私は日本で生まれ、1歳からニューヨークで過ごしました。通っていた現地校は、大統領選挙など世間の注目が集まることが起きると、小学生ながらディベートも始まるような環境でした。そのため、自分の意見を主張することを怖がらない性格に育っていきました。

父は「社会のために」と一生懸命仕事をする人で、母は募金活動を行ったり、家でドキュメンタリー番組をよく見るような人でした。そんな両親のもと、私は自分がやりたいと思ったことは何でもさせてもらい、塾、日本語学校、英会話、水泳、油絵、バイオリン、バレエなど、習い事をたくさんしていました。周りに影響され、すぐに自分でもやりたくなってしまうんです。

そして、10歳の時に日本に帰国して、公立の学校に通い始めました。ところが、それまでとは違い、自分の意見を主張すると浮いてしまう日本の環境に、戸惑いを隠せませんでした。アメリカにいた時は、「日本人だ」という感覚を強く持っていましたが、帰国してからは、「日本人っぽくないのかもしれない」と感じてしまったんです。

また、アメリカ同時多発テロが起きた時、父の職場の近くだったこともあって私は強い危機感を覚えていました。ところが、周りの友達はあまり興味がなさそうで、社会に対する問題意識がアメリカとは全然違うと感じてしまったんです。

その環境に違和感を持ってしまったので、中学受験をして、帰国子女が多い私立の中高一貫校に行くことにしました。ところが、実際にその環境に入ってみると、小学校卒業時まで海外にいた周りの友人とは英語力に差があり、劣等感を感じてしまったんです。日本人でもなければ外国人でもないと悩むようになり、英語の勉強からも目を背けるようになってしまいました。