僕は静岡県富士市で生まれました。身体が弱く、4歳の時には腎臓の病気で1年ほど入院しました。退院後も食事制限などがあり、運動は激しくはできない状態で、その代わりに本をたくさん読むようになり、物語によって想像力が養われました。

学校でも図書室が好きで、正直、授業は退屈だと思っていました。ただ、だからといって不真面目なわけでもないのに、小学3年生時の担任の先生には、なぜか毎日怒られていました。何か自分に原因があるだろうと思い、努力して勉強も掃除もちゃんとやっていたのに、状況は変わらず。そして、授業で使う大きなコンパスで叩かれた時に、「僕が悪いわけじゃない」と、登校拒否を始めたんです。

それからは、兄の担任の先生から紹介された、特に何を学ぶか決まっていない塾(フリースクール)に通うようになりました。塾では、火曜日と木曜日に「基地」に集まって、毎週末に行うキャンプや長期休みに行う冒険の計画を、子どもたちだけで立てるんです。

指導者の牧野さんは、危険な時は止めるけど、基本的には見ているだけ。学校の先生だったら「教える」ところを、代わりに「これどういう意味だと思う?」とか、ひたすら問いかけてくれるんですよね。

そして、3年生の夏休みには、20人ほどの子どもと2人の大人だけで、20日ほどかけて琵琶湖を一周しました。そのプロセス全て、ルートを決めるのも、テントを買うのも、地図を見るのも、全部子どもたちで実行するんです。同じように、4年生の時には神津島で29泊30日のキャンプを、5年生の時には富士五湖一周をしました。

子どもは20人もいるので、揉めることもありました。それでも、「みんなでひとつのことを達成する体験」を味わうことができたんです。また、「教えられる」のではなくて、「考えさせてもらえる」ことに、居心地の良さを感じていました。