そんな大学生活を過ごしていたあるとき、中学からTVで見ていたSASUKEで、同じ大学の後輩の長崎 峻侑が、ファイナルステージに進出しているのをTVで見たんです。それを見て、すごく身近にいる人がこんな活躍をして、いいなって思ったんです。

「俺も輝きたいな」と思ったんですよ。

そんな思いで応募を決め、21歳で初めて、大会に出場することが決まりました。ただ、選考を通過したことで、調子に乗ってしまった自分がいたんですよね。自分は体育会で、人が遊んでいるときも練習をしている、それに選考にも通った、そんな気持ちが油断になり、結局SASUKEの前日は飲み明かしてしまいました。

案の定、1stステージで、しかも得意なはずのトランポリンで落ちたんです。その時は、今まで生きてきた中で一番泣きました。悔しいし、後悔もしたし、今まで何やってきたんだろうって。収録が終わって家に帰り、悔しい気持ちをボイスレコーダーに残したんです。

「このままじゃ終われない、一生後悔する」と。

そんな思いでトレーニングを続け、やっと出場機会をつかんだのは、大学卒業直前の3月、就職すべきか否か悩むまっただ中の時期でした。

満を持した挑戦は、緊張こそしたものの、一つ一つのエリアを楽しむことができたんです。気づけばゴールのボタンを押している、そんな感覚でした。終わってみれば3rdステージにまで進むことができ、「これ完全制覇もいけんじゃねぇか」と感じたんです。

そんな手応えがあったこともあり、卒業後も就職はせず、SASUKEでトップを目指すことに決めました。若いときにしかできないことをしなかったら、後悔するんじゃないかという気持ちがあったんですよね。自分の目標が、体操からSASUKEに変わりました。