていました。戦争を無くすことに興味があったので、コスタリカで暮らしてみたかったんです。
ところが、手続きの不備でコスタリカには行けなくなり、アメリカに行くことにしました。留学自体を止めようかとも思いましたが、中学から高校に上がる時、学校を変えただけで視野が広がったので、暮らす国を変えたら視野がもっと広がるかもしれないと考え、留学に行くことを決めました。

アメリカでは触れたことのない文化に触れることができ、視野が広がりました。友達と遊ぶのも、学校で学ぶのも全てが楽しかったですね。

そんな充実した生活は、1年で終わりました。帰国前日、ホームステイ先の家族に家の鍵を返そうとしたら「返さなくていいよ、いつでも帰って来ていいんだからね」と言われました。その時、ホームステイ先の家族に感謝しましたし、家族ってすごくいいなと感じました。

親元を離れて別の家庭で1年間生活させてもらって、自分の家族にもやっぱりすごく感謝しなければいけないなって。こんないい経験をさせてもらえたし、自分の親にも感謝しなきゃいけない。あたりまえのことですが、親に感謝するべきことってすごく多いんだなと。それからは、親の手伝いを積極的にするようになったり、こんな親になりたいと、背中を追いかけたりするようになりましたね。

留学によって1年遅れで高校を卒業した後、大学に進学しました。数字を細かく見るのが好きだったので、経済学部に入り、米国公認会計士試験を目指して予備校にも通い始めました。勉強ばかりの忙しい生活でしたね。

ただ、就職活動でいくつかの企業の話を聞いてみてから、「資格って本当に必要なのかな」と、疑問を感じるようになりました。財務諸表から数字の意味を読み取っていくのには、資格を持つよりも、現場を知ることの方が大事だなと思ったんですよね。元々、「なぜ」を繰り返して、数字の意味を解き明かすことに興味があったんです。

現場を知るためには、営業をやらないといけない。スイッチが急に入れ替わり、会計士試験の勉強を止め、営業職で就職活動を始めました。

できない自分を認められない


第一志望だった大手の人材紹介の会社に営業として採用され、東京に出てきました。ただ、根本の軸は「数字を解き明かすこと」だったので、何年か働いて現場感覚を身につけたら大学院で会計を専門的に勉強しようと思っていました。
入社してからは、想像以上に仕事がうまくいきませんでした。テレアポ数が目標に届かない。業務時間を増やして数をこなしても、結果に繋がらない。できない自分を認められず、精神的に追い詰められていきました。

中学までは挫折経験ばかりでしたが、高校に入り環境が変わってからは成長していて、失敗を全然してきませんでした。全てが順調で、ちょっと嫌な人間かもしれないですけど、「自分はできて当然だ」みたいな風に考えていたので、仕事ができない自分を認められなかったんです。

できないことは悪。できない自分には価値がない。でも、2ヶ月足らずで会社を辞めたら転職なんてできない。人生終わってしまう。逃げ道がない。

眠れない日々が続き、人生を諦めよう、もう死んでしまおうと思いました。

富士の樹海に行く前日に、最後に親の声を聞こうと思い、母に電話しました。すると、普通に話していただけなのに、「ちょっと様子がおかしいよ。変なことを考えてない?」と言われました。落ち込んでいる雰囲気は一切出さないようにしていたのですが、心の奥では気づいて欲しいと思っていたのかもしれません。

「生きて戻ってきてくれるなら、何でもいいよ。仕事辞めても、最悪ニートになってもいいよ。死ぬよりましやから」

そう言われ、「ああ、もう実家に帰ろう」と、力が抜けました。人生で一番ほっとした瞬間で、泣き崩れました。

「第二新卒 3ヶ月未満 転職」


3ヶ月経たずに会社を退職したので、転職は難しいだろうと思っていました。ただ、何もしないわけにはいかないので、インターネットで「第二新卒 3ヶ月未満 転職」と検索し、出てきた第二新卒専門のエージェントに相談に行きました。
エージェントの社長と面談をした結果、「休んだほうが良い」と言われ、一旦は実家に帰りました。帰省中も連絡を取り合い、1ヶ月ほどで東京に戻り二度目の面談に行くと、「転職活動をしながらでいいから、うちでインターンをしない?」と誘われました。

その社長も、私と同様に新卒を早めに退職してしまったんですけど、一回失敗しても自分で事業を立ち上げていて。人間って復活できるんだなと思えて、「この人について行ったら、何か見えるんちゃうかな」と感じました。そこで、転職活動を続けながら、その会社でインターンすることにしました。

そのまま、その会社で働き続ける選択肢もありました。ただ、その会社は私にとって居心地が良すぎたので、一度外の会社で鍛えようと思い、社長にWEB制作事業を運営している関係会社を紹介してもらい、転職しました。

転職前から1年ほどで戻ることを決めていましたが、新しい会社で担当した計数管理や広告運用の仕事が面白く、思った以上にはまってしまいました。裁量を与えてもらい、業務の幅は広がり、成果も残すことができました。

しかし、1年半ほどすると、業務がルーティン化しているのを感じ、前の会社に戻ることを決意。実は当時、前の会社の社長と一緒に住んでいたので、決意した当日に戻ることを伝え、とんとん拍子で出戻りが決まりました。

数字を解き明かしたい気持ちは変わらない


現在は、株式会社UZUZで経営企画を担当し、既存事業の統制や新規事業の立案などを行っています。会社の体制が整い、予算編成なども具体的にできるようになったので、大好きな数字を扱う仕事を存分にやれています。
会社のメインの事業である第二新卒、既卒に特化した人材紹介事業は、順調に成長しています。一方で、人材紹介事業はストック型の売上はなく、毎月ゼロから売上を積み上げていくフロー型のビジネスモデルであるため、事業はなかなか安定しません。そのため、安定的な財務基盤を作り、会社を拡大させるために、いくつか新規事業を仕込んでいます。

私が担当している新規事業は、「営業スクール」事業です。営業職を志望している営業未経験者に、電話営業や個人への訪問営業など、実際の営業をしてもらいます。

転職活動で営業を志望している人は多いのですが、経験がないと、営業の具体的な仕事内容はイメージしづらいものです。スクールを通じて、営業のスキルをつけたり、営業が自分に合うのかを考えたりしてほしいですね。そして、営業のスキルがついた人を、企業への人材紹介にも繋げていきます。

新規事業は、好きな仕事である「数字を見ること」とは少し違いますが、様々な仕事を経験して自分の幅を広げたいと思い、楽しんでやっています。本当に好きなことは2割くらいできればいいんですよね。

これから先どんなことをしていくかは、模索中です。目の前のことに全力で取り組んでいるうちに、見つかると思います。ただ、好きなこと、自分がやるべきことは何か、といえば、「数字を解き明かしたい」という探究心であることは変わらないですね。

長男なので、将来的には地元に戻ることも考えていますが、今は大好きなこの会社を成長させるために、自分の役割を果たしたいですね。

2016.02.10

インタビュー・執筆 | 島田 龍男
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