「ここでなら、自分を飾らずリスタートできる」
本質を考え120%努力する、新たな居場所。
【エンジニアの新しい働き方「ビジネスアーキテクト」】「つぎのアタリマエをつくる」というミッションのもと、後払い決済・企業間決済サービスの運営を行う株式会社ネットプロテクションズとの協力でお送りする、エンジニアの新しい働き方の特集です。企業間決済サービスのビジネスアーキテクトとして働く濱田さん。ある時から物事に全力で取り組む努力をしなくなった自身に悩み続けた濱田さんが、リスタートの場所として選んだ環境で取り組む挑戦とは?お話を伺いました。
濱田 夢加
はまだ ゆか|企業間決済サービスのビジネスアーキテクト
後払い決済サービス「NP後払い」・企業間決済サービス「FREX B2B後払い決済」の運営等を行う株式会社ネットプロテクションズにて、FREX B2B後払い決済のビジネスアーキテクトを行う。
後払い決済サービス「NP後払い」
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※この特集は、株式会社ネットプロテクションズの提供でお届けしました。
中学受験で得た、120%の努力をするという経験
私は大阪府大阪市に生まれました。小さい頃は、明るく活発で好奇心旺盛だった反面、親の言うことをよく聞く性格で、特に「自分のすべきことをきちんとしなさい」「自分がやりたいと言って始めたことは最後までやりきりなさい」「できないよりはできた方がいいでしょ」という教えを素直に受け止めて育ちました。
そのため、学校の宿題はいつもしっかりと済ませていたり、おまけが欲しくて始めた通信教材も、親の「あなたがやりたいと言ったんでしょ」という一言で、全てきっちりと期限内に終わらせていました。お陰で小学校の成績は良かったので、両親から地元の中学校への進学以外の選択肢があることを知らされ、新しいことに何にでも好奇心旺盛だった私は、中学受験に関心を持つようになりました。
ところが、幼い頃から中学受験を検討するような家庭環境ではなかった私たちが受験することを決め、そのための塾に通いだしたのは小学校6年生の夏休みのことでした。既に周りはひと通りの学習を終え、最後の復習をしているような段階。そんなことも知らず、初めての塾にわくわくしながら行った私は大きな衝撃を受けました。
最初の授業で、先生の言っていることが一言も理解できなかったんです。それまで小学校の授業では分からないことが基本的になかったはずなのに、その場で行われていることが何一つ分からないことに、少しパニック状態になりました。小学校の学習内容と受験に必要な学習内容の差に唖然としましたね。
周りにいるみんなは同じことを理解しているのに、一人だけ分からない悔しさに加えて孤独感も重なり、気が付くと周りに分からないようにこっそりと涙を流していました。
そこで、みんなが帰ったあと、一人で先生にたくさん質問しに行ったんです。「何もわかりませんでした。一から全て教えて下さい」と。
すると先生の説明を聞いていくうちに、「なるほど!」と感動したんです。勉強を教わるというより、「考える」とはどういうことかを教わった気がします。それ以来、問題の本質を捉えることを意識するようになり、考えることが楽しくなっていき、周りが過去に終わらせた学習内容を次々に消化していきました。
考えることを楽しむ大きな原動力と、周りに追いつかないといけないという危機感が重なり、人一倍努力をするようになり、人生で初めて120%の努力をした経験となりました。
そして、無事行きたかった中学校に合格し、進学を決めることができたんです。初めて何かをやり遂げたという感覚を味わいました。
順風満帆な日々で失った、努力へのモチベーション
中学に進学してからは、それまでとは一転、自分自身の意思で物事を決めるようになりました。何をするにも母親に確認している私を見て、尊敬していた友人から「結局あなたは何がしたいの?」と言われたことがあったんです。それまで、親がどんなことを望んでいるかという軸で判断していたのが、「自分の意思で行動を選んでいいんだ」と気付き、はっとさせられました。そして、やりたいことを自らの意思で選択する毎日が本当に楽しくなっていきました。
そんな背景もあり、学内外の活動で順調な日々を過ごすことができました。中学2年生の時には学級代表の役割を頂き、「青春」を掲げて行ったクラス運営が非常にうまくいき、それからは生徒会長や学年代表など、あらゆる経験をさせてもらいました。また、プライベートではダンスに打ち込み、チームを組んでちょっとした大会で受賞したり、友人にも恵まれ、誰が見ても順風満帆な日々でしたね。
ところが、そんな生活が続いていくと、まるで努力をしなくても何でもできるような錯覚が芽生えていました。それまでは120%の努力をして100点を目指していたものが、50%の努力で70点ぐらい取れるのであれば、そちらの方が効率が良いと考えるようになっていたのです。何事にも本気で、かつ真剣に取り組むことがだんだんとできなくなっていきました。特に高校2年生頃から、そんな感覚が強くなっていました。
そして高校3年生を迎え、卒業後の進路を考えなければならない時がやっても、心は冷えきっていて、「本当にしたいこと」が何もない状況でした。一旦大学に進学することに決めたものの、明確な目的が持てなかったので、なんとなく最先端で色々なことができる大学に、なんとなく進学を決めてしまいました。
そんな中途半端な気持ちは大学入学後も変わらず、授業やサークル、バイトやゼミなど全て中途半端な形で終わらせてしまうような生活が続きました。
自分と向き合い、飾らずにリスタートできる環境へ
そんな学生生活を過ごし、大学3年の後半を迎えると、何かに対して120%頑張ってこなかった後ろめたさに、耐えきれなくなってしまったんです。
アルバイトの多くは1・2ヶ月で辞めてばかり。単位もたくさん落とすような状況で、サークル活動として行っていたミスコンの運営には力を入れていたものの、それでも120%という所までは至りませんでした。
もう努力ができない人間になってしまったのではないかと、自分自身への信頼が失墜していました。「これだけは本気でやっている」と胸を張れるものがなく、劣等感や罪悪感もありました。
そこで、まずは現実と向き合い、その状況から脱しようと、環境を変えるため1年間アメリカに留学することに決めたんです。
現地に滞在してからは、外国語へのハードルが下がる等、留学特有の学びに加え、人生をしっかりと考えるようになり、自分の中で色々なもやもやがリセットされていきました。
そして帰国後は、前の自分には絶対に戻らないと強く決めていたものの、やはり自分の中の甘い部分が抜けきることはなく、それまで目を背けていたことに向き合う辛さは大きかったですね。自立して自分の関心があることに主体的に取り組んでいく理想像と、現在の自分とのギャップがどんどん大きくなっていき、自信がみるみる失われていきました。次第に行動するモチベーションもなくなっていき、絶望感に襲われていましたね。
その後、就職活動の時期を迎えたのですが、そんな状態だったこともあり、何をしたいのかなどを考える心の余裕はありませんでした。また、「しっかりしている自分」を見せなければいけない面接を受けることはとても辛かったです。
ただ、そういった状況であまり思考ができなかったものの、ベンチャー企業に行きたいという軸だけはブレませんでした。元々、大学でとても尊敬していた先輩が、Googleを蹴ってベンチャーに就職したという出来事があり、「ベンチャーとは何者なんだ?」と関心を持っていたんです。
実際に、インターンや説明会等に足を運び、「若手でも裁量が大きく、早い段階で変化の中心軸となることができる場所」だと理解し、私にとって目指すべき場所だという感覚もありました。しかし、ほとんどの会社がキラキラした雰囲気で、色々なことを上手く飾れない自分は、居心地の悪さを感じてしまいました。
ところが、学校の説明会で出会った、ネットショッピングや企業間取引の決済サービスを提供するネットプロテクションズというベンチャー企業だけ、そんなひどい状態のままの私でも、門を開いてくれるような感覚を抱いたんです。
「ここなら飾らなくてもいいし、リスタートできるかもしれない」
そんな気持ちでした。面接用に自分を厚塗してごまかすこともできるとは思ったのですが、それをしていると、本質的な問題と向き合わなければならない日を先延ばしにしているように感じだんですよね。
そんな思いからネットプロテクションズへの入社を決めました。正直、この環境であれば、事業に関しては何でも良いという感じでしたね。とにかく何かに夢中になりたかった。打ち込みたかった。そして何かを成し遂げたかったんです。
研修を経てようやく立ったスタートライン
入社してからは、「早く働きたい。何かに打ち込んで、結果を出したい」という気持ちでいっぱいでした。何かに打ち込むこと、つまり120%の努力をして結果を出すことで、自分自身に対する信頼を取り戻したかったんです。
そのため、入社後の新卒研修の期間は苦しかったですね。自分が何をしているのか説明できないような環境は、アイデンティティを見失いかけている状況に、より追い打ちを掛けるようなものでした。
ただ、新卒研修の一環で行ったOJTでお客様と触れ合う日々を通じて、「サービスを根幹から強くして、よりよいものへと進化させたい」という思いは日に日に強くなっていきました。
また、大学ではiPhoneの機能設計に携わるような教授のゼミにいたため、会社全体のITリテラシーに課題感を感じていました。提供しているサービスは先端技術を駆使するような方向性でないものの、サービスも会社も、もっとITの面で進歩できると感じたんです。その課題感に対してもアプローチできればいいなと考えていました。
そんな思いを抱えて研修を終えると、「FREX B2B後払い決済」という企業間の決済サービスを運営する部署に配属されました。配属後も、営業やカスタマーサポートといった部署内研修があったのですが、やはりそこでも「よりしなやかで強い仕組みをつくり、サービスをよりよいものに進化させたい」という思いが大きくなりました。
最終的に、新卒研修や部署内研修など1年の研修を経て、「ビジネスアーキテクト」という、サービスの設計や開発を行うユニットに従事することになりました。研修を通じて抱いた「サービスの根っこからの変化を起こしたい」という思いを実現するには、ビジネスアーキテクトが最適な仕事だと感じたんです。
やっと120%の力を発揮するチャンスを得たような感覚があり、モチベーションが上がりましたね。自分の責任を全うしようと意気込みました。
ビジネスアーキテクトという仕事に打ち込み、取り戻した感覚
しかし、やはり初めは苦労の連続でした。ITの保守・運用から、開発のプロジェクトマネジメントまで、経験もスキルもない私にとって初めての仕事が転がり込んできたので、与えられた責任を果たせていないような感覚でした。
また、一つ一つの業務にも時間がかかっていたので、毎日遅くまで働き、体力的にもバタバタしていましたね。協力頂いているベンダーさんの方が圧倒的に経験もスキルもある中で、会社としての判断をすることの難しさも感じました。
それでも、中学受験の時のように、一つ一つ教わりながら少しずつ出来る事を増やしていき、一年が経った今では、運用についてはひと通り一人でできるようになり、開発の際の判断も少しずつではありますが、目星が付くようになってきています。
さらに、少し前までは経験やスキルが大きく劣る自分の立ち位置を上手くつかむことができず、もやもやとしていたのですが、他の方の仕事を見ていく中で、自分のすべきこと・すべきではない(できなくてもよい)ことを線引きすることができるようになり、だんだんと自らの責任範囲や立ち位置を認識できるようになりました。
今では、会社におけるビジネスアーキテクトという私の役割を、「サービスの本質を捉え、描いた理想像に近づけるための効果的な戦略を考える役割」と自分なりに定義し、全うすべく邁進しています。
現在の事業は、消費者向けの決済サービスの仕組みを企業間の取引向けにチューニングしてできた仕組みなので、運用している中で様々な諸問題が発生しています。そのため、よりしなやかで強い仕組みをつくり、サービスをよりよいものに進化させていくために、まずはサービスを抽象化し、モデリングなどを通して本質から捉え直し、問題の根本解決に繋げていきたいと考えています。
そして、そのような必死に駆け抜ける日々を通じて、高校生の頃からずっと感じていた後ろめたさから、少しずつではありますが、やっと脱することができてきている気がします。
久しぶりに120%の力を出しているなあと感じますね。
これからも、今の役割を任せてくださった周りの方への感謝の気持ちを忘れず、サービスの本質を考え続け、サービスの成長の一助となるよう努力を続けたいと思います。
2015.04.24
濱田 夢加
はまだ ゆか|企業間決済サービスのビジネスアーキテクト
後払い決済サービス「NP後払い」・企業間決済サービス「FREX B2B後払い決済」の運営等を行う株式会社ネットプロテクションズにて、FREX B2B後払い決済のビジネスアーキテクトを行う。
後払い決済サービス「NP後払い」
企業間決済サービス「FREX B2B後払い決済」
ポイントプログラム「フフルルポイント」
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※この特集は、株式会社ネットプロテクションズの提供でお届けしました。
編集部おすすめ記事2019.10.11
編集部の伊藤です。秋は悩みの多い季節と言われます。例えば、ファッション。先週真夏日があったと思ったら、今週は台風到来と秋は天気が激しく変わるので、何を着るか悩みますよね。でも、そこで無難なファッションを選ぶと気分が上がらない。ファッションが心理状態に与える影響の大きさは様々な研究が示していますが、実はanother life.にもその実例があるんです。今回は、ファッションをきっかけに自分に自信がついた3名のストーリーをご紹介します。ぜひご覧ください。
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