大阪府東大阪市で生まれました。小さい頃から、考えることが好きな子どもでした。まわりから何かを言われても「それって本当に正しいの?」と、自分で問い直すんです。

一方で、整理整頓が苦手で、学期末には荷物がまとめられたダンボールを抱えて家に帰っていましたね。先生には「ちゃんとしなさい」と怒られてばかり。それでも、誰かに迷惑をかけているわけではないと勘違いしていたので、特に気にしていませんでした。

雑な性格だったので字も汚く、国語の教科書を書き写す宿題では、いつも「がんばりましょう」のマークがつけられていました。ただ、担任の先生は、あるとき、ひらがなの「て」という字にだけ「はなまる」をつけてくれました。

汚い字の中でたまたま綺麗に見えただけかもしれませんが、ちゃんと見つけてはなまるをしてくれたことが嬉しくて、丁寧に書写をするようになりました。それから、一文字ずつはなまるが増えていきました。褒めてもらえるのが嬉しくて、さらに頑張ろうと思えました。

ただ、片付けなどができないのは相変わらずで、先生に言われた「ちゃんとする」はしないくせに、余計なことを口にするので、先生からはあまり好かれていなかったと思います。

特に、小学高学年の時の担任の先生とはうまくいきませんでした。管理が厳しい先生で、給食中は私語厳禁。それはおかしいと思い、小学6年生のあるとき、先生に反抗しました。すると、職員室に呼ばれてものすごく怒られました。

さらには、クラス全員の前で土下座させられました。その異様な雰囲気に、泣き出すクラスメイトもいました。僕は土下座させられても構いませんでしたが、友達に怖い思いをさせてしまったことが申し訳なかったです。

それ以上に、こんな教師がいることに対して強く憤りました。「反面教師」という言葉そのまま。生徒が正しいことは正しい、違うことは違うと言えるような先生にならんといかん。そう感じて、将来は教師になることを決めました。

それから、先生にされて嫌だったことと嬉しかったことをノートに書き留めるようになりました。「理想の教師像」を描いていたんです。汚い字の中から「て」にはなまるをつけてくれた先生のように、生徒の良いところを見つけて伸ばせる教師になりたいと思っていました。