高校からは環境がガラッとかわりました。強豪校で、優勝以外意味がないって雰囲気があって、監督が怖くて、いつも怒られながらヘロヘロになるまで練習をしていました。正直、何回もやめたいって思いましたね。

ある時、怪我をして実家に帰ると、父親から「もうやめていいよ」と言われました。その時に初めて「あ、やめちゃダメだ」って思ったんですよね。前の私だったらやめられたけど、推薦で来ているし、周りの人に支えられて送り出してもらってる。もう自分一人のバドミントンじゃないなって。

ホームシックになったり、体育館に爆弾落ちないかなって思ったり、プレッシャーが大きかったですね。純粋に楽しむ感覚はなくなりました。あまり自分に自信が持てなくて、「お前はセンスがある」と言われても、その期待に答えられない自分が嫌で、そう言って欲しくなくて。身長が高いことに評価をされても、自分の努力の結果じゃないからすごく悔しく感じて。色々なことに葛藤してましたね。

厳しい環境だった分、そこで勝利を得られた時は嬉しかったですね。高校2年生からはジュニアの日本代表として海外で試合もするようになって、選手として一皮剥けた気がします。

そんな中、高3の時にヘルニアを患い1ヶ月以上練習ができなくなりました。最初は軽い怪我かと思ってたんですが、毎日学校から病院に行って、強い注射をしても全然治らない。あまりに治りが遅いし激痛が続くし、このまま選手には戻れないかもしれないと感じました。

不思議と、絶望はなくて、あっけらかんとしてました。むしろ、バドミントンを続けられなかったら、実家に帰って大学に行きながら保育士の資格を取ろうと考えていて。それができなければ地元の企業に就職しようって。

結果的に、無事怪我を直すことができ、3年のインターハイにも出場することができました。さらに、そんな状況にもかかわらず、ある電機メーカーから実業団チームに誘ってもらえたんです。もともと練習に参加させてもらっていたチームで、怪我で成績が伸びない中でも声をかけてもらったことに驚きましたね。実家に帰ることも考えたんですが、最終的にはお世話になったチームに入りたいと思い、電機メーカーへの就職を決めました。