個人が世界を変える時代への伝説。
一部上場企業の次はスタートアップシーンへ。

「社会問題って、本質的には目の前の誰かが抱えている問題だと思うんですよ」と、優しくも力強いまなざしで語るチカイケさん。 そのように考えるようになったキッカケや、今後目指している世界観に関してお話を伺いました。

チカイケ 秀夫

ちかいけ ひでお|パーソナルベンチャーキャピタリスト
Pesonal Venture Capital代表
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空気を読む次男


私は男3人兄弟の次男として、千葉県で生まれました。兄と弟に挟まれる立場だったため、あまり自分の意見を主張するタイプではなく、どちらかと言えば流されやすい方でした。将来に関しても、何か夢があったわけではなく、周囲に言われるまま公務員にでもなるのかなと考えていました。

そんな風に将来のイメージがなかったので、「大学に行く意味」に納得感を持てなかったこともあり、大学受験で失敗しました。親が「大学は出たほうが良い」と言うので浪人しましたが、そんな感じだったので、正直あまり勉強には身が入りませんでしたね。

そんな状況の中、父親が独立して会社を立ち上げ、仕事を手伝ってほしいと言われたので、大学受験を止めて父の起こした工場向けの機械を作る会社で働くことにしました。父の手助けをする嬉しさもあり、大学を目指すよりもしっくりきましたね。

また、今までは家庭での父の姿しか知らなかったのですが、業界の中でも信頼を得ている仕事での姿を知ることで、父の偉大さを感じることもできました。会社を立ち上げるという時期は大変で忙しいこともありましたが、楽しく働く日々でした。

表現していきたい


父の会社では3年ほど働き、少し落ち着いてきたタイミングで次の挑戦をすることに決めました。今まで、あまり自分の意思で主体的に物事を決めてきたわけではなかったので、今度は心からやりたいと思うことに取り組もうと思い、デザインの専門学校に進むことにしたんです。

別に絵が得意だったわけではないのですが、「表現をして創りだす」ということがしたいと思ったんですよね。これも、3兄弟の真ん中で自分の意見を表してこなかった反動だったのかもしれません。

専門学校では主にWEBデザインに関して学びました。あまり授業の思い出はないのですが、年の少し離れた友人と楽しく過ごしましたね。

また、知り合いを通じてナイトクラブのフライヤー作りをするようになり、それがキッカケで、クラブのVJ(ビジュアルジョッキー)として、映像表現にはまっていくようになりました。クラブでは個性を出し目立たなければならないので、どうやって表現するかを考えることが楽しかったんですよね。

そんな専門学校生活を過ごし、そのままインターンをしていたWEBデザインの会社に就職し、WEB制作のためデザインやプロジェクト管理の仕事をするようになりました。

仕事と趣味の融合


その後、何度か転職をしながら、いくつかの中小規模の会社で働いていたのですが、ある時勤めている会社が潰れてしまうことがありました。

社長の掲げる方針通りに仕事をしていたのですが、それでも潰れちゃったんですよね。この時、言われたことをやるだけじゃダメなんだと痛感しました。自ら考え、時には社長とケンカしてでも積極的に新しいことを提案していかなくてはならないと教訓を得られたんです。

また、WEB制作という属人的なビジネスの仕組みの中で働くことに限界を感じ、仕組みを作る側になるため独立を考えるようになっていきました。しかし、中小規模の会社でしか働いたことがなかったので、起業する前に大きな会社の仕組みを知りたいと思い、東証一部上場企業のグループ会社で働くことにしました。

そこでも最初はデザイン系の仕事でサービスの立ち上げに関わっていたのですが、子会社の統廃合や異動もある中で、徐々にバックエンド業務をメインで担当するようになったんです。そこでは業務管理、業務改善の徹底的に学べましたが、ベンチャー立ち上げから離れてより大きな組織のマネジメントを学ぶために、自ら改善の提案をするチャンスである全社公募のプロジェクトに積極的に手を上げて参加希望を出しましたね。

その中で、全グループ横断の社員食堂を作る企画に参加することになりました。元々、合併や買収によって大きくなった会社で様々な文化を持つ子会社が沢山あったのですが、それぞれの交流はあまりありませんでした。そのため、ただ食堂を作るだけでなく、イベントなどを通じて交流が生まれる文化まで含めて色々なことをしました。

その中の1つで食堂にDJブースを作ったのですが、これは良かったですね。普段は「仕事とプライベートは別」と割り切っている人が、「会社で趣味のDJと関われる」ようになったんです。

それまで自分自身が感じていたことでもあるのですが、仕事とプライベートをあえて分けずに、同じ空間で自分のやりたいことどちらも実現できる方が、個人の満足度も仕事のパフォーマンスも上がるんですよね。仕事と趣味の融合が相乗効果を生むんです。

それからは、社員個人が趣味にしていることを会社でも実現できるように、グループ会社横断で部活動を作る企画にも力を入れるようになりました。

時にはグループの会長とMTGする機会もあり、数千人をまとめるリーダーの決断力や考え方は本当に勉強になりましたね。

個人の問題は社会の問題


会社で働いていく一方、プライベートではVJとしてクラブに通い続けていたのですが、そこで難聴を持つプロダンサーと出会いました。

その友人は補聴器を見られることを嫌がっていました。「自分には障がいがある」とネガティブな印象を持っていたんですよね。

それならば、ダンサーの持つオシャレな感性を活かし、「補聴器にデザイン性を持たせてファッションの一部としたら良いのではないか?」と思い、「デコ補聴器」プロジェクトを立ち上げおしゃれにデコレーションした補聴器を作りました。

すると、その友人は補聴器をつけることに対して前向きになっていきましたし、なんと補聴器業界や、障がい分野、ビジネスコンテストで社会的な価値があると高評価を得ることができたんです。

この時、「目の前の個人」が感じている本質的な問題に取り組むことは、結局「社会の問題」の解決に繋がるということを学びました。また、個人が持っている力を誰かのために使うことが、社会に大きなインパクトを与える可能性があるんだと実感を持つことができました。

この経験もあり、また会社でも様々な学びの機会を頂くことができたので、そろそろタイミングだと思い、先月会社を退職して独立することに決めました。

個人の価値が最大化される社会


現在は「個人は社会のために、社会は個人のために」というスローガンを掲げ、パーソナル・ベンチャーキャピタル市場を作るため奮闘しています。

例えば、クラウドファンディングだと「プロジェクト」に資金が集まる仕組みですが、パーソナル・ベンチャーキャピタル市場では、「個人」に資金が集まる仕組みを作りたいと考えています。

純粋に、何かに打ち込んでいる人を見ているのが好きという思いもありますが、個人が解決したいことや実現したいことは、結果として社会にとっても必要なものである可能性が高いので、個人にお金が集まり何かを実現していくことは、結果的に社会が良くなることだと思っています。

また、自分自身はアイディアをビジュアルイメージに落としこむことが得意なので、Startup Weekly Moringという、朝の2時間でアイディアをビジュアル化していく朝活を始めました。

将来はエンジェル投資家になりアイディアを形にするだけなく、資金面でも支援をすることで、個人のやりたいことで起業する人を増やしたいと思っています。その投資資金を作るためにまずは3年で時価総額100億円を超える会社を作っていこうと考えており、今は自分自身、ひたすら事業アイディアを考えビジュアル化するということを繰り返しています。

こうやっていつか、未来永劫人々の間で語り継がれる「伝説」を作っていきたいですね。

2014.07.09

チカイケ 秀夫

ちかいけ ひでお|パーソナルベンチャーキャピタリスト
Pesonal Venture Capital代表
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