中学1年生の時、父の仕事の関係で、1年間アメリカに引っ越しました。英語も話せず、現地には友達もいないので、日本を離れるのがとにかく嫌でした。両親に「自分で毎朝お弁当を作るからおばあちゃんの家に置いていってください」と泣きながらお願いしたほどです。現地で初めての登校日、スクールバスに乗せられた時は、すごく怖かったです。

通うことになった現地の公立学校では、アメリカ国籍以外の人も多く、英語が話せない人も珍しくなかったです。英語が話せなくてもバカにされませんでした。みんな仲良くしてくれて、2~3カ月ほどで慣れました。

先生も、私のできないことを注意するのではなく、できることに目を向けてくれました。私はピアノが弾けたので、みんなの前でピアノを弾く機会を設けてくれました。日本は弱みを改善する環境でしたが、アメリカは強みを伸ばしてくれる環境でした。

日本の当たり前が世界の当たり前ではない、と感じる場面も多かったです。私の身近には専業主婦のお母さんが多かった一方で、アメリカでは働くお母さんが当たり前のようにいました。男性のイメージが強かった校長先生も女性で、スーツを着て男性に対してリーダーシップを取る姿が印象的でした。

英語は男女や上下関係に関する言葉も少なく、周囲の人たちは大人や子ども、男性や女性を意識せずに接してくれました。対等な立場で意見を求めてくれる環境がすごく良いなと感じましたね。

帰国すると、みんなから「キャラが変わった」と言われるほど性格が変わっていました。自然と自分に自信が持てるようになり、意見を主張できるようになっていたんです。また、それまで意識していなかった日常の些細なことにも、「日本はなんでそうなんだろう」と疑問を持つようにもなりました。