【イベントレポート】福田秀世 写真展・トークイベント“Vivi e lascia vivere.” -思うままに生きよ。自分は自分、人は人-
ゆったりとしたBGMを背景に始まった今回のトークセッション。
‟Vivi e lascia vivere.” ‐思うままに生きよ。自分は自分、人は人‐
写真家の福田さん、モデルの豊森さん、イタリア出身の歌手Flamingoさんの3名をゲストに迎え、another life.の新條がモデレーターを務めさせていただきました。
第一部:フォトグラファーとして迎えた転機
医者の家系に生まれ、元々医者を目指そうと考えていたという福田さん。しかし16歳の時にお父様が亡くなり、人生の目標が分からなくなったそうです。この出来事を機に、好きな美術を活かそうとアートを学ぶために大学へ進学。
卒業後はすぐにフォトグラファーとして働き始めました。仕事の楽しさは、日々知識が増えていくことと、被写体となる様々な人と触れ合うこと。フリーという厳しい業界での目標設定についてお聞きすると、「目の前のベストを繰り返し、チャンスを掴む」と回答いただきました。
写真に対する考え方が変わったのは、40代に入ってからだそうです。依頼されて撮る写真は、相手が喜ぶものであることが大前提。しかし瞬時に忘れ去られるものではなく、人の心に残る(自分自身が100%納得できる)写真を撮りたいという想いが出てきました。
そんな時にwoolyモデルズと出会い、前向きなモデル志望の子たちに触発され初の写真集を作成することに。その一人が大学生のときにスカウトを受け、モデルの道に進むことを決めた豊森さんでした。不安も抱えていた時期でしたが、個性をありのまま引き出す撮影を通して、もっと自分を開放して良いのだという自信がついたそうです。福田さんは初めて一つの作品を作り上げて、新たなテーマに挑戦していきたいというきっかけになったそうです。
第二部:作品の舞台となるイタリアへの思い
まずはFlamingoさんを紹介させていただきます。イタリア北部で生まれ育ち、現在は早稲田大学に通い日本でもイタリアでも歌えるように勉強されています。
福田さんは家族とともに憧れのイタリアに訪れた際、カターニャという魚市場で一人の男性に出会います。肌は浅黒く、顔に深いしわの入った筋肉質の男性を一目見て、強烈な「生」を感じたそうです。
そこから5年間で写真集を完成させることを目指します。イタリア各地のワイン農家や牧畜家を回り、今を懸命に生きている人を被写体にしてきました。特に南部は50年前かと思うほど時間が止まっているような地域が多く、予定をこなすことに神経をすり減らしている東京とはまるで正反対。普段せわしく働いている人達の息抜きになればという想いをこめて作成した写真集。撮影を続けて行き着いたテーマこそ「思うままに生きよ。人は人、自分は自分」
Flamingoさんは日本人やミラノ人に向けて、南イタリアのように家族との時間やゆったりする時間も大切にというメッセージを発信。福田さんが5年という撮影期間を定めたのは、形にしていかないと何も残らないと感じたからだそうです。とにかく人が好きで、直感でこれだと思う被写体からエネルギーをもらっているという福田さん。今後も写真を見た人のエネルギーになり、前に進むきっかけとなるものを撮っていきたいとのことです。
トークセッション後はFlamingoさんによるライブと、レセプションパーティーで参加者の皆さん同士交流を深めることが出来ました。
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2017.07.17