福島県須賀川市で、3兄弟の末っ子として生まれました。子どものころから物事の構造や仕組みづくりに興味があり、機械を解体するのが好きでした。隅々まで分解して、どんな仕組みで動いているかを観察していました。好奇心や探求心が強かったですね。

加えて、「主体性が強い」子どもでもありました。幼稚園児のころ、私が描いた怪獣の絵に、父が「こうすればもっと強く見えるぞ」とパーツを書き足しました。私はそれがすごく嫌で、泣いて怒ったんです。自分で創造したり工夫したりすることが好きで、「オリジナリティ」にこだわっていたのです。

裏を返せば、他人が決めたルールや型にはめられるのが嫌い。言われたことをただ真面目にやるタイプではありませんでした。目的がわからない勉強を押し付けられることに反発したし、宿題もやらない(笑)。それでも両親から、「やりなさい」と口うるさく言われることはありませんでした。そのように伸び伸びと育てられたせいか、「怒られるのが嫌だから」「褒められたいから」といった理由だけで自分の行動を決めることはありませんでした。

そんなスタンスのまま成長し、高校時代には自分でデザインした制服を着たし、剣道、ギター、スキーを誰にも習わずに自己流で習得しました。教室でレッスンを受けたほうが早く上達することはわかっていても、自分のやり方で工夫し、何度も失敗しながらも実践でコツをつかみました。自分で考えることに徹底的にこだわることが重要で将来に役に立つ、そんな実感がありました。

ものの見方や考え方は、父の影響を受けました。父は地元でデパートとショッピングモールを営む経営者でした。物事を一面的に見るのが嫌いで、私がニュースを見て大衆的な意見をいうと、いつも「一概に言えない」とか「その人の事情もあるから、簡単に決めつけられない」と反論されるんです。カチンときて言い返すこともありましたが、それ以上に、多面的な視点を持つ大切さを教わりました。

父はいつも忙しかったので、友達と同じように親子でキャッチボールするような時間はありませんでしたが、寂しくはありませんでしたね。その分、母が釣りや潮干狩りに連れて行ってくれて。経営者や商売人の家庭ってそういうもんだと思っていました。