京都を盛り上げ、沸騰させたい!
29歳で初めて就職した僕の実現したいこと。

京都で監査法人に勤めながら兼務でベンチャー企業支援のお仕事をしている岩崎さん。29歳の時に初めて本格的に就職して、そこからやりたいことを見つけた背景には、どんなストーリーがあったのか、お話を伺いました。

岩崎 良亮

いわさき りょうすけ|会計士・起業家の育成
監査法人で会計士をする傍ら、社内のベンチャー支援組織でも京都の支援を担当する。

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逃げ道としての資格勉強


私は京都で生まれ育ちました。

小さい頃から運動が好きだったので、陸上や野球をしていました。
特に走ることが好きで、生活のバロメーターになっていました。

大学受験の時は、外国語を学べる国公立大学に行きたかったのですか落ちてしまい、
唯一受かった私立大学の経済学部に進学することに決めました。
大学時代も野球は続けていて、
授業も真面目に出席していたものの、打ち込むことのないありきたりな学生でしたね。

大学3年生になり、就職活動の時期になったのですが、僕は就職活動をしませんでした。

親が着物関係の自営業をして、自由に生活を組み立てている姿を見て育ってきたので、
毎日決められた時間に会社に通わなければならない会社員は合わないと思ったんです。
とは言っても特にやりたいこともありませんでした。

ただ、実家に税理士さんが良く家に来ていて、
話を聞かせてもらい、税理士の仕事に以前より少し興味を持っていました。

税理士さんには、家業の色々なアドバイスをもらっていたんですが、
これは自分もできるようになった方が良いと思い、
就職もしたくなかったことも合わさり、税理士を目指すことにしました。

その後、大学卒業後は実家の経理仕事を少し手伝っていたのですが、
この時会計士という職業を知りました。

中小企業を支援する税理士と比べて、会計士は上場企業を中心に関わるので、
そっちの方が社会を変えるような大きい仕事ができると思い、会計士を目指すことに決めました。

暗黒の20代後半


資格の勉強を始めてからは、家の手伝いはせず勉強に集中していました。

と言っても、だんだんサボリ癖が出てきてしまって、
ジムに行ったり、マラソンをしたりしてだらだら勉強していました。

会計士の資格は、一気に集中して勉強しないと受からないものなのですが、
私は短期集中というよりも、長期間かけてコツコツと物事に取り組むタイプだったので、
相性が悪かったのかもしれません。

自分のペースとしては必死に勉強してたし、わりと楽しい生活を続けていたのですが、
20代後半になって来ると、一緒に勉強を始めた仲間が会計士試験に合格したり
大学時代の同級生から仕事で頑張っている話を聞いたりしているうちに、

「自分は一体何をしているんだろう?」

と焦りを感じるようになりました。
親の目もさすがに厳しくなってきましたしね。

これはそろそろ本腰を入れないとまずいと思い、親に今年合格しなかったら諦めると宣言して、
それからは好きだった運動も控えて必死に勉強をしました。

その結果、ようやく29歳の時に会計士の資格を取ることができました。

就職活動では関西で就職したいと思っていたので、大手から中小まで幅広い規模の監査法人を受けましたが、
会計士の採用は厳しくて、働き口は見つかりませんでした。

そんな時に、たまたま新聞で大手監査法人が東京で会計士を募集していることを知って、
応募してみたところ合格することができ、晴れて社会人になりました。

東京で働く


働き始めても、元々会計士になることが目的になっていたので、
特にやりたいことはなくて、あまり充実した日々を過ごせていませんでした。

ただ、京都を出て東京に住んだことで、初めて外から客観的に京都を見る機会を得て、
東京は世界中から色んな価値観を持った人が集まっていて尖った人同士が共に成長しあっていく環境なのに、
京都は地域柄、外の人やものをあまり受け入れない風潮があり、閉鎖的だと気づきました。

思い返し見ていると、小さな頃から引っ越してきた人に対して、
どこかみんな冷たい態度をとっていることもあったんですよね。

また、下火とはいえITバブルで盛り上がっている東京と比べて、
京都は経済も元気がないと感じました。
会計士として上場準備をしている時に、東京は新規上場企業がたくさん出ているのに、
京都企業の上場の話は聞かなかったので、なおさらそう感じたんです。

初めて客観的に見ることで、京都を盛り上げるための何かがしたいと思うようになりました。

ベンチャーサポート


東京では2年働いた後、転勤で京都に戻って来ました。
そして京都にある企業の監査をやるようになりましたが、内側から見ても京都は元気がないことを改めて実感しましたね。

ただ、京都の企業を元気にするようなことをしたいと思うものの、
現実、監査法人の仕事ではやりたいことはできていませんでした。

そんな時にちょうど、ベンチャー企業のサポートをするための社内ベンチャーが立ち上がることを聞きました。
これなら京都を産業面から活性化させることができると思い、
2年ほど前から会計士としての仕事を続けながら、
それに追加という形で、私もベンチャー支援を手伝うことにしました。

この話が無かったら、自分で何かをやるため会社を辞めていたと思います。

ベンチャー企業の支援の中でも、私は学生や一般企業に勤める人が、
起業する際に、明確なビジョンを持つためのサポート活動に力を入れています。
大小様々な企業にお会いする中で、やはり組織を強くし、
事業を伸ばしていくにはビジョンが明確でなければならないと感じたんです。

また、大企業とベンチャー企業のアライアンス提携のための支援も行っています。

始めた頃は、ベンチャー企業の文化なんて全く知らなかったので、とにかく動きました。
動くと失敗もたくさんしましたが、学ぶものは大きかったですね。

京都と世界をつなぐ


今後は、京都を活性化させるため、ベンチャー企業の支援だけでなく、
様々なことをやっていきたいと考えています。

まず、京都の人口を増やす必要があると考えていて、
企業誘致や観光客を増やすこともそうですが、最終的には住む人を増やしたいと思っています。

京都の名は、海外から見たら東京に負けないくらいのブランド力を持っているはずなので、
それをもっと活用することで、企業も観光客も増やせると考えています。
本社は京都となれば、かっこいいですからね。

ただ、住む場所として考えた時、インフラ面や文化面ではまだ整っていない部分も多いので、
行政などとも連携して何かができればと思います。

また、京都は新しいものを生み出していく土壌があるので、
直接海外と繋がり、日本の各都市とのハブにしていきたいとも思っています。
京都のベンチャー企業はまず東京を見て、その先に世界を見ているのですが、
そうではなく京都から直接世界を見れたら良いと思いますね。
盛り上がってきた京都から、様々な才能を持つ人が沸騰するように海外に出て行ってくれたらと思います。

こうやって京都をどうやって盛り上げていくか色々なことを考えていますが、
まずは自分自身、しっかりと実績を重ねて力をつけていきたいと思います。
今は会社の名前があるから仕事ができている部分も大きいので、
個人の名前で仕事ができるよう、「岩崎ブランド」を確立させていければと思います。

私は30代になるまで、ビジョンを持てませんでしたが、
それでも今は見つけることができ、毎日ワクワクしています。
ビジョンを見つけるのは何歳でも遅いことはないと思っているので、
やりたいことがある今は、実現のためにひたすら動いていくだけですね。
こつこつ続けていくのは得意なので、諦めませんよ。

2014.09.15

岩崎 良亮

いわさき りょうすけ|会計士・起業家の育成
監査法人で会計士をする傍ら、社内のベンチャー支援組織でも京都の支援を担当する。

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