いつまでも女性がきらきら笑顔で輝くために。
自信のない私を変えてくれた、人との出会い。
豊洲でプライベートエステサロンをフランチャイズ運営する小川さん。自信を持てなかった自分を変えてくれたのは、一歩踏み出すことで得られた、たくさんの人との出会いでした。そんな小川さんの半生を伺いました。
小川 初美
おがわ はつみ|プライベートエステサロンの運営
豊洲のプライベートエステサロン「SANUR 豊洲」を経営する。
自分を奮い立たせて接客の道に
私は東京都で生まれ、埼玉県で育ちました。自信のない子どもで、容姿も、勉強も、運動も何も取り柄がないと思っていました。人前で話すのも苦手で、いつも友達の後ろに隠れているような性格でした。
一方で、人一倍好奇心は強く、海外やアウトドアに興味を持っていました。ただ、チャレンジしようと思っても、いつも一歩踏み出せずにいるんです。誰か一緒にやってくれる人がいないと何もできずにいました。
大学生になった時、そんな自分を変えるために思い切って接客の仕事をしようと、ファーストフード店でアルバイトを始めました。人一倍変わりたい願望があったので、常に人間観察してるようなところがあり、人と関わることも興味はあったんです。
最初は声も小さいし、何回も怒られました。ただ、自分が何かしたことでお客さんが喜んでくれる等、何かしら反応があり、接客の楽しさを実感できるようになりました。
そのため、就職先も接客をしたいと思い、アパレル店での販売員の仕事を中心に見ていました。ところが、合同説明会であるエステサロンの話を聞いた時、進路を変更することにしました。
そのエステサロンは「美しくなってもらうだけでなく、お客さんが元気になる背中を押してあげられる」と話していて、それは私のように自信のない人を応援できる仕事だと感じたんです。
そして、そのエステサロン一本に絞って就職活動をして、無事働けることになりました。
女性らしさを取り戻してもらえる美容
エステサロンでの仕事は、思っていた通り、人を元気にできる仕事でした。しかし、仕事は激務でした。毎日朝から深夜まで働き、月に1日も休みがないような日が続きました。
すると、次第に心が疲弊してきて、「何でこんなことをしているんだろう?」という気持ちになってしまいました。そんな状態なので、人と接するのも辛くなり、何も考えられない状況になってしまったんです。
そこで、一旦休憩しようと思い、半年ほどで会社を辞めることにしました。ただ、辞めてみると今度は「働かなきゃ」と焦りも出てきて、1ヶ月後には百貨店で働き始めることにしました。接客が好きなのは変わっていなかったので、百貨店でアパレルの販売員をしたいと思ったんです。
ところが、私が配属になったのは、化粧品を販売する美容部員でした。正直、美容の世界には戻りたくないと思っていたので、最初はあまりポジティブではありませんでした。「女の世界」の独特の雰囲気も苦手でした。
しかし、働き始めると、その不安よりも、お客さんから返ってくるものが圧倒的に大きかったんです。化粧品を買いに来てくれるお客さんが、「あなたと話に来た」と言ってくれることもありました。また、その場で口紅一本入れるだけで、見た目が綺麗になるだけでなく、元気になってもらうことができたんです。
私が働いていた店舗は、年齢層の高めの方や高齢者の方がよく来るお店で、訪れてくれた方に、「女性らしさ」を取り戻してもらえるのも嬉しかったですね。
自分が変わればもっと人の力になれる
仕事は楽しくて仕方なかったものの、相変わらず自分に自信はありませんでした。また、職場には、自分がなりたい理想像に近い人はいませんでした。このままの環境ではいつまでも自分は変われないまま。
そこで、本気で自分を変えるために、色々な人に会いに行くことを決めたんです。単細胞ですが、それが一番だろうって。
そして、時間を作ってイベントや交流会に参加するようになりました。人見知りなので最初は全く声をかけられませんでしたが、勇気を振り絞り、一言、また一言誰かと言葉を交わせるようになっていきました。次第に、普通に喋れるようになり、イベントの主催者と仲良くなり、また別のイベントに呼んでもらえるようになっていきました。
その中で、自分のことや仕事について楽しそうに話している、私が「こんな人になりたい」と思う理想の人との出会いもありました。その人と近づくために、その人が参加するイベントに行くようになると、周りには同じように夢を持って常にチャレンジしているばかりいるんです。
その人たちと触れ合っていくうちに、私も何かしたいと考えるようになりました。そこで、私が大好きな人たちを引き合わせる機会を作ったり、パーティやイベントを企画するようになりました。
すると、「会わせてくれてありがとう」と言ってもらえたり、私のように何かに踏み出せずにいた子に、「私も頑張ろうと思いました」と言ってもらえたんです。
この時、私にもできることがあるし、自分が変われたことを実感しました。さらに、もっと人の力になるためには、私がもっと変われば良いのだと思い、そのための最善策として独立を考え始めました。
また、仕事を続ける中で、もっと多くの高齢者の方に、美容やエステを提供したいという気持ちも強まっていました。
そこで、仕事のかたわら出張エステを始めることにしたんです。こちらから出張すれば、エステサロンに足を運びづらい高齢者にも綺麗になってもらえると。
訪れたチャンスには全て取り組みたい
そして、独立の準備をするために、11年間働いた百貨店を辞めることにしました。百貨店は終わりの時間が遅いので、仕事が早く終わる職場で働こうと思ったんです。
その後、定時に上がれる事務職の仕事をしながら、出張エステを行う生活が始まりました。加えて、勉強のために経営者に会いにも行ってました。出張エステが軌道にのれば、この仕事で独立しようと考えていましたね。
ある時、エステサロンをフランチャイズで多数展開する経営者を紹介してもらうことがありました。すると、その会社は海外にも進出していて、ちょうどカンボジアでエステ技術を教えられる人を探しているので、3ヶ月ほど行ってみないかと誘われました。
そこで、私は即答で行くことに決めました。チャンスだと思ったので不安はなかったですね。
現地での生活は、旅行とは違って決められた場所に行くのではなく、地元の人と一緒に生活できるので楽しかったですね。また、教えていたカンボジアの子どもたちは、「家族を養いたい」と上昇志向に溢れていたので、教えがいもありました。
改めて「仕事って楽しい」と実感し、そのままカンボジアに残って働きたいとも思っていました。ただ、もう現地のスタッフは決まっていたので、その望みは叶いませんでした。
しかし、今度は日本の店舗を拡大するので、店舗を持ってみないかと誘われました。元々は出張エステで高齢者の方に美容を提供したいと思っていたし、新たに海外で働くという選択肢も視野に入れていたので、どうしようかと迷いはありました。
ただ、「どんなことでも8割位は失敗するなら、来たチャンスには全部挑戦しよう」と考えていたこともあり、店舗経営を始めることを決意しました。
オープンまで1か月と、準備期間の少ない話でしたが、運良く自分の住んでいたマンションを使っていいと言ってくれる人とも出会うことができ、場所はすぐに決まりました。
そして、2014年1月、東京の豊洲にプライベートエステサロン「SANUR 豊洲」をオープンしました。
人の数の分、考え方は無限大にある
最初は集客も大変でしたが、半年ほどでSNSの宣伝や口コミが実り始めました。今は、場所を持っていることを活かして、サロン内で人が集まれるイベントも開催しています。特に、豊洲という立地上、女性やママが多いので、ヨガやランチ会など人と関われる場を作っていきたいと考えています。
また、元々美容を提供したかった高齢者のために、老人ホーム、現在は国立がんセンターなどにもボランティアで出張マッサージに行っています。私がおばあちゃん子だったことも影響していると思いますが、根本的には、女性には、何歳になっても、いつまでも女性でいて欲しいという想いがあるんです。
美容は女性と切っては切れないもの。それにもかかわらず、敷居の高いものに感じられやすいので、食事をするような感覚でもっと身近に楽しめるようにしたいんです。また、美容のことだけじゃなく、食や健康、音楽、色や香りなど、色んな切り口の色んな職業の方たちとコラボして、多くの人が関わり、みんなが楽しめる空間を創出していけたらとも思っています。
私は、モチベーションが下がりそうな時には、人に会ってパワーをもらうことにしています。「本気で変わりたい」と思ってから10年。たくさんの人に出会い、様々体験し、他の人の歩みも疑似体験させてもらってきました。
そこで分かったことは、世の中には本当に人の数だけ色んな考え方、生き方、働き方がある。さらに、まだ出会っていない人の考え方があると思うと、これからも出会うことをやめたくないし、一生のうちに出会えない人もいるとすると、可能性は無限にあるとすら思えるんです。見方や意識を変えればチャンスは色々なところにあって、人生は楽しんでいいものだし、働き方も色々とあっていいんじゃないかと思っています。
これからも人に会ってパワーをもらいながら、自分自身変わっていき、もっと人に影響を与えられる人になれたらと思います。そして、「女性がその人らしく、いつまでもキラキラと元気で笑顔でいられる」ため、様々なサービスを提供し続けていきたいです。
2015.09.01
小川 初美
おがわ はつみ|プライベートエステサロンの運営
豊洲のプライベートエステサロン「SANUR 豊洲」を経営する。
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