ただ、アルファベットの「L」以降は言えない程度の学力しかなく、進学できそうな大学はありませんでした。すると、英語の先生が、英検3級を持っていれば小論文と課題図書を読むだけの試験で進学できる、東京の大学を見つけてくれたんです。そこで、特進クラスの先生たちに助言をもらいながら勉強していき、英検と大学に合格することができました。

入学してからは、まわりの人に「どんな事業で起業するの?」と聞いて回っていました。経営学部の人だから、みんな起業を目指していると思っていたんです。ところが、すぐにそうではないと分かりました。起業を見据えて大学に来ている人は、あまりいなかったんです。

そして、僕も勉強そっちのけで遊ぶようになりました。野球以外してこなかった反動もありましたね。また、「起業するのは、すごく優秀な人とか、特別な人だけなんだ」と、言い訳して、自分を正当化していたんです。

ところが、大学3年生の時にリーマンショックが起こると、父の事業が傾いてしまいました。そして、「大学を中退して働くか、自分で学費を稼ぐかのどちらかにしろ」と言われてしまったんです。僕の中で、大学を辞める選択肢はありませんでした。大学以外の友達はあまりいなかったので、大学が全てだったんです。また、高卒だと、仕事や出会いはないだろうと不安を感じていました。

そこで、学費を稼ぐために、休学して、光インターネットの回線営業をすることにしました。ただ、一般家庭に飛び込み営業しても、いきなり売れるわけありません。警察や管理人を呼ばれて追い出されることもあり、社会の厳しさを知りましたね。「将来は楽して稼ぎたい」と考えることもありました。

ただ、他の仕事では学費を賄えるほど稼げるとは思えなかったので、どんなに辛くても辞めるわけにはいきませんでした。そして、1年も続けると、多少売れるようにはなりました。しかし、営業の仕事はもうやりたくないと思いましたね。