好きな人と好きなことを好きなだけやる人生を!
ありのままの姿を飲食店で見せます。
東急東横線元住吉駅の近くにあるパスタ&鉄板バル「binwan」を経営する駒ヶ峯さん。子供の頃から「夢を語るのはかっこわるい」と感じて生きていましたが、輝く大人たちとの出会いで一気に考え方が変わったそうです。そんな駒ヶ峯さんが独立するまでのストーリーを伺いました。
駒ヶ峯 誉
こまがみね ほまれ|飲食店経営
神奈川県の元住吉駅付近にあるパスタ&鉄板バル「binwan」の創業メンバーであり取締役を務める。
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夢はどうせ叶わない
僕は神奈川県の茅ヶ崎で生まれ育ちました。
小さい頃から「夢は叶わない」「普通が一番」と思い、
自分の将来の夢がないだけでなく、夢を語る人を冷めた目で見ていました。
小学生の頃から続けていたサッカーも、
高校では部活に入るわけではなく、プロ選手を目指すわけでもありませんでした。
代わりにアルバイトに精を出していて、ファミレスやピザのデリバリーの仕事をしました。
何か強く買いたいものがあったわけではないものの、
お金を自分の力で稼げるという行為自体が楽しかったんですよね。
ただ、仕事に熱中していたかと言われるとそうでもなく、
時給制なのでどうやって楽に時間が過ぎるのを待つかと考えてしまっている自分もいました。
そのため、そういう作られた仕組みの中で働くのではなく、
仕組み自体を作る側になりたいと漠然と考えるようになっていきました。
その後、高校3年生になり将来を考えた時、大学で遊び呆けている先輩を見て、
自分も同じようになるイメージに危機感を抱き、大学には行かないことを決めました。
また、家庭環境によりあまり裕福ではなく、友達が何かを買ってもらう姿を見て羨ましい思いもあり、
将来的にはこの悔しさを存分に発揮できるように独立しようと考えていました。
そして、なんの事業で独立するのかを考えた時に、なんとなく自由なイメージのあった、飲食店を開こうと考えていたんです。
そのため、「飲食店なら調理師の専門学校だ」と思い、入学を申し込みました。
飲食店を開きたいと夢を持つ
しかし、入学手続きの段階になり、本当に専門学校に行くのがベストな選択なのか不安になってしまい、
調理師の専門学校の先輩たちに話を聞くことにしました。
すると、みんな口をそろえて、
「専門学校で勉強するより、飲食店の現場で修行した方が良い」と言うんです。
その言葉を信じ、専門学校への入学を辞退し、飲食店で修行することを決めました。
また、高校を卒業したら家から出なければならない家訓があったので、
上京するか下るか悩み、東京にはいつか来るだろうと思い、神奈川から下ることにしました。
そして、聞いたことのある土地だった熱海に行き、「串特急」という居酒屋でアルバイトを始めました。
すると、串特急で働く社員の先輩たちはもちろん、
出会った人たちはみんな夢を持ち、毎日ワクワクしていました。
そういう人たちの間近にいることで、夢に向かって本気で取り組んでいる大人、
くだらないことにも一生懸命な大人を純粋にかっこいいと感じて、自分も同じようになりたいと思ったんですよね。
また、飲食店は直接お客さんから「ありがとう」と言ってもらえるやりがいのある仕事だという話を聞いた時、
実際に働いていてもその通りだと思ったし、すごく納得感がありました。
しかし、それなのに飲食店で働きたいと思う人がどんどん減っているという話も聞きました。
こんなにも楽しい飲食の仕事をもっと広めたい。
「仕事ってこんなにも楽しいんだ!」と言うことを伝えていきたい。
そんな思いも強くなり、飲食店への情熱が一気に高まり、
僕も本気で飲食店をやりたいと「夢」を持つようになったんです。
居酒屋てっぺんで働く意味
そして、「店長になる」と言い続け、20歳のタイミングで店長を任せてもらうことができました。
店長の仕事は自分がスタッフの時とは違い、
色々な考え方を持つメンバーと意思疎通して仕事をする必要があり、難かしいことも多くなりました。
上手くいかないことばかりで自分の無力さを感じました。
しかし、その分嬉しさも倍増したんです。
自分が面接して採用したメンバーが楽しそうに仕事をして、お客さんにも感謝されている姿を見るのは格別の喜びでした。
また、この店長職で得られる喜びすら、誰かに味わってもらいたいと思うようになり、
将来は経営者として環境を提供する側に回りたいと考えるようになりました。
そして、3年ほど働いた時に、他のお店でも働きたいと考えるようになりました。
一つの環境しか知らないと、何が良いのか判断できないと思ったんです。
そこで、串特急を卒業し「てっぺん渋谷男道場」という渋谷の居酒屋で修行することにしました。
人生を変えてくれた会社を退社すること、大好きな人が沢山いる場所を離れること、本当に正解なのか葛藤はありましたが、
心のワクワクを信じ、都内に行くことを決意しました。
てっぺんは飲食業界の中でも有名店で、熱海にいた時からお客さんとして通いながら、
いつかはこの最高峰の店で働きたいと思っていたんです。
そして意気込みながら臨んだ面接では、採用には届きませんでした。
「熱が感じられない。本当にここで働きたいのか?」と言われてしまったんです。
そして、静岡の家に帰って考えていても答えは分からなかったので、
次の日にもう一度お客さんとしててっぺんに行くことにしました。
お店に来ると、その雰囲気もそうですが、
「居酒屋から日本を元気に」というコンセプトにやっぱり惹かれている自分がいて、
ここで働きたいと思い、自分の気持ちを改めて整理して再度面接をしてもらいました。
そして、3日間の現場研修をして、メンバー全員との面談を経て、
念願だった一つの夢、てっぺんで働けることになったんです。
何をするかより誰とするか
てっぺんで働いていくことで、僕は本当に色々な人と出会うことができました。
すぐに打ち解けて気の合う人もいれば、時間を要する人もいる。
人の価値観というのは、千差万別なんだということを体験を以って理解することができました。
そして、人生とは自分の夢を追いかけることだけではなく、
心から価値観を共有できる仲間と出会い、その仲間たちと一緒に好きなことをやるのが大事なのではと思うようになっていきました。
一度きりの人生で大切なのは仲間を探すことなのではないか、
そして「何をするかより誰とするか」という生き方を見つけたんです。
どんな仕事をするかより誰と仕事をするのか。
何を食べるかより誰と食べるか。
どこに旅行に行くかより誰と旅行にいくか。
中でも、「同じ年に生まれた」というだけで仲間意識が芽生える事の素晴らしさを感じ、
そして、何かを始めようとした時に背中を押してくれる仲間の偉大さを感じていたこともあり、
同い年の仲間が集まる「きゅ~まる」という団体を設立しました。
僕と同じ90年4月から91年3月の間に生まれた学年の人だけが集まって行うもので、
120万人いる同い年が力を合わせれば、「できない事なんて何一つとしてない!」それを証明していこうと考えたのです。
ありのままの姿を見せる
そして、2015年の元旦に、神奈川県の元住吉駅付近に念願の飲食店をオープンすることができました。
「binwan(敏腕)」と名付けたそのお店は、大好きな5人の仲間と一緒に2年間準備して、やっと開業できたんです。
オープン3時間前に最後のミーティングをしました。
「ついにこの日が来たね」と誰かが言うと、今まで沢山準備してきた事を一気に思いだし、
まだオープン前なのに号泣でしたね。
そうやって始めたお店は、初めてのことばかりで大変です。
色々なことを想定したけど、想像以上に色々なことが起こるので、日々試行錯誤の繰り返しです。
でも、最高に幸せなんです。
好きな仲間と好きな事を好きなだけできる環境。本当に最高です。
また、binwanの経営理念は「REAL あるがまま」と掲げていて、ありのままの僕たちを感じてもらうことで、
来ていただけるお客様が「ありのままの自分でいいんだ」ということを感じてもらえる、そんなお店にしていきます。
僕は自分勝手で気分屋でお調子者です。
苦手だなぁと思う方もいると思います。
それでも僕が必要だと言って下さる方もいらっしゃいます。
苦手だと言う人を振り向かせるつもりはありません。
そこに力を使うのであれば、僕は周りにいてくれる大切な友達、仲間に時間も労力も存分に使いたいんです。
「binwan」も「きゅ~まる」もどちらも僕にとっては最高の仲間と夢を語り合える場所です。
そうやって大人が輝いている姿を見せていくことが、子どもが夢を持つきっかけになると信じています。
泣いても笑っても一度きりの人生だということを最近特に意識しています。
今、「夢はなんですか?」と聞かれたら真っ先に、
「好きな人と、好きなことを、好きなだけやる」と答えます。
人は自分らしくいる瞬間が一番輝く瞬間であり、
binwanそしてきゅ~まるの仲間達とこれからの日本を良くするために、
まずは僕自身が誰よりも自分らしく輝いていきます。
2015.02.04
駒ヶ峯 誉
こまがみね ほまれ|飲食店経営
神奈川県の元住吉駅付近にあるパスタ&鉄板バル「binwan」の創業メンバーであり取締役を務める。
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