自ら学び考え挑戦する人を増やしたい。 コーチングアプリで人も社会も成長する循環を。

【アトワジャパン株式会社提供】新卒で物流マンとしてのキャリアをスタートさせた江田さん。その後、複数の会社でのマネジメント経験を通して、人の成長をサポートすることに人生のやりがいを見出すようになります。今、江田さんが新たにチャレンジしている、人の成長を循環させるためのユニークな仕組みづくりとは?これまでの歩みとともに伺いました。

江田 泰高

えだ やすたか|アトワジャパン株式会社取締役
幼少期から高校までアメリカで過ごす。慶應義塾大学経済学部卒業。新卒で大手物流会社に入社し倉庫運営などの実務を経験後、外資系コンサルティングファームに移り幅広いプロジェクトに従事。その後、大手IT企業で新規事業立ち上げや複数の外資系メーカーで部門長を歴任。自身の経験を活かし、経営コンサルティングや有料人材紹介などを行うアトワジャパン株式会社を設立。2021年8月、 ビジネス層向けチャット型コーチングアプリ”『cradle(クレドル)』の事前登録を開始。
ベータ版参加者募集中!>>https://cradle-app.net/
プレスリリースはこちら>>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000078851.html

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父に提案されたユニークなアルバイト


新潟市で生まれました。弟2人と妹、両親の6人家族です。父は大手物流会社に勤めていて、転勤族でした。生まれてすぐに東京に移り、4歳からはアメリカのアトランタに家族で移り住みました。


11歳からは、ニューヨークに移住。わが家はお小遣い制度がなかったので、小学校高学年になると自分で使えるお金が欲しくて、何かアルバイトをしたいと父に話しました。すると父は、テープレコーダーとカセットテープ1本を渡してこう言いました。「何か好きな日本語の本を音読してテープに録音したら、それを10ドルで買ってあげるよ」と。そして、最初に稼いだ10ドルを元手に次のカセットテープを買って、別の本の音読を録音すれば、またそれに10ドル払おうと言ってくれたんです。

海外で生活していても、日本語を勉強させたいという思いもあったのでしょう。ですがそれだけでなく、仕事が忙しくて一緒にいられる時間が少ない分、息子が読んだ本を通して、何かコミュニケーションを取りたいという気持ちもあったと思います。その日から私は、どういう本を、どんな風に読んだら父が喜ぶか、一生懸命考えながら録音をしました。

人生で初めてお金を稼ぐことで、たくさんの気づきがありました。「カセットテープはまとめて買うと安いけれど、単品だと高いんだな~」とか、「20ドルでまとめてたくさんカセットテープを買うと安いけれど、今度は自分のお菓子を買うお金がなくなるな」とか。どうコストをやりくりしながらお金を増やすのか、商売人としての感覚を学べました。

現地の中学校に上がると、たまたま売店の顧問の先生に気に入られ、校内の売店の店長をすることになりました。バイト代がもらえるわけではないのですが、手伝うとお菓子を安くしてもらえるんです(笑)。それで、仕入れや金庫番なども担当していました。

「今このチョコレートがめちゃくちゃ売れているから、多く仕入れておこう」とか、顧問の先生と相談しながらやってみると、結構売れたんです。自分で考えて商売をするのって、面白いなと思いました。

日本人にもアメリカ人にもなれない


中学校生活を送るうちに、次第に自分のアイデンティティについて意識するようになりました。現地の学校では、唯一の日本人としてある意味目立ってました。一方で日本に帰ると、彼は帰国子女だからとやっぱり特別視されるんです。日本人にもアメリカ人にもなりきれない自分に少しずつ違和感や疎外感を感じるようになったんです。

その結果、日本人としてのアイデンティティをもっと強く持ちたい、いずれ日本に戻りたい。そんな気持ちが芽生えていました。

そんなとき、ニューヨークに慶應義塾の高等部があると知り、受験をして進学することに。そこから寮生活になりました。初めて会うルームメイトと一緒に生活しながら、お金の管理も含めて身の回りのことをすべて自分で決める必要があったので、自立的な視点が身についたと思います。

その後、推薦で慶應義塾大学の経済学部へ進学。日本に戻って大学生活を始めました。もともとビジネスに興味があったので経済学部を選んだのですが、実際に授業に出てみるとあまり面白いと感じませんでした。

経済学部のクラスメートの多くは、銀行や証券会社などを目指して就職活動をしていました。でも私の場合は、実際に目に見える“物の流れ”に携わることの方に興味がわいたんです。それで将来は、父と同じように物流マンになりたいと思いました。

それからは大学に通いながら、運輸会社で契約社員として働かせてもらうことに。社会人になると現場の仕事をあまり経験できないかもしれないと思い、荷物の仕分けや配達業務などを担当。汗をかいて働きました。

憧れだった物流マンに


就職活動は、物流会社を中心に採用試験を受けて、ご縁のあった大手物流会社に入社。倉庫の運営や輸出入の業務などを担当し、海外に1年間駐在させてもらうなど、さまざまな経験をさせてもらいました。

あるとき、取引先メーカーの物流部に出向する機会があったんです。そこで、部品の調達から消費者の手に届くまでの一連の流れを、初めて深く理解することができました。特にメーカーの場合、需要予測や販売予測に基づいて物流を考える必要があることも、大きな発見でした。これまで自分の所属する物流会社の中で見ていたものは、物流のほんの一部分でしかないことに気づいたんです。会社の外に出て、もっと視野を広げたいと思うようになりました。

そこで立ち止まって将来のキャリアを考えたとき、物流会社の仕事だけでは業務範囲が限られてしまう気がしたんです。いずれはメーカーに移って物流の部門長になってみたい、と思いました。でもその前に、さまざまな会社の物流の仕組みづくりや戦略に携わるコンサルティングの仕事をすれば、一気に視野を広げられるのではとも考えました。

そこで入社してから5年が経った頃、外資系のコンサルティング会社に転職しました。担当する会社や業界によってビジネスの課題や手法が全く違ったので、どんどん新しい視点を得られてやりがいを感じました。その後、ECサービスを手がける大手IT企業に転職。新規事業の立ち上げなどを担当しました。さまざまな環境で仕事をしたことで、物流の枠を超えて、会社全体の商流についての理解も深まり、ビジネスの視野が広がりました。

気づきから成長をサポートする喜び


29歳のときに、ご縁があって外資系メーカーに物流部長として転職しました。これまで多くの先輩方からたくさんの気づきを与えてもらった分、今度は自分がメンバーの成長をサポートすることを強く意識するようになっていました。

新しい職場は、叩き上げで長く働いている人がほとんどでした。そのため、どうしてもこれまでの会社のやり方が当たり前になってしまい、考え方の多様性も生まれにくくなっていました。仕事は面白くないものだと割り切っている人も、現場にはたくさんいたんです。

でも本来、仕事は人生においてものすごく大きなポジションを占めるものですし、楽しくなくちゃもったいない。1年前と比較して、何も変化がないのは残念なことだと思いました。どんなルーティンの仕事であっても、もっと改善できるチャンスはたくさんあるはず。捉え方次第だと感じたんです。

ほんの少しでもメンバーが新しい視点に気づき、変化できる機会を作りたい。そう思い、まず直下の部下たちと取り組んだのが“想定問答1000本ノック”でした。例えば「こんな問題が起きたとしたら、あなたならどうする?」というお題を毎日出して、部下が考えたことを一日の終わりに話してもらう。そこですぐに答えを与えずに、「ここの視点が抜けているんじゃない?もう一度考えて、また明日教えてね」というやりとりを繰り返していたんです。そうすることで、私が持っている考えや視点を共有し、参考になる部分は取り入れてもらい、自分で考えるきっかけ作りができたらと思っていました。

すると次第に「こんな風にやろうと思うのですが、どうですか?」「ここはやっておきました」と、部下から進んで言ってくれるようになったんです。それぞれが自分で考えてアクションを起こす姿を目の当たりにして、成長した部下の姿がとても誇らしく、頼もしく感じました。

そんな地道なコミュニケーションを重ねていた時期に、現場で出てきたのが、返品在庫の問題でした。返品在庫は、検品やタグ交換などの処理をしなければ再販できません。しかし、現場のメンバーは商品をお客さまに届けるという目の前の業務で手一杯でした。その結果、未処理の返品在庫が溜まってしまっていたんです。

通常業務と並行して、別のことをやろうとするのは、すごくエネルギーがかかります。それでも、こちらがあれこれ指示するだけでは、チームメンバーの考える力が身につかない。そう考えて、現場にいるメンバーそれぞれに解決策を考えてもらうことにしました。すると、「こんな方法があるんじゃないか」「こうすればできるんじゃないか」といくつも提案が出てきたんです。そうやってみんなで考えながら進めたことで、目の前の仕事をこなしながらも返品在庫の問題を解消することができました。

最初は私の投げかけに対して、「難しい」という反応を示すメンバーもいました。それでもやっぱり人から言われたことではなくて、自分で考えて動くことによって得られるものは、本当にその人自身の血肉になっていく。正解を教えることは簡単ですが、自分で考える訓練を重ねることに価値があると実感しました。

次の世代にバトンを引き継ぐこと


その会社でマネジメントの仕事に向き合う中で、父が定年を迎えました。ちょうど電話をしていたときに、父が「定年まで一生懸命に会社で働いてきたけれど、果たして社会に何を残せたんだろう?」と言ったんです。

そのときパッと私の口から、自然に言葉が出てきました。


「お父さんがプロフェッショナルとして働く姿を見てきたからこそ、私も物流の仕事に興味を持って、この仕事をすることにした。今はこうしてメンバーを指導する立場になって、今度は部下たちが成果を出してくれるようになった。つまり、お父さんのバトンは、私に引き継がれて、私はそれを次の世代に引き継ぐことができている。だから、お父さんの仕事に対する考え方や思い、プロフェッショナルリズムは、確実に世の中に受け継がれているよ」と。

そのとき父がどう感じたのかはわかりませんが、電話を切った後に思ったんです。今の自分がしたいことは、これまでの仕事を通して得た経験や気づきを、次の世代に引き継いでいくことなのだと。それが人生の目標だということを、そのときに感じました。

そして、その思いを実現できる仕事は何だろうと、改めて考え始めました。20代の頃に目標としていたメーカーでの物流部門の部長も経験でき、物流のプロフェッショナルとして今後のキャリアもある程度見えてきたところでした。このまま同じ環境に居続けるのも、メーカーを転々として似たような仕事をするのも、違うなと。これまではあくまで物流の仕事を主軸に部下を育成してきましたが、もっと踏み込んで、直接人の成長に対してインパクトを与えたいと思ったんです。そのために、自分で会社を作ってみようと考えました。在職中から少しずつ準備を始め、2019年に仲間と起業しました。

個人から社会全体の成長循環を広げる


今は、アトワジャパン株式会社で取締役を務めています。テーマは“人の成長”。主なサービスの柱は、経営コンサルティングと人材事業です。例えば経営コンサルティングの仕事では、単に戦略を作って終わりではなく、私自身が抜けた後も継続的に成長できるように、人材育成に重きを置いています。

人材事業は特に転職支援がメイン。人生の節目に立つ方々の新しい可能性を模索し、何らかの気づきやヒントを与えて成長につなげられるよう、マネジメントの経験を活かしながらメンターとして伴走しています。

今は新たなアプリ「cradle(クレドル)」の企画・開発を進めています。私を含めて社員数に限りがある中で、より多くの人をサポートして、その人々の成長を社会に還元する仕組みを作る必要があると考えたからです。

cradleは、さまざまな分野で活躍するプロがコーチとなって作ったプログラムを受講することで、ユーザーが自ら学べる “セルフコーチングアプリ” です。単にプロが持つ知見や経験をインプットするだけでなく、そこからユーザーが考え、気づきを得るきっかけ作りが目的です。

コーチは、大企業の社長経験者から、現役のコンサルタント、スポーツインストラクター、英会話の講師まで様々。それぞれのコーチが作ったプログラムを、チャット形式で体験できます。

例えば、ベンチャー企業の社長がコーチなら、「将来立ち上げたいビジネスは何ですか?」「それをしたときに、あなたはどんな気持ちになりますか?」「それを実現させるために、いつから何ができますか?」。そんな投げかけにユーザーがチャットで答えていくことで、将来のビジョンに対する思考をどんどん具体化していきます。

こうしたやりとりの中で、コーチのスキルだけでなく人間性も含めて体感してもらうことで、本当に自分に合うコーチやメンターを見つけてもらえたら嬉しいです。このアプリ自体はあくまで入り口として無料で気軽に使ってもらい、相性の良いコーチが見つかれば、その方が個人的に主催する講座やセミナーを別途受けるなど、次の成長機会につなげてもらえたらと考えています。

私自身、マネジメント時代から感じていたのは、日本は海外と比べて同じ会社に長く勤める人が多く、社内の新陳代謝が生まれにくいということでした。それによって、どうしても視点が固定化され、新しいアイデアや変革に対して消極的になってしまう場面も。だからこそ「会社に育ててもらおう」という受け身の姿勢ではなく、働く人それぞれが主体的に学んで視野を広げていく意識が大切だと考えています。

アプリを通して、新たな視点を獲得し、それをもとに自分で考えながらアウトプットすることで、自走できるきっかけを作りたいです。英語では「self driven」ともいいますが、自分自身で物事を考えて意思決定し、行動する。その力を多くの人が身に付けることで、どんどん新しいことに挑戦する人が増えていくのではと思います。そして、そんな個人が増えることで、結果として産業が活性化し、日本全体が成長する循環を作ることができると考えています。

今後も、自分が得た経験や気づきを、若い世代に引き継いでいきたいという思いは変わりません。そうした意味ではこのアプリも、ユーザーが新たな視点を獲得する場であると同時に、コーチ自身の気づきを次世代に伝えていくための一つのプラットフォームだと考えています。これからもそうした場を提供していきたいですね。

そして、いずれ個人だけでなく、企業や産業の成長をサポートするいろいろなプラットフォーム作りができたら嬉しいです。それによって、社会全体の成長サイクルを加速させる。そうすれば国際社会における日本の競争力はもっと上がりますし、世の中がめちゃくちゃ面白くなるんじゃないかと、わくわくしています。

※この記事は、アトワジャパン株式会社の提供でお送りしました。

2021.08.02

インタビュー | 粟村 千愛ライティング | 野下わかな
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