応援される自分ブランドは雪だるまと同じ。未完成な部分から見守ってもらう。another life.academy説明会 ゲスト:本山 友理さん

「自分の物語を生きる」というコンセプトの元、1300名のライフストーリーを配信し、累計500万人以上の読者の方と人生経験のシェアリングを行ってきたanother life.が、個人で活躍することを目指す方向けの学校「another life.academy」を立ち上げます。

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説明会では、実際にご自身のブランドを見つけて様々な分野で活躍されるロールモデルとなるゲストの方をお招きし、トークセッションの形式でお話を伺いました。

【ゲスト】
本山 友理さん
 



フリーアナウンサー/心理カウンセラー/国家資格キャリアコンサルタント。法政大学キャリアデザイン学部卒業後、フリーアナウンサー(ライムライト所属)として活動。その後、パラスポーツ関連団体の広報職を経て、心理カウンセリングやキャリアカウンセリングの勉強を開始。2021年12月にカウンセリングサービス「Lilymoff」(リリーモフ)をスタート。現在はフリーアナウンサーとして活動しながら、キャリア関連のカウンセラーとしても活躍中

一見バラバラな活動も、すべて使命感に繋がっていた



新條:「自分のブランドを見つけ、応援されるまでの背景や試行錯誤」というテーマなので、今の活動に至るまでどんなことを考えて、どんなトライエラーをしてというのを最初に伺っていければと思います。

最初、ご自身も実践者としてやられながら、アスリート兼モデル、アナウンサー的な表現活動っていうのをやられてたと思います。another life.で取材をさせて頂いたのが7、8年前。すごく面白いなと思うのが、本山さんってこういう人ですという想起が「キャリアの人」に変わっていったというか。その辺っていつ変わったのかとか、どんな背景だったとか、今、二足のわらじで活動されている背景って、どんな感じだったんですかね?

本山:私、やっていることがすごい変わっていっちゃってるんですよ。ご紹介いただいた通り、自分が学生時代体育会系でやっていたので、はじめはスポーツのことばっかりやっていたんですけれども。2018年ぐらいに今までの活動を振り返ってみたときに、やってることはバラバラなんだけど、格差を埋めたいっていうテーマのもとに紐付いてるなっていうことに気づいたんです。

例えばスポーツでも、私はソフトテニスをやっていたので、硬式との格差を埋めたかった。でも選手たちはみんな頑張ってるのに、マイナーって言われガチ、とかね。日本代表のサッカーの選手達と変わらないぐらい頑張ってるのに、なんでこんなに競技格差があるんだろうって。

ソフトテニスだけじゃなくて、そういうマイナー競技っていっぱいあるので、全般的にマイナースポーツを支援したいと。日本のスポーツの仕組みを考えたときに、メディアに出ている選手たちはスポンサーがつきやすいんですね。じゃあメディアにたくさん出せるようになった方がいいっていう観点からメディアの道に行きだして、アナウンサーの事務所にお世話になりながら、自分なりにスポーツを伝えていけたらいいなと思っていたんです。

ただ、オリンピック、パラリンピックがあって、世界と比較すると、日本のアスリートってすごい恵まれてる環境にもうあるなって肌で感じるようになったんですね。スポンサーにもかなりいい会社が就くようになっていたので、自分の中でもうスポーツの支援っていうのは、なんとなくここまでかなという区切りがついて。

そこから、じゃあもう一個新しくやりたいっていうと何だろうなっていうのを考えた時に、もともと法政大学のキャリアデザイン学部を出ていたので、当時習った先生方を振り返ったりしているうちに、キャリアコンサルタントっていう仕事があるんだというところに気付いて。それから資格取得をして、っていう流れがここ2年ぐらいですかね。

表面的には職種としては変わっちゃってるんですけど、自分の軸としての使命感みたいなところをまず見つけるとバラバラしないというか、核で繋がっておけるっていうか。そこは一個ポイントだと自分の中では思ってますね。

新條:スポーツでは格差がキーワードかと思うんですけれども、キャリアの領域でも、例えば働かれてる方の孤独みたいな、何かテーマはあるんですか?

本山:キャリアの分野で一番最初に意識したのは、どんなにいい仕事をしてる方でも、自己肯定感とか自己効力感に揺らぎがあると、社内での人間関係が崩れやすいというところですね。一度就職しときに感じたことなんですが、素晴らしい仕事を沢山やってるのに、自分に自信を持てない人ってこんなにいるんだなって思って。それまでの生育歴を含めて、自分を肯定する力は人によって差があるというところに課題感を感じたのは大きいですね。

学びの場での出会いや対話が、自分の強みに気づき直すきっかけに



新條:キャリアコンサルタントとしては改めてリスタートで、ゼロからやられたのに近いのかなと思ったんですけれども。最初はやっぱり、資格とかを取られて技術をつけられて、みたいなところから始められたんですか?

本山:そうです。なので、学校とか学び直しみたいなところってすごい大きなきっかけになるなっていうのは本当に感じていて。そこに通うことで、それこそ横のつながり、今まで普通に生活してたら会えなかったような仲間と一緒に勉強ができるっていうのも勿論ですし、一番はやっぱり先生との出会いですよね。やっぱりそこで先生から、個人的に声をかけてもらえる瞬間ってあるじゃないですか。質問を気軽にさせてもらったりとか。その時に掛けられる言葉は、先生がいろんな人たちを今まで見てきた上での一言なので、その言葉がもう自分のかけがえのない強みに感じられたりとか、自分ってこういう風に見られるんだみたいな気づきを与えられました。

新條:本山さんみたいにフリーランスが長いと、いわゆる上司みたいな存在っていないじゃないですか。個人って本当に良くも悪くも自分が一人でやっていくみたいなところがあると思うので。ある種のお節介もそうですし、一歩手を伸ばしたり少し先を見せてくれたりとかって、すごい貴重なのかもしれないですね。

本山:そうですね。具体的に言うと、キャリアコンサルタントの学校に通った時に、日本産業カウンセリング学会名誉会長の宮城まり子先生から言われた一言がすごい印象的で。「あなたってよく人を褒めるわね」って言われたんですよ。それが、自分的には無意識でやっていたことで。なんでそれが無意識になってたのかなって思うと、アナウンサーの仕事で取材に行った時とかに、やっぱり緊張をほぐすにはまず相手の良いところとか、すごいちっちゃいところを、例えばカフェのエプロンが可愛いとか「すごい素敵なエプロンですね」とか、そういうところから入っていっていたので。アナウンサーとキャリアカウンセラーってすごいかけ離れてる仕事だけど、知らないうちにスキルが活きてるんだなって。しかも、先生にそう言われたんだからきっと間違いないっていう気持ちにもなれましたし。

新條:これすごい面白いなと思ってるんですけれども、今回「自分ブランド」とか「自分のコンセプト」って言葉を突き詰めたときに、自分で考え抜いて、これが私のコンセプトだ!と腹落ちするというよりも、他の人からどう見えてるかとか、対話の中で気づくことがめちゃくちゃ多いと思ってまして。逆に言うと、最近も色んな方にヒアリングする中で、めっちゃキャラ尖ってて、完全にこういう人だって客観的には見えてるのに、本人は迷ってて「どっちか自覚してないんです」とかケースも多い。

個人だけどまさにチーム戦で、先生も含めて周りの方と見出すとか、お互いへの理解を深めるみたいな環境要因はひとつあるのかもしれないですね。

本山:そうですね。やっぱり環境にまず身を置いてみるって凄い重要だなと思いますね。

新條:ちなみに、前にちらっと、学校とか先生の探し方とかがちょっと独特というか、結構こだわりがあるって伺ったんですけど。例えばいい学校とかいい先生、悪い先生って、どんな基準で判断されてたりしたんですか?

本山:まずは本屋さんに行ったりしますね。本屋は出会いだって思ってて。インターネットと違って、意識してない言葉が目に入ってくる。バーッと見た時に気になるキーワードを拾って、今自分引っかかるのはこの言葉なんだ、ってところからコーナーに入っていって、そこから更に気になる人とか先生を見つけて。本当にその人に学びたいと思ったら、そこからインターネット経由で連絡するとか。その流れは結構やってて、本当に迷った時は本屋さんには行ってますね。

新條:面白い。セレンディピティみたいなものを地でやっているんですね。

本山:そうですね。皆さんの場合はドットライフさんのページにたどり着いているので、そういうアンテナを常に張ってらっしゃると思うので、あんまりご苦労されてない方ももしかしたらいるかもしれないんですけれど。私は一人ぼっち歴が結構長かったので、本屋さんでヒントをもらいましたね。



完成形だけじゃなく、試行錯誤やプロセスを共有することが、応援に繋がる



新條:今日の事前のアンケートでも、実際に自分のコンセプトを決めて、スキルとかも磨いた上で、営業発信とか、周りの人への説明について質問が来てたんですけども。最初はどうしてました?

本山:まず、学校に入りましたみたいなところから、オープンにしてましたね。最初は、いつ試験がありますとかってあんまり言いたくなくて。落ちた時恥ずかしいから。でも、大変な時とか頑張ってる時を発信してった方が、いざ結果がうまくいったときも失敗したとしても応援してくれる人たちが増えていくんですよね。雪だるまと同じかもしれないんですけど、いきなり大きくなって出来ましたって言って見せるより、ちっちゃい時から一緒に見守ってもらう。もう失敗したら笑ってくださいみたいな、それぐらいの気持ちで周りを巻き込めると応援してくれる人は増えていくのかなとは思いますね。

新條:今のお話聞いて思い出した話があって。ひとつがブランディングの話で、ブランディングの専門家の方から「ブランドっていうのは、中の人が、もうさすがにくどくない?言い過ぎですよ、って思っているときですら、お客さんにギリギリ伝わってるか伝わってないかぐらい」らしいんです。つまり発信者と受信者の解釈で大きなギャップがあると。

もう一つ、ちょっと心理学っぽい話ですけど、人間は同じ人と7回ぐらい会うと仲良くなるみたいな話で。やっぱりうまくいったところ、例えば「キャリアコンサルタントの資格取得しました」から出したい気持ちもわかるんですけど、そこを堪えつつ、もう関心を持ってます、とか、スタート地点から伝えていく。試行錯誤も含めて、プロセスで見せていると、資格取った時にはもう受け手の中に何となく、確かにそっちの人だったよねってイメージが出来上がっている。

まさに私たちもそれをめちゃくちゃやらなきゃなと思いました。学校の募集とか、今うまくいっていますとかだけじゃなくって、こんな背景で作ろうと思ってますとか、カリキュラムまだ決まってませんみたいな。そういうのも含めて伝えてった方が応援されるんだろうなっていうのは、すごい今感じました。

本山:新條さんは社長さんなので、発信の仕方とか、立場が出来上がれば出来上がるほど難しくなるだろうなっていうのはすごい思うんですけど。逆にそういう立場がある方の弱い時ってみんなが支えてくれるというか、注目度は集まりますよね。

新條:いや、すごいですね。ブランドの良いところを出すだけじゃなく、プロセスも見せていくっていうのはめちゃくちゃ大事だなと思いました。

こだわりは一旦タンスの中に。まずはニーズに合わせながら、事業の体力作りを



新條:ちなみに、キャリアコンサルタントとしての初期、資格取り立ての時のお仕事はどんな感じでしたか?

本山:最初は無料で体験ってところから始めましたね。

新條:最初は無料で始めるというのはよくあるパターンだと思うんですけども、資格を取って、周りのお友達だけ招待してもうまくいかないケースもあると思うんですよ。本山さん的に、お客さんを増やしていけそうな手応えを掴んだ時とか、自分にやってることと皆さんが求めてることの一致って、どこで手応え持ったとかってあります?

本山:どちらかというと、ニーズに合わせた感じですね。今法人向けをメインにやってるんですけど、そっちに切り替えたきっかけは、以前からちょっとお付き合いがあった企業さんから、離職率の課題があると相談をいただいて。それだったらこういうアプローチができますよっていうことをお伝えしたら、じゃあうちが一社目になるから何かもう少し色々整えて提案し直してくれっていう話で進んでいきました。

やっぱりこの実行フェーズとか手応えをつかむみたいなところで言うと、何が当たるのかは自分の中だけだとわからないものなので。やりながら、これはハズレだ、ハズレだ、ハズレだ。こっちは当たるみたいな。やっぱりちょっと数を打つ必要はあるんじゃないかなっていうのは思いますね。

新條:ご自身のコンセプトも持ちながら、そこを柔軟に変えていけるっていうのは、すごいですね。確かに、7年前に取材させて頂いてから、近況報告を伺うたびに、活動が変わってることが多いなと思ってて。多分、良い意味で見切りをつけてというか、今までの努力に固執するんじゃなくて、求められたことで動いていくみたいな話を、すごい的確に判断されてる印象で。今背景を聞いてすごい納得しました。

本山:やっぱり相手にとって一番良いサービスを届けるには、ニーズに合わせることが一番重要だと思っているので。特にカウンセラーという仕事は、自分の感情を持つとか意思を持つというより、相手の思いが大事な仕事なので、だからこそカメレオンでいやすい部分もあると思うんですけど。

新條:そういう意味で言うと、ニーズの話とか、それを求めてるかわからないからちょっと聞いてみるみたいな話って、いきなり遠い人にはできないじゃないですか。なので、結局皆さん今までの関係値がある方だったりとか、ご相談できる方からはじめて、そこから外の人に紹介してもらって、みたいなことで一歩踏み出していくと思うんですけど。そういう、こっちだったらニーズがあるよって教えてくれる方とか、そういう関係性ってすごい大事ですね。

本山:そうですね。自分が注力したい分野とかを忘れる必要はないと思うんですけど、やっぱり初期は会社と自分の体力をつけるために、一旦タンスの中に大事にしまっておいて、いざというときに引き出すくらいでいいんじゃないかなと。こだわりすぎたり、これしかありませんってなると、せっかくいい考えがあっても日の目を浴びずにゴミ箱行きになっちゃうともったいないので。

新條:あとは、アナウンサーとキャリアカウンセラーの活動の割合の話とかもすごく特徴的だと思っていて。一本化するタイミングもそうですし、2軸でやってますっていう対外的な見せ方もそうなんですけど、将来的な方向性とかは既にイメージされてるんですか?

本山:しばらくは2軸でやっていくと思います。アナウンサーの方の取材とかも、色んな経営者さんに話を聞いたりするので、そっち側の裏舞台を知ってるとキャリアカウンセリングでも話が聞きやすいんですよ。お互いが相乗効果になる可能性があるので。

新條:実は前回の説明会のゲストの方もほぼ同じ話をされてて。外部で研修講師として活動する中で、実際一番伸びたのは、社内の人事から「それ社内でやってみたら?」って言われて、社内研修で300人ぐらい人が来たときだったと。そこから急にブレイクスルーしたって話だったんですけど。まさにパラレルで、軸がふたつあるからこそ得られる安定性とかシナジーは醍醐味かもしれないですね。

本山:そうですね。確かに安定でもあるかもしれないですね。伸びていくだけではなくて、根っこが横に広がりやすくなるというか。二つを両立させていく時間管理のスキルも含めて、人間力みたいな部分でも、かけ離れている仕事を無理矢理同時進行させようとすればそれほど、きついけど広がりというか、可能性はあるのかなというのは思いますね。

学び直しの場で得た一番の宝は、そこにしかない出会い



新條:もう一段リアルなところで、経済面というか、理想だけじゃ飯を食っていけないみたいな話ってあったりするじゃないですか。複業されている方とか、フリーランスの方に対して、その関連のアドバイスとかってありますか?

本山:フリーランスとして意識してるのは、単価ですね。以前新條さんにお会いした時からお仕事の単価をあげています。そうすることで時間ができた。その時間で他のやりたいことをやるっていう回し方なんですよね。単価が変わらない中で時間を減らすと、全体量が減るので、新しく始めた方でも稼がなきゃって焦りが出てきやすくなると思うので。

新條:そこって下手したら一番悩むところかなと思っていて。自分の値付けをいくらにするんだっけって、まさに経営者で言うと値付けこそが経営ですみたいな話があるぐらいなので。もちろんハードルはあるのかもしれないですけど、ご自身の単価を上げることによって時間が生まれたり、高くなった単価で売るためにどうするのかっていう行動量が増えたりっていうところで、逆で行くと単価安いままですごい発注来てるのに忙しいしジリ貧で、あんまり跳ねない、みたいなところの分かれ目かもしれないですね。値付けはすごく大事です。

本山:そうですね。キャリアが伸びれば伸びるほど、少しずつ高めていけると思うんですよ。これだけの経歴があるので私はこの値段ですって言える。ただ、そこで今まで来てた依頼が来なくなっちゃうとも困るので。難しいです。

新條:ちょっとここでいただいた質問も読ませてもらいますね。キャリアコンサルタントの資格があったことは強みになりましたか?資格がなくても学べば実行は可能だったと思われますか?ということで。めっちゃ鋭いところ来てますね。

本山:資格があるかないかより、学んだかどうか。学んでなかったら今の自分はあり得ないと思いますね。例えば、人の話を聞く傾聴のスキルとかは、やっぱりトレーニングが必要で。トレーニングっていうと筋トレとか、体を動かすイメージだと思うんですけど、本当に脳みそのトレーニングってすごいあると思ってるので。そういう意味で学校で学ぶっていうのは本当に私は重要だと思いますね。

新條:ありがとうございました。ではそろそろ締めということで、最後せっかくなので、本山さんの今後の展望だったり、皆さんへの一言でも、一言いただければと思います。

本山:繰り返しにはなるんですが、自分一人で生きている中ではなかなか出会えない出会いっていうのが、学校であったりとか学び直しみたいなところには本当に詰まっていると思います。これまでこんなことをやろうと思ってたけど、もっとこんなこともできそうとか、もしかしたらこっちの方が好きだったかもしれないとか、そういう新しい発見も含めて、私もお力添えと言いますか、お互いに人生を楽しむお手伝いができればと思いますので、もし何かありましたらメッセンジャーなどでご連絡いただければと思います。本日はありがとうございました。

新條:ありがとうございます。学び直しって言葉めちゃくちゃ良いですね。私も今度から使います。というところで、土曜日の朝からみなさんお時間いただきありがとうございました。



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2022.02.22