【イベントレポート】Sunday Morning Cafe〜あなたの未来を変える生き方〜ゲスト:杉本浩司さん

12月18日、さわやかな青空の広がる日曜日の朝。「つくる人を応援する」というコンセプトのカフェを併設した本屋さん”BOOK LAB TOKYO”を会場に、今年最後のSunday morning cafeが始まります。モデレーターはanother life.事務局の新條です。

今回の登壇者杉本浩司さんは、現在”日本一カッコイイ介護福祉士”として活躍されていますが、初めから介護の道を志していたわけではありませんでした。



介護一本で頑張ろうと決意したきっかけ

社会人として働き始めた当初、杉本さんの目標はモデルでナンバーワンを獲ること。介護福祉士の仕事は、あくまでも「モデルを目指すために生活を支える仕事」という位置づけでした。そんな杉本さんが何故介護一本に絞ることを選択されたのでしょうか。

それは、あるレセプションパーティーで出会った初対面の女性の言葉がきっかけでした。

「モデルとしてある程度活躍できるようになるかもしれないけど、名前を覚えてもらえるくらいにはならないと思うよ。モデルやめたら?モデルの何が楽しいの?」

そう尋ねられた杉本さんが、スポットライトを浴びて歩くのが気持ち良いと答えると、

「おじいちゃんおばあちゃんに、あなただったらスポットライトをあてられるんじゃない。」

と女性から一言。



ちょうどモデルとしてやっていくことに悩んでいた時に”いきなり心臓をつかまれる経験”をした杉本さん。その瞬間、「急に心臓が鼓動し始めた」といいます。この経験から、ご自身が関わった人には、失礼かもしれないけど、初対面からでもいきなり心臓を鷲掴みにするようにしているそうです。

介護の本当のやりがいに気がつく

そんな杉本さんが、本当の意味で介護のやりがいに気付いたのは、訪問介護の仕事に携わる中であるおばあちゃんと出会ったことがきっかけでした。

「あなたがいたから生きていていいと思った」

数年間訪問介護を続けたのち、死にゆく間際のおばあちゃんが、ご家族ではなく杉本さんに一番伝えたいと発した言葉でした。

「人の人生を変えられるくらいの関わりができる仕事が介護なんだ。」
「介護の仕事はその人の『生きていく』っていう当たり前の生活を守ってあげることができるんだとハッとさせられた。」

杉本さんの介護が、このおばあちゃんの生きる活力となっていたことを目の当たりにした瞬間でした。



リーダーとして大切にすること

杉本さんが組織を作り育てる立場になった今、大切にされていることを3つご紹介します。



①明確なビジョンを示すこと
具体的な目標、道筋まではっきりと示せば誰も迷わないし、ビジョンに対して的確な質問が来る。明確なビジョンを示すには、適切なマーケティングと覚悟が必要。

②理論だけでなく、成果を示す。
「介護は素晴らしいよ。」だけでは人はついて来ないし、入ってこない。経営、マーケティングとリンクさせ、成果として黒字を出していくことも重要。

③おじいちゃんおばあちゃん、ご家族、スタッフ、法人、の四者がハッピーであること
そのためには、スタッフひとりひとりの価値をあげる人材育成を行うことが重要。また、実習生・新入社員の声もすぐ取り入れることで居心地の良い職場を作ることも大切。

今後のビジョン

杉本さんの今後のビジョンの一つに「介護業界の内外関係なしに、皆さんに覚醒してほしい」という想いがあるそうです。



人が覚醒する時とはどんな時でしょうか。「コイツになりたいっていう人に出会った瞬間に覚醒の一歩がはじまるんですよね」と杉本さん。

覚醒させるために杉本さんが行っていること。それは「瞬間をリアルにみせること」です。「歩けなかった人が歩けるようになる等、とことんリアルな話をする。その後、ミッションをあたえてフィードバックを繰り返すことでしか、覚醒はない。」そして、フィードバックの際には「この人に何を言ったら響くかな。」といった点を常に意識されているそうです。



トークセッション終了後の交流会では、
杉本さんが最後の最後まで参加者ひとりひとりと真剣に向き合う姿が印象的でした。

今後のSunday Morning Cafe
2月26日(日)ゲスト:澤田祥江さん
3月12日(日)ゲスト:三浦 崇宏さん

2017.01.20