明日も満員電車に乗りますか?
出勤前の時間に、読書・スポーツ・趣味などで自分の能力を高めようとする活動、 「朝活」を池袋にて開催している木下さん。 どのような経緯で朝活を開催する仕事を始めたのか、お話を伺いました。
木下 猛
きのした たけし|朝活の企画・運営
池袋で行われている朝活、通称「イケカツ」の運営を行っている。
現在、ビジネスマンの「成長・協力」をテーマに、ビジネス協力グループを立ち上げた。
イケカツ Facebookページ
やりたいことが見つからずに就職回避
私が就職活動をしている時は、バブル真っ最中でした。
企業としては一人でも多くの学生を採用したいと思っていたので、
選考に行くだけで図書カードや交通費がもらえるような時代でしたね。
当時はそれが当たり前だと思っていました。
しかし、ちょうどフリーターが「新しい働き方」だと注目されていた時代で、私はやりたいことがなく、
いつでも就職できると考えていたため、就職しないことを選びました。
特に多くを考えずにフリーターになったんです。
当時は色々なアルバイトをしながら生活をしていました。
最初は、近所の中華料理屋さんやホテルで3年ほどアルバイトをしていましたが、
その後は常駐警備員としても5年ほど働いていましたね。
しかし、30歳に近づいてくると、学生時代の友人は家庭を持ったり、
仕事で活躍し始めたりしてきたんです。
さすがの私も焦りを感じ、フリーターを卒業しなければと思い、あても無かったのですが、警備員をやめることにしました。
その後は、たまたま声がかかった飛び込み営業の会社に入りました。
ここでは結構な成績を出すことが出来て、営業研修の講師などもやりました。
ただ、その後いろいろな時代の変化とともに営業の会社も辞めることになりました。
しばらくはバイトをしたりしていたのですが、たまたま保険会社から声をかけていただき、
正社員として保険の営業をすることになりました。
同じ場所なのに違う気持ち
正社員になったはいいものの、保険会社では全く成果が出ずに悩みました。
10年来の友人に、保険の話を持ちかけただけで着信拒否される始末で、精神的にも経済的にも凄く苦しかったです。
また、朝の通勤ラッシュ時の満員電車が本当に苦痛で仕方ありませんでした。
そんなある日、たまたま朝早く起きて早い時間の電車に乗ったんです。
すると、電車の中は空いていて、同じ場所に向かっているのにすごく快適で、
いつもとはまるで違う気持ちになりました。
家を出る時間を少し変えるだけで、こんなにもストレスは変わるものなのかという驚きもありました。
それから、出勤時間より2時間ぐらい早い時間に会社の近くまで行き、
カフェで読書やメールの返信などをするようになったんです。
その頃、たまたまインターネットのコミュニティ上で、
月曜日に池袋で朝活を開始するというのを見つけたんです。
最初は保険営業の役に立つかと思って参加したんですが、
来ている人はみんな前向きで、一緒にいると色々な学びがあったんですよ。
気づけば、保険の営業などは全く忘れて毎週楽しみにして通っている自分がいました。
自分で朝活を開いてみたい
参加しているうちに、自分だったらこんな企画もやってみたいとか、
こんな司会進行をしてみたいと、運営にも興味を持ちました。
そんな時、主催者が年末で運営を辞めてしまいました。
正確には、年末でいったんお休みしてそのまま再開しなかったんです。
自分でも朝活を主催したいという気持ちはあったんですが、
一回始めたらずっと続けなければと考えていたので、
朝活を主催するところまで踏み切る勇気はありませんでした。
ただ、朝活で知り合った友達から「池袋で朝活が無くなったから木下さんがやってくださいよ」と言われました。
私はまだ自信が無かったので、「もしもやったら手伝ってもらえますか?」と聞いたんです。
そうしたら「もちろん手伝いますよ」と言ってもらえて、背中を押してもらってやっと自分で朝活を主催する決心がつきましたね。
今では毎週やっている朝活の主催ですが、当時は凄く真剣に悩みに悩んで決断したのを覚えています。
これが私がイケカツ(池袋朝活会)を始めた経緯です。
紆余曲折はありましたが、大勢の参加者の皆さんに支えられて2012年の2月から2年ほど経ち、
今ではイケカツの開催回数は延べ100回を超えました。
イケカツでは毎回いろんなテーマで行っています。旅、お悩み相談、ビジネス、健康、恋愛、音楽など様々な幅広いジャンルです。
また、講師の方を呼んでセミナー形式で行うこともあります。
こちらも、ホメ方の達人、サメ、コーチング、駝鳥、名前力、マクロビオティック、
記憶術、文房具、論語、笑顔、交渉術、アロマテラピー、法律、保険、ファッションなど様々なテーマです。
いろんなテーマでやっているので、多種多様な方々が参加してくれるのが非常に面白いですね。
ここから派生して、飲み会やイベントをやったり、人と人とを繋いだり、一緒にセミナーをやったりいろんな動きが生まれてます。
新しいことを一緒に学んだり、悩みや趣味をお互い共有できる”イケカツ”のような場があることで、
多くの人に良い影響を与えているような気がしますね。
好きな事を仕事にする幸せ
そんななかで、大勢の人々にあっていろんな話を聞いた中でも、一つ忘れられない話があります。
それは、プロギャンブラーのぶきさんという方の話です。
「僕は、パンが好きだから1年間飽きずに毎日食べることができると思う。
でも、パンを焼くのは1年の中で、1日ぐらいは休みたくなってしまうと思う。
パン屋として独立したら、最初の3年や5年はは休めないと思う。
だからこれはダメだと思っていろんな仕事を考えた。
今の仕事は本当に楽しいから休みが無くたってずっとハッピー。ずっとやっていられる。」
その話を聞いた時に、これだ!と強烈に思いました。
自分が全力を尽くしてもいいぐらい好きなことを仕事にするのがいいとは、
全くもって当たり前の素晴らしい事だと思ったんです。
じゃあ、自分にとってそういう仕事は何だろうか?
イケカツは無料でやっていますので、そこからいろんな出会いなどはあっても直接の利益は出ません。
でも、時々やるようになっていたセミナーの開催や、
講師へのアドバイスやコンサルティングだったら自分はノウハウがあるし、
講師の方にも参加者の方にも喜んでもらえて、自分だって嬉しいです。
ああ、俺にとって休まないでも苦にならない仕事はこれだと思ったんですよね。
ちょうど、セミナーを一緒にやっている人達からも、
ビジネスに特化したものへの要望が大きかったので、事業として立ち上げることに決めたんです。
この事業では、 お互いのビジネスで協力できることは協力して、
各自が成長しながら各自のビジネスを発展させる、
そんなことを目指しています。
具体的には、主にイケカツを通じて知り合った人達の中でも、
ビジネスに意欲があって興味を示してくれる人達で、ビジネス協力グループLSCA(ルスカ)というものを作りました。
ここでお互いのビジネス上の協力やコラボ、お互いの得意分野でセミナーをやったり、
集客などの勉強会などいろんなことをやっていきたいと思っています。
今まで、アルバイトで生活をしている時は、その時だけ楽しければいいと思っていて
先を考えることは少なかったんですが、
今は「次は何をやろう?」と未来に対して、ワクワクしています。
この年になって、やっとやりたいことが見つかるというのはかなり遅いほうだと思います。
いろいろ大変な事はありますが、それでもやりたい事が見つかって本当によかったと思っていますし、
それに向けて精一杯やっていけて幸せです。
2014.04.06
木下 猛
きのした たけし|朝活の企画・運営
池袋で行われている朝活、通称「イケカツ」の運営を行っている。
現在、ビジネスマンの「成長・協力」をテーマに、ビジネス協力グループを立ち上げた。
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