イベントレポート/another life. Meetup#72「自分に合った環境の見つけ方~一歩踏み出した人の決断とその後~」

「自分らしい生き方とはなんだろう」

一分一秒単位で変化が起こる時代。個人の価値観にも様々な変化が起き、この瞬間にも多くの選択肢が生まれています。そんなたくさんの選択肢に触れ、自分なりの生き方を考える時間を生み出すため、another life.では定期的にイベントを開催しています。

このイベントでは毎回、自分らしく生きるゲストをお招きして、トークセッションやワークショップ、参加者同士の交流会を行います。他人の価値観に触れたり、自分の考えを整理する場を通して、お互いの生き方を受容できるコミュニティを形成します。

こんにちは!another life.イベントスタッフの伊藤です。another life.の「自分の物語を生きる」というコンセプトに共感し、現在は学生インターンとして、活動させていただいています。

2019年7月3日、みんなの会議室 代々木にて、【自分に合った環境の見つけ方~一歩踏み出した人の決断とその後~】が開催されました。



ゲスト



水野 貴弘さん / PEファンド勤務
新卒で野村證券に入社し、国内リテール部門に5年勤務した後、Web系ベンチャー株式会社ファインズにCFOとして参画。事業計画策定・資本政策策定・上場準備・資金調達・事業買収等を行う。その後、子会社を2社設立(メディア企業・人材紹介企業)。CFOポジションだけでなく、新規事業の立案~事業開発までを担う。現在はPEファンドで、買収先に対する統合(PMI)支援、M&Aに関わるファイナンシャル・アドバイザリー業務、大手メーカーの全国店舗戦略立案に従事。
another life.記事:「30歳を超えることへの危機感。野村證券から、上場の鐘を目指すベンチャーへ。」(https://an-life.jp/article/511


久村 知誉さん / 株式会社MS-Japan
新卒でアパレル企業へ入社。関心の強かったファッション業界で販売業をしながらも、心からやりたいと思えることを模索し3年目で転職を決意。管理部門に特化した人材紹介企業、MS-Japanにて特にベンチャー企業に注力して営業を行う。
another life.記事:「企業が必ず抱える「人材」課題のサポートを!私だからこそできることをする。」(https://an-life.jp/article/395)

モデレーター

種石光
株式会社ドットライフ編集部員。another life.の取材、編集、執筆を行う。


イベント開始の平日19:30前、仕事後に時間を作って今回のイベントに参加してくださった皆さん。
それぞれにどんな想いを持って集まってくださったのか、互いの想いに触れられるのがanother life.イベントの魅力の一つです。
外はあいにくの雨でしたが、転職活動中の人から、学生まで幅広い人にご参加いただきました。

そんな中、イベントは今回のゲストである、冷静さの中に闘志が感じられる水野さんと、明るく人を惹きつける笑顔が魅力的な久村さんの登場と共にスタートしました。

●自分の軸が固まっているから、転職の決断ができる

種石:お二人はなぜ転職を選択されたのですか?


水野:私は2回転職していまして、1回目はやりたいことを軸に、2回目はなりたい自分を軸に転職を選びました。
新卒で野村証券に入り営業として働きました。5年間働いているうちに、ファイナンススキルをもっと勉強したいと思うようになったんです。そんなときに営業先のベンチャー企業の社長さんにCFOをやってくれないかと誘ってもらったので、転職を決めました

ベンチャー企業で4年間CFOとして働く中で、将来どこでも自由に働けるようになりたいという考えに至りました。そうなるためには、経営経験の場数と会社規模に応じたファイナンススキルを身につける必要があると思い、ベンチャーから中規模PEファンドへの転職を決めましたね。

久村:私は、新卒でアパレル系の会社に入りました。仕事はハードで嫌なことも多かったのですが、お客さまと接しているときはとても楽しくて疲れを忘れることができたんです。だから転職活動時は、人とかかわれる仕事を探していました。転職サイトに登録して、キャリアカウンセラーの方が親身にを聞いて、いろんな選択肢を提示してくれたんです。今まで知らなかった世界をたくさん教えてくれたので、このキャリアカウンセラーの方との出会いは大きな刺激になりました。また、その働く姿を見て人生のターニングポイントで影響を与えられる仕事は素敵だなと思ったんです。あらゆる仕事の中でも、人材紹介の仕事は特に人と深くつながれると思い、転職を決めました。



種石:転職された後はいかがですか?

水野:自分の意思決定に対していろんな意見をもらえるようになったのが嬉しいです。

ベンチャーで役員を務めていたときは、自由度は高かったものの、誰も何も教えてくれなかったんです。自分の意思決定が正しかったのか迷いながら進む毎日でした。それが、転職してからは同僚からアドバイスをもらえるようになりました。自分の意思決定に対する評価サイクルを回せるようになったことは大きいですね。

久村:1年目は、新規顧客開拓のためのテレアポからpcスキルまで覚えることが多くてつらかったです。当初思い描いていた人の支援まではなかなかたどり着きませんでした。3年目になり、自分が担当した人が転職先で出世したという話を聞いたときにやっと、人を支援できた実感が湧きましたね。

●会社規模ごとに求められる人材像

種石:会社規模ごとに求められる人材像はどう違うと思いますか?



水野:大企業は、セクショナリズムが別れてるからこそ専門性が磨かれる環境です。1つの分野を極めたい人には向いていると思います。
一方で、ベンチャー企業は役割横断的に働くことがほとんどなので、ジェネラリストになれる環境だと思います。

久村:私も専門性を磨くなら大企業だと思います。また、福利厚生を重視する人や安定を求める場合も大企業のほうがいいですね。一方、ベンチャー企業は仕事を自分で作り出していく必要があります。自分で仕事の仕組みづくりからやっていきたい人にはおすすめです。また、社員同士の距離が非常に近いので、人の相性も重要な判断要素になると思います。

種石:相性の話が出ましたが、転職活動時に会社のカルチャーはどこで判断しますか?

水野:中途入社の方と面談するといいと思います。複数の会社を見ているので、新卒の方に聞く場合よりも、客観的な意見を聞けると思います。

久村:社員に「社長をどう思うか」と聞いてみるといいと思います。規模の小さな会社であるほど社長の立場が社風を表すので、社員と社長の距離がわかる質問は効果的だと思いますね。

●自分に合った環境の見つけ方

種石:お二人にとっての、自分に合った環境の見つけ方を教えてください。

水野:私は、自分の性格から考えました。私、意思が弱い人間なんです(笑)。意思が弱いからこそ、めちゃくちゃ働かされる環境を選びました。また、制限されるのが好きじゃないので、自由度の高さも大きな基準になってますね。

久村:私は、自分の考えを人に話すことを意識していました。人に話すことで、気づくことが結構多いんですよ。1人で考えているときはそんなに大事じゃないと思っていたことが、人に話してフィードバックを受けたりする中で、実は大事だったことが見つかったりしますからね。あまり多くの人に話過ぎるといろんな意見に惑わされるので、自分の想いをぶつけるメンターを1人見つけることをおすすめします。

また、やりたいことをみつけることがスケールの大きなことのように思われがちですが、もっとシンプルに考えていいと思います。例えば、今の職場での1日を振り返って、楽しかったことを挙げてみてださい。自分の好きなことは日々の仕事において楽しかったこととつながっているはずですから。

●ワークを通じて生まれる繋がり

休憩を挟んで、「自分にあった環境について考える」ワークショップへ移ります。

グループワークでは、対談の感想や、自分の今の環境などを共有し合いました。お互いの悩みの点も多かったようで、初対面とは思えないほどの打ち解けぶりでした。



そして最後は、ゲストお二人へグループごとに質問タイム。

自分達の投げかけた質問に、another lifeの記事で見たゲストが答えてくれるこの「近さ」は、another life.のイベントの醍醐味です。

質問者:自分に合った環境を見つける第一歩についてアドバイスがあれば教えてください。

久村:小さなことからで良いので、とにかく行動してみることが大切だと思います。例えば、職務履歴書を書いてみてはいかがでしょうか。自分の経験の棚卸しをすることで、頭の中が整理されます。現職でやらねばならないことがあると気づいて、転職を思いとどまるかもしれません。行動することで、見える範囲は確実に広がると思いますね。

水野:実現可能性を気にせずに考えてみることをおすすめします。やりたいことがあっても、どうせ無理だと思って無意識のうちに選択肢から外していると、本当の自分の気持ちを見失ってしまいます。自分に合った環境を見つける一歩目の段階では、自由に発想するべきですね。また、やりたいことを探すのではなく、あえて「なりたくない」から考えるのも1つの手だと思います。実際私は、「制限されたくない」が環境を決める大きな要素でしたから。

その他にも以下のような質問に対し、ゲストお二人は熱を込めて丁寧に答えてくれました。

・好きを仕事にしていいのか
・転職後はどのように会社に適応していったのか

イベント開始時は、皆さんどことなくそわそわしている印象でしたが、ワークなどを通して徐々に打ち解け合い、イベント終了後にはなかなか話が尽きず、名刺や連絡先も交換されている様子でした。




【自分に合った環境の見つけ方】をテーマに、開催された今回のイベント。

私は、素敵なゲストである水野さんと久村さんの対談やワークを通して、自分のやりたいこと=好きなことの抽象化と、将来なっていたい自分の姿の具体化が、自分に合った環境を見つける上で大事だと感じました。
今回のイベントでは、同じような悩みを持ち、同じような志を持つ者同士で交流したことで、改めて「自分にとって良い環境とは何か」考えるきっかけになったのではないでしょうか。

-----------------------------

anotherlife.はこの先も「やりたいことをやる人生を、あたりまえに」をコンセプトのもと、様々なイベントを開催していきます!是非ご参加ください!

<今後のイベント>

2019.07.11