僕は奈良県生駒郡斑鳩町という、世界遺産の法隆寺がある片田舎に、四人兄弟の末っ子として生まれました。西暦6世紀ごろには日本の中心だった場所なんだけれど、それから長い年月をかけて少しずつ存在感を失ってきた地域といえるかもしれません。閉塞感を感じていたし、周りの大人に反発ばかりしていました。

僕が中学校に上がる頃、父の糖尿病が悪化してしまい、中学・高校という育ち盛りの時期に、糖尿病患者と同じヘルシーなご飯を食べていました。親は自営業をやりつつも親戚から畑を借りて野菜を作ったりもしていて、とにかく野菜が中心の食生活でした。そのことがけっこう嫌で、高校に入ってからはアルバイトで得たお金で焼肉を食べに行ったりしていましたね。

兄も姉も高校に入ったらひたすらアルバイトをして、高校を卒業したら就職して、あまり楽しくなさそうに働いていました。僕もそれが当たり前だと思って高校生の頃はひたすらアルバイトをしたんだけど、アルバイト先の社員さんたちも、大体みんな楽しくなさそうなんですよね。

それで僕はとにかく、「大人って楽しくないんだ!社会になんて出たくない!」と思って、そんな後ろ向きの理由で京都の大学に進学しました。