北海道釧路市で生まれました。幼稚園から仙台に、小学校1年生からは東京に引越しました。

父親は銀行員で、お金に余裕がありました。小さい頃から本を無尽蔵に買い与えてくれたんです。その中でも特にSFの本が好きでした。夢があって未来にワクワクしましたね。

中学校では写真部に入りました。思春期ということもあり、自分の背が高いのが嫌いだったり、ニキビが嫌だったり、見た目に対するコンプレックスの塊でしたね。小さい頃に比べて人見知りになっていきました。

高校からは綺麗な新設校に進んだこともあり、環境が大きく変わりました。自然科学部に入って、野原に行って虫を取ったり、星を見たり。課内でフランス語クラブにも入りました。言葉に関心があったんです。知らない言葉で言い合っているのにぞくぞくする。SFに通じる、知らないものに対しての興味ですね。

2年生からは、親が仕事で横浜に引っ越すことになったので学生寮に入りました。多感な時期に一人暮らしをして、先輩がたくさんできて、文庫本を一日一冊は読んで、いろんなものに触れました。自由な生活でしたね。

SF好きの延長から、将来は化学者になろうと考えていました。小学生の頃から実験装置を買ってもらって家で食塩水を煮詰めたりしていたんです。何かを作るのに関心があって、化学しかないなって。

ところが、受験の1ヶ月前、あるハードSF作家に出会ってしまって。何冊読んだかわからないくらいハマりました。最悪ですよ、おかげで浪人が決まりました(笑)。

浪人と同時に横浜に帰ることになりました。横浜には友達がいないから、それがすごく孤独で辛かったですね。大学は都内しか行きたくなかったのに、全然受からなくて。得意なものに絞りこんだかなりマイペースな勉強法だったので、最終的に、2浪しても、家の近くの滑り止めにしか受かりませんでした。

大学に入ってからは比較的真面目に過ごしましたね。長期休みにはアルバイトをして、普段はキリスト教の英語サークルに参加。語学が楽しくて、サークルのリーダーもやりました。外国人、異文化に対する敷居がなくなりました。

あとは、ちょうど大学生の頃にパソコンが出てきたんです。「新しいこと、人と違うことができるな」と思って興味を持ちました。まだパソコン通信のない時代でしたが、持ち出して何かすることが好きだったんですよね。

大学で専攻していた化学もおもしろかったです。SFの影響で白衣を着た怪しい研究者に憧れていたので、初めての実験の時、大学構内を白衣をたなびかせて歩いた時に「かっこいいなオレ」って思いましたね。でも、卒業研究は上手くいかなかった。ものって単純に作れるものじゃない、教科書どおりにはいかないなって実験をやって思いました。