アイディアが形になる「瞬間」マニア!
プログラミングと心理学を知っている僕の視点。
「あえて決めきらないで、感覚に従っていきたい」と、独特のスタイルで仕事も生活もされる一方、プログラミングなどのかっちりとした仕事も得意な大橋さん。そのバランス感覚を持つようになるまでには、どんな経験があったのか、お話を伺いました。
大橋 弘宜
おおはし ひろのり|アイディアを形にするお手伝い
シゴトクリエイター。
アイディアを形にするため、プログラミング、企画、ロゴ作成など多岐にわたる支援を行う。
また、NPO団体「寄付型自販機推進機構」の代表も務める。
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アイディアノート
ラクロゴ
寄付型自販機推進機構
プログラミングと人が好き
小さい頃からゲームが好きで、よく兄と対戦をしていました。
小学校4年生の頃に、コンピューター部に入り、
初めてパソコンに触れてからは、どんどんのめり込んでいきました。
パソコンのゲームはTVゲームと比較するとクオリティは高くないのですが、
少し変数をいじるだけで、難易度や設定が変わるのが面白かったんですよね。
それがきっかけでプログラミングを始めるようになっていきました。
一方、5年生から担任になった先生がいわゆる熱血教師で、
毎日ノートにその日の出来事や、気持ちを書くような宿題が課されるようになったんです。
他の子が嫌がる中、自分の気持ちを表現するのが楽しくて、
毎日ノートにその日感じたことを書いていましたね。
中高では相変わらずパソコンが好きで、
プログラミングやインターネット上でのチャットにハマっていました。
プログラミングで自分が考えたものが想定通りに動いたり、
インターネットを通じて様々な人と友だちになって話したりするのが好きだったんですよね。
そんな感じだったので、学校では寝ていることが多く、
部活のテニスにもあまり身が入っていませんでしたね。
大学受験でも失敗して、浪人することにしました。
浪人中は講師の若い頃の話、大学生活の話を聞くことや、
小論文で自分の考え方を表現することが楽しかったですね。
そうやって人の考え方というものに興味を持っていたので、大学は心理学を学べる学科に進学しました。
好きなことで働いてみる
大学では、心理学の中でも社会心理学を学ぶことにしました。
デモとか、個人ではなく集団が集まると発生する現象に興味があったんです、
ただ、心理学を勉強する人は個人の臨床心理学に興味を持つ人が多いので、
あまり趣味の合う友達は多くなかったですね。
また、在学中に、九州から北海道まで自転車で旅をしたことがありました。
ある時、国道は理論上は日本中つながっているんだから、
辿って行ったらどこまでも行けるんじゃないかと思ったんですよね。
ちょうど九州と北海道に友だちがいたので、普通に行っても面白くないけど、
自転車で会いに行ったら面白いと思ったんです。
ただ、本当に行くとすると、1ヶ月位かかり野宿も必要になるので、
まずは東海3県を友達と自転車で回って、野宿の練習をしましたね(笑)
性格的に、分からないことは少しずつ試していく傾向なんですよね。
それで行ける感覚を持ち、実際に1ヶ月の旅を敢行しました。
そんな自由な大学生活を送りながら、
だんだん社会起業家やフリーランスとして働く人たちと知り合うようになり、
その生き方に惹かれていきました。
そういった出会いを重ねるうちに、自分のできることを仕事にするという生き方のほうが、
会社に入って働くよりも面白そうだと思う一方で、
また自分には実力が伴ってなさそうなので、
3年位は会社で働かなければとも感じる様になっていったんです。
そこで、好きなことであるプログラミングを仕事にしたらどうなるのかと思い、
IT系の開発を行う会社に新卒で入社することにしました。
違和感を大事に
会社では製薬会社のシステムを受託開発しており、
色々と業界のことや仕事のことなど、新しいことを知ることができて面白かったです。
しかし、1年もしてくると、「言われたことを正しくやる」という繰り返しに、
飽きてきちゃったんですよね。
自分の意見を反映できる訳でもなく、新規事業の部署に移動を希望しても受け入れてもらえず、
仕事を自分でコントロールしている感じがしなかったんですよね。
キャリアステップも見えてきてしまい、
この会社という船を降りて自分の船を漕ぎ出さなければ、と思ったんです。
ただ、上司や周りの人には恵まれていて、学びも多かったし、
ここで働いたことで社会で通用するということは実感できましたね。
そのため、すぐに辞めることはなく仕事を続けていました。
その後、そんな状態で3年位働いたのですが、やっぱり友達を誘って独立することにしたんです。
よく会社を辞めたいと考えてはいたものの、
お金や仕事など、手放したらどうなるかと考えてしまい、中々踏み出せないでいたのですが、
現状維持の方向に動いても、結局次の日も同じことを考えてしまい、
なんでチャレンジしないのか、どんどん違和感を感じるようになったんです。
特に事業プランがあるわけでもなく、お金や人脈があるわけでもなかったのですが、
一度きりの人生、その違和感を大事にしたいと思い、独立を決意したんです。
決めきらない仕事
その後、立ち上げたスズハシ合同会社では、やりたいことを形にしたい人が実現できるために、
プログラミングやビジネスプランの企画を手伝ったり、ロゴを作ったり、
色々な支援をしてきました。
対面だけでなく、WEB上でスキルを使って仕事を受注できるサービスなども使うことで、間口を広げていきました。
今まで、プログラミングのような左脳的な思考と、心理学といった右脳的思考どちらも学んできたので、
アイディアを持っている人に対して、その人と違う視点で意見を言うことができるんですよね。
今は、これまでの5年間の活動を振り返り、これからの方向を考えている時期ですね。
この仕事を続けてきて、自分がワクワクする瞬間は、
アイディアが形になる瞬間だということがわかってきました。
アイディアと言っても大それたものでなく、日常に浮かぶちょっとしたもので良いんです。
例えば、家でお酒を飲むときに栓抜きがなくて困ることがあるじゃないですか。
もちろん買いに行けば済む話だと思うんですが、
実は、紙を何十回も折っていくと栓抜きにできるんですけど、こういう感覚とかアイディアを大事にしたいんですよ。
色々な分野に手を出してはいますが、
浮かんだものを実現するために、自分ができることでアウトプットしていけば良いので、
やることにはこだわらないんですよね。
器用貧乏というよりも、フランス語で言う「ブリコラージュ」という感じで、
自分のスキルやできることを寄せ集めて、目的のために形にしていければ良いんです。
仕事の仕方も「ハイブリッド」がテーマになっていて、
社会貢献とお金、どちらにも偏らないようにバランスをとっています。
なんというか、「お金のための仕事」ってなっちゃうと、
途端に失われるものが大きい感覚があって。
お金以外にも得られる大事なもの、例えば人のつながりなんかも大事にしていきたいですよね。
また、支援をしていると、自分でやりたいという感情が出てくることもありますが、
今後どうしていくかはまだわからないですね。
決めきることで失われるものもあるので、
あえて決めないで、その時の感性に従っていくということも大事なんじゃないかと。
今後も、違和感を感じず、自然な状態で仕事をしていける状態をもっと作っていきたいですね。
2014.09.09
大橋 弘宜
おおはし ひろのり|アイディアを形にするお手伝い
シゴトクリエイター。
アイディアを形にするため、プログラミング、企画、ロゴ作成など多岐にわたる支援を行う。
また、NPO団体「寄付型自販機推進機構」の代表も務める。
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アイディアノート
ラクロゴ
寄付型自販機推進機構
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