音楽に関わる仕事をする3人の人生まとめ

ミュージシャン以外の形で音楽に関わる仕事をする人生をご紹介します。







高校に入学すると兄の影響でバンドを始めたのですが、ライブの際の場を作る感覚や、
お客さんが楽しんでいる様子が楽しくて、学校内外3つ〜4つのバンドを掛け持ちし、
バンド漬けの生活を送るようになっていました。

高校3年のときには、近隣の学校と合同で600人規模のライブイベントを企画したりもしましたね。

ところが、バンドに熱が入りすぎて学業は疎かになり、小中学校とは打って変わって、
成績は一気に落ち込んでしまったんです。

とりあえず大学進学する為に塾には通っていたものの、大学に行って特にやりたいことがあったわけではないので、
行かされている感覚に近かったような気がします。

卒業後の進路を考える際、学校が横浜にあったため、
周りの友達は神奈川県内に就職する人が多かったのですが、
僕は「美容師として働くなら本場の東京で勝負したい」と思い、下北沢の美容院で働くことにしました。

美容室に就職してからは本当に毎日が辛かったですね。

僕は凄く真面目な性格だったので、髪型も普通で、ファッションも普通で突っ込みどころがなく、
何もできないアシスタントの時は、先輩によくいじめられてました。
1日何もさせてもらえず、ずっと立っているだけという日もありましたね。

世界一周は達成感があったのですが、日本で生活を始めてからは、
ずっと思い続けていた夢が達成できてしまったこともあり、
次に何をすれば良いか迷ってしまいました。

そこで改めて、これから先自分がやっていきたいことを考えたときに、
高校のバンド活動からのめり込んでいる「音楽」と、夢を見続けてきた「旅」というテーマにたどり着きました。

このテーマなら自分の人生をかけて取り組みたいと思えたんです。

そのことに気付いてからは、本格的に卒業制作で作った野外フェスのサイトと、
世界一周旅行の際に情報発信をしていたサイトを本格的に運営していくことにしました。



原田臣さんのインタビュー全文はこちら







そんな風に集中して活動を行うようになり、路上ライブやライブハウスでの活動を続けていたある時、
お世話になっていたライブハウスの店長さんが、ある事務所のプロデューサーの方に、
「最近いいバンドはいないか?」と聞かれた際に、自分たちのバンドのCDを渡して紹介してくれたんです。
そして、それがプロデューサーの目に留まり、そのまま事務所への所属が決まりました。

絶対に売れたいという、自分とメンバーの強い思いが届いた結果、
2008年にメジャーデビューを果たすことができたんです。



メジャーデビューをしたにもかかわらず、デビュー前後のCDの売上にそこまで大きな変化がなかったんです。
もちろん自分たちに入ってくるお金も多くはありませんでした。

そしてそれは、会社が収益を不当に多く持っていってしまうというようなことではなく、
会社もバンドも両方ともお金がないという状態が、自分たちのバンド以外でも多く存在していることに気づいたんですよね。


そんな風に話し合う中でたどり着いたのは、やはり現状の音楽業界自体に課題があり、それを変えていかなければならないということでした。
このままでは、ミュージシャンが音楽活動を続けていくことは難しく、
たとえ自分たちが売れたとしても、人々がCDを買うこと自体は減少していき、業界自体が回らなくなってしまう、という危機感があったんです。

そこで、CDだけの収益に頼るのではなく、ライブやグッズといった、
コピーできない「体験」と「モノ」であれば、金銭的価値を出し続けることができると考え、
そこから得られる収益を活かしたプラットフォームを作ろうと考えるようになったんです。

そうやって出来上がったサービスが、『Frekul(フリクル)』でした。



海保けんたろーさんのインタビュー全文はこちら







高校卒業後は、ほぼ一日中ギターに没頭していました。
毎日、専門学校と自主練習の連続で、大学にもほとんど行っていませんでしたね。

将来は音楽で食べていこうという思いもあり、よくレコード会社にデモテープを送っていました。
そんな中、専門学校を卒業する前に、運よくあるレコード会社と作曲家兼ギタリストとして契約することができたんです。
それ以来、バックミュージシャンやアーティストへの楽曲提供などの仕事を始めました。

ところが、実際説明会に行ってみると、ITだけでなく包括的に業務ができる環境がすごく魅力的に感じられたんですよね。
結局、プログラミングもできてコンサルティングもできる総合系のコンサルティング会社に転職することを決めたんです。

その際、人事の都合で、ちょうど1ヶ月程度の入社準備期間がありました。
ぽっかりとまとまった時間が空いたため、何をしようか考えるようになりました。

そんな中、ふと「ギターエフェクターの試聴サイト」を作ってみようと思いついたんです。

昔、ギターをやっていた頃に、楽器屋さんで何か機材を買おうとしても、
在庫が限られていたり、店員さんへの配慮から全部試すことが出来なかったりして、
音をしっかりと確認してから購入できないことに不満を感じていたことがあったんですよね。
そんな問題を解決することができないか、という気持ちがありました

その後、転職先の会社で働き始めたのですが、
たまたま転職した同じ月に、友人経由でギター関連機材の展示会イベントを知ることになりました。
そして、その時に、先日作ったサイトをメーカーの方々に見てもらうこと思いつき、
iPadを持ってそのイベントに行ってみたんです。

すると非常に評判が良かったんですよね。
業界の方から、「こういうのあると良いよね!」とか「機材お貸ししますよ!」とかプラスの意見をいただけたんです。
それからは、実際に機材を無償で貸してもらって、休日などを利用してサンプリングを行うようになりました。



中村貴一さんのインタビュー全文はこちら

2014.11.13