デザインの力で世界を変えたい!
1人1人がミッションを持つ社会を。

「デザインの力で世界を前進させる」というミッションをもとに、デザインの魅力を伝えることに取り組まれる佐宗さん。大学在学中から働くことに打ち込みながらも、社会人になってからは仕事をすることの意味に悩むことに。そんな中、自らの答えに行き着いた道のりとは?お話を伺いました。

佐宗 純

さそう じゅん|デザインの魅力を伝える
株式会社グッドパッチ勤務。自社サービス「Prott」のアカウントマネージャーを務める。UIデザインに関わるすべての人の為のコミュニティであるUI Crunchの企画・運営も務める。

好奇心旺盛で負けず嫌い、挑戦する人に囲まれた学生時代


千葉県市川市で育ちました。小さな頃から好奇心旺盛で負けず嫌いな性格でした。小学校から高校までバレーボールを続けながら、サッカー、少年野球や書道など色んなことに手を出していましたね。

高校のバレー部は進学校ながらも、県大会の常連校でした。高校では部活をやりながら軽音楽部でバンド演奏をしたり、文化祭で演劇の役者をしたりと充実した学生生活でした。

昔から全教科の中で英語が1番得意でした。初めは得意だったから勉強を続けていましたが、続けていくうちにもっと好きになっていきましたね。英語が磨けるということで、立教大学の経営学部国際経営学科に進みました。

進んだ国際経営学科は、留学生や帰国子女の学生も多く、授業はほとんど英語で進むものでした。高校の時に英検準一級を取ったこともあって英語には自信があったのですが、いざ大学に進んでみると全く敵いませんでした。大学1年生でアメリカに短期留学したのですが、25人の留学メンバーの中でまさかの最下位レベルでした。さすがに焦りましたね。(笑) それから、生来の負けず嫌いもあって本格的に英語を勉強して磨いてきました。

大学時代は英語だけでなく、授業の課題も大変でした。特にきつかったのは、実際の企業をクライアントに持ち、その会社から出される経営課題に対して半年かけてソリューションを提案する、という授業でした。国際経営学科ということもあって、その授業をロシア人や中国人などとチームを組んで取り組む機会もあって非常に大変でしたが、英語でビジネスを考えるということに対してすごく鍛えられました。

また、周囲には、在学中にドイツの会社にヘッドハンティングされて渡欧する先輩がいたり、教育分野で起業する先輩がいたりと挑戦する人に囲まれた環境でした。自分なりのミッションを持ってチャレンジしていて、尊敬できる、非常に魅力的な人達でしたね。

大学4年次にはKLab株式会社というソーシャルゲームの会社の事業開発部でフルタイムインターンとして約1年働きました。海外スタートアップの分析メディアを立ち上げたり、新規事業で海外とのパートナー交渉を担当させていただきました。とにかく仕事に打ち込むことが楽しかっ たですね。

授業やインターンに必死で取り組みながらも、友人と日本43県を旅したり、外務省のプログラムで韓国に行かせてもらったりと、非常に充実した4年間でした。

デザインとの出会い


インターン先のKLabへ行くかとても悩みましたが、新卒として日系の大企業で経験を積みたいと思い、グローバル事業にも強いNTTコミュニケーションズに入りました。

NTTコミュニケーションズでは、スマートフォンの通話アプリ「050plus」の企画チームに配属になり、新規事業開発に携わることになりました。そこではシリコンバレーのデザインコンサルティング会社を起用したプロジェクトに配属されました。コミュニケーションがほぼ全て英語だったので、さらにやりがいがありましたね。

デザインの世界ではトップクラスの会社ということもあり、とても多くのことを学んだプロジェクトでした。デザインと言っても目に見えるヴィジュアルだけでなく、企画段階からどういったユーザー体験を設計するか考えていくということが印象的で、デザインの可能性を強烈に感じました。

事業化するべく約1年間必死で取り組みましたが、期待する様な収益規模が確保できないという理由で同意を得ることができず、結局事業化できずに終わりました。そこでデザイン・アプリの可能性を理解してもらうことができなかったことが本当に悔しかったです。

必死で取り組んできたプロジェクトが事業化できないと決まって、深い挫折感を味わいました。

「働く」とは何か深く考える


プロジェクトが事業化できなかった、自分の感じた魅力を伝えられなかった、という挫折感は非常に大きいものでした。直後から体調を崩して会社に行くことができない日々もありました。

そんな挫折感の中、働くということの意味について改めてじっくり考えました。

なぜ、自分は仕事をするのか。

ひたすら考え続け、Wantedlyの仲さんやCRAZYの山川さんの本を読んで、実際に会いに行きお話を聞いたりもしました。

そして、悩み続ける中で見えてきた答えは、「ミッションを持って働き、人生を賭けて仕事に取組みたい」ということでした。大学で感じた原点に戻ったという感じですね。

そんな時、UIデザインやサービス設計を行うベンチャー企業のGoodpatch(グッドパッチ)代表の土屋さんに出会い、「デザインで世界を変えていく」というミッションに共感しました。規模の大きな企業でデザインの価値を訴えていくよりも、デザインの価値をすでに理解しているスピード感のある会社で働いた方が社会的にも影響を与えられると思いました。そこでNTTで感じた「デザインの魅力を伝えること」を自分のミッションにしようと思い、グッドパッチへの転職を決めました。

デザインの魅力を伝えたい


実際に働き始めてみると、自分と同じ様にミッションに共感して働いている人が多く、環境としても最高でしたね。

Goodpatchでは、プロトタイピングツールの「Prott」を担当しています。画像だけで本物のアプリのように動くプロトタイプを簡単に作成できるツールです。コーディング前にプロトタイプを作ることでチーム内コミュニケーションが円滑になります。私自身はProttの法人営業のほか、デザインのコミュニティイベントであるUI Crunchの企画運営やプロトタイピングについてのワークショップを行なっています。

日本ではユーザー体験も含めた意味でのデザインの価値が注目され始めたばかりですし、サービスを企画・デザインしていく中でプロトタイプを使う、という点はまだまだ数ある日本企業に浸透していません。プロトタイピングが浸透すれば、チームでのコミュニケーションが劇的に改善し、サービスを作っていく方法が一から変わります。

デザインは見た目だけではありません。どんなユーザーに、どんな体験をどういった形で提供するか。このリサーチ・企画・レビュー・UIデザイン全てが広義の意味でのデザインなんです。ビジネスモデルを作り込む前にユーザー体験を考える、実際のユーザーの声を聞きに行く。そんなデザインの重要性を広めていきたいですね。

デザインの価値を日本の経営層に広めていくには1人の力では到底できません。法人営業やワークショップを通じてプロトタイピングの価値を伝えながら、コミュニティイベントであるUI Crunchを通して、同じ志を持った方と出会い、力を合わせて、デザインの力で日本や世界を変えていきたいですね。

挫折も味わいましたが、25歳という年齢で、600人・6000人・60人と、3つの異なる規模の会社で働くことで得られた経験は貴重なものだと感じています。会社や働く人の違いも分かりましたし、何より自分の中でミッションが明確になり、そこに向かって全力で挑める様になりました。

「デザインの価値を世の中に広めていく」というミッションに励みつつ、1人1人が自分のミッションを持って生きる社会を作っていきたいです。

2015.12.09

佐宗 純

さそう じゅん|デザインの魅力を伝える
株式会社グッドパッチ勤務。自社サービス「Prott」のアカウントマネージャーを務める。UIデザインに関わるすべての人の為のコミュニティであるUI Crunchの企画・運営も務める。

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