ものごとの概念を変えるサービスを創りたい。
人との出会いで劇的に変わった僕の人生。
「昔から何も考えてなく、とにかく楽しいことに飛びついていました」と語りながらも、将来は何かの概念を変えるようなサービスを創りたいと、壮大なビジョンを掲げる神田さん。ある方との出会いで大きく変わったという人生のストーリーについてお伺いしました。
神田 智広
かんだ ともひろ|起業支援・勉強会主宰・アプリ開発のお手伝い
大阪産業創造館にてスタートアップコーディネーターとして支援をしながら、
ITisKANSAの代表、Jungle合同会社の代表を務める。
また未来共有アプリ「SevenDays」にも携わる。
TisKASNSAI
SevenDays
いつか社長に
私は大阪で生まれ育ちました。小さい頃から、父や親戚に経営者が多く、自分もいつか社長になるんだと、漠然と思っていました。
とは言え、毎日が楽しければそれで良いと思っていて、小学生の時の夢は「大きい家に住むこと」なんて言ってましたね。大学受験でも2浪し、卒業にも半年留年するなど、ふらふらしていました。
社会人になってからも、社長には「いつかなる」と思っていて、そのために努力をしたりすることはあまりなかったですね。大学が土木系の学部だったので最初は設計会社に入り、毎日バーで飲み歩く日々でした。
その後、土方をやってみたり、バーで働いてみて深夜に人は働くものではないと感じたり、印刷会社で飛び込み営業をして、自分は飛び込み営業が好きでないと学んだり、その時楽しいと思うままに過ごしていました。
そんな時、中学高校時代の同級生が東京でITベンチャーを創業していて、ちょうど人を募集しているとのことで、面接を受けてみることにしたんです。そして、東京で面接を受け雇ってもらうことができ、そのITベンチャーで働き始めることにしました。
大阪を盛り上げる
そのITベンチャーで働くのは楽しかったですね。経営理念が好きだったし、10人位の規模から、100人位の規模まで急成長する時期だったので、非常に勉強になりました。
そんな風に5年ほど働き、そろそろ独立に関して動いていこうかと思うようになり、独立するならなんとなく飲食店かと思っていたので、飲食系のベンチャー企業に転職することにしたんです。
そこで働いている時期に、友人と3人で飲み屋で話していて、関西が東京に比べていまいち盛り上がりに欠けることへの問題意識で、話が盛り上がったんです。人口比率に対して勉強会は少ないし、人もお金も技術もあるのにもったいないと思っていたんですよね。特にIT業界は東京集中で、そんな現状はおかしいと思い「ITisKANSAI(イッツ関西)」と言う勉強会をやることに決め、その場で日程を抑えたんです。なんかワクワクしちゃったんですよね、3人とも東京にいるにもかかわらず。(笑)
そして知り合いの著名な若手IT起業家の人に連絡して、講師として出てくれないかとお願いしました。すると、快く出てくれると言ってくれ、その時の条件が「絶対に続けること」だったんです。そして、第1回のITisKANSAIを開催したところ、60人程の人が集まってくれて、大阪にも興味を持ってくれる人はたくさんいることがよく分かり、この活動を続けていくことにしたんです。
これは私にとって、初めて何かに踏み出した挑戦でした。
初めて落ち込む
その後も飲食ベンチャーで働きながら、将来の独立に関しては考えていて、周りからも早く独立したらと背中を押してもらっていたのですが、中々踏み出せないでいました。
そんな時、働いていた会社の女性社長に、「独立したいんだよね?」と聞かれ、いつかはしたいと話したら、「じゃあ辞める日を決めよっか」と言われたんです。最初は冗談かと思ったのですが、本気ということが分かり、引き継ぎなどの期間を踏まえて3ヶ月後に辞めることがその場で決まりました。
次にすることは何も決まってなかったし、子どももいたし不安はありましたが、「神ちゃんなら大丈夫だから」と言ってもらえ、なんとかなるかとも思えましたね。
そして、ITisKANSAIの代表が東京にいるのも説得力がないということもあり、大阪に移動して、コワーキングスペースを作るために法人を立ち上げ、無事独立することができました。
その後少しして、「超交流会」と言う京都大学の情報学OBの主宰するイベントに誘ってもらい、そこで有名ITベンチャー企業の創業者である、高須賀宣さんと知り合いになりました。打ち上げもご一緒させてもらい、「いつでもオフィスに遊びに来てよ」と言われたのを鵜呑みにして、後日、東京のオフィスに行き、事業の相談等をさせてもらったんです。
その時、事業計画を見せてもらったり、高須賀さんの考えている世界観を深く聞かせてもらって、非常に楽しかったのですが、それと同時に、人として勝てない、見ている世界が違いすぎると、圧倒的な敗北感を感じたんです。その後2ヶ月位は人生で初めて落ち込み、軽く鬱のようになりました。
しかし、この出会いによって私も考え方が大きく変わったし、何よりも話しているとワクワクしてきて、その後も高須賀さんは私のメンターとして、色々と相談もさせてもらうようになりました。
チャレンジするきっかけ
そんな出会いもあり、独立してからも楽しく過ごせています。
今は大きく3つのことに取り組んでいて、1つ目は大阪の産業支援施設で、スタートアップの支援担当者として仕事をしています。これは、市から認定を受けている仕事で、産業支援施設内で、これから創業したい人や創業間もない人のための相談を受けたり、セミナーを開催したりしています。また、創業間もない方々に向けたコワーキングスペース的サービスの提供もしています。
2つ目は、ITisKANSAIです。最初に開催してから2年ほど立ちますが、この場は何かをチャレンジするきっかけにしてもらえれば良いと思っています。
勉強会の後には必ず交流会をセットにしていて、私もそうですが、何かに踏み出している人もそんなに変わらない人で、ある種普通の人なんだと言うことを伝えたいんです。そうすることで、気軽に何かに踏み出せる人が増えれば良いと思っていて、その一つの選択肢としては起業もありかと考えています。
3つ目は、高須賀さんの作っている「SevenDays」というアプリをお手伝いしています。このサービスの将来の構想としては、人の頭のなかにあるアイディアを写真を使って共有することで、それぞれの人の興味だけで繋がるコミュニティをつくりたいと考えています。
少し哲学的な話ですが、人は「今」というものを捉えられていないとも言われているので、「未来」をイメージして共有するのは非常にハードルが高いものだし、
また、写真は元々は過去のできごとを記録するもので、その概念を変えて、写真を自分の未来、頭のなかを具現化するものに変えなければならず、非常にチャレンジングでやりがいがありますね。
ものごとの概念を変えるサービスを
今はこの3つの活動に力を入れているので、自分自身がプレイヤーの一面も、支援者の一面もどちらもありますが、将来的にはプレイヤーとして時間を多く割けるようにしたいと考えています。
しばらくは高須賀さんの描いている世界観をSevenDaysで一緒に目指していきたいですが、いつかは自分自身、何かの概念を変え、人の心を豊かにするようなサービスを創りたいと思っています。
彼と出会ってから、良い意味でサービスに対して見る目が変わり、昔だったらかっこいいと思っていたものも、今はよほど大きく人の生き方を変えるものでないと、心が踊らなくなりましたね。だからこそ、自分自身そういうサービスを創り、世の中から認めてもらいたいですね。
そして、いつかは高須賀さんを超えたいと思っています。
また、ITisKANSAIは「絶対に続ける」という約束があるので、これからもしっかりと続けていきます。
昔は「いつかやる」と思っていて中々踏み出す事ができなかった私ですが、ITisKANSAIや独立など、踏み出してみれば意外となんとかなるものでした。これかれも何をやっても大抵生きていくことはできると思っているので、躊躇せずに、ワクワクすることに対して、どんどん前に踏み出していきたいと思います。
2014.09.18
神田 智広
かんだ ともひろ|起業支援・勉強会主宰・アプリ開発のお手伝い
大阪産業創造館にてスタートアップコーディネーターとして支援をしながら、
ITisKANSAの代表、Jungle合同会社の代表を務める。
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TisKASNSAI
SevenDays
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