2年ほど働いたある時、友人から一緒に働かないかと誘われ、カーナビやカーオーディオの販売を行う会社に転職することに決めました。ディーラーの仕事よりも時間が取れて条件も良かったので迷うことはありませんでした。

すると、新しい職場で、カーナビの全国トップセールスを誇る方と一緒に働かせてもらう機会がありました。数ヶ月しか一緒に働いていないものの、他の方とは違うものを感じ、仕事もできるその先輩を私はとても尊敬していました。

そして、ある時、その先輩から大学進学を薦められたんです。元々、その先輩も高卒で働いていたものの、将来への危機感から半年必死に勉強して大学に進学したとのことでした。元々、大学は賢い人が行くものだと思っていたのが、半年努力すればよいという話は新鮮でした。正直、最初は現実味が無いと思い興味を持てなかったのですが、毎日その先輩から薦められるうちに、もしかしたら自分でもできるかもしれないと思うようになったんです。大学に行ってどうなるかは分からないけれど、このまま仕事を続けた自分よりも、大学に行った自分の方が大きな可能性を感じたんですよね。

そこで、23歳のタイミングで会社を辞めて予備校に通い始めました。高校では全く勉強をしていなかったこともあり、本気で勉強をするのは中学ぶり。現代文だけなんとか偏差値が40あり、あとは全て30すらないという所からスタートしました。

そんな状況だったこともあり、受験勉強は苦しさしかなかったですね。同期は社会人になる中、自分は車も手放して18・19歳と一緒に勉強をして、「俺なにしてんねん」という言葉が常に頭を回っていました。それでも、ここまでやって落ちたらカッコ悪いという思いもあり、必死に勉強を続けました。大学進学を薦めてもらった先輩が通っていた関西大学を目指し、逃げ出そうとする自分を机に向かわせる毎日を過ごしました。

そして1年間勉強をした結果、なんとか後期受験で合格することができたんです。前期試験で不合格になった際は、半分以上心が折れており、もうこれ以上凹みたくないから後期を受けるのは止めようかと思いました。ただでさえ倍率が上がるため、受かる気がしなかったんです。しかし、応援してくれた人に申し訳ないという思いから受験をし、敗者復活で合格したような状況だったので、特別嬉しかったですね。