私は山形県酒田市で生まれました。実家では祖父母が本屋を営んでいたので、小さな頃から本に囲まれていました。本を読むのが大好きで、将来は本に関わる仕事がしたいと考えていました。ただ、いきなり作家になるのは難しいと考えていたので、35歳までに自分の本を出版すると決め、大学卒業後は大手の出版社に就職しました。

しかし、そこは法律関係書類を中心とした出版社。仕事内容は、官報などを読み、法律や条例の改正点を調べて修正していくこと。正直、全く面白みを感じられなかったんです。一緒に働く人は好きだったものの、さすがにやりたかったこととは大きくずれていたので、2年ほどで会社を辞めることにしました。

その後、タウン誌を発行する出版社に就職しました。5人ほどの会社で、小さいながらも雑誌を作る全ての工程を経験できました。企画から、取材、執筆、レイアウト、版下作り、広告販売、書店への営業まで、本当に全てに関わりました。

入社した年は、ちょうど創刊15周年を迎えた年。記念イベントや特集企画も行い、土日返上で鬼のように働きました。それでも、これからどんどん大きくしていこうと勢いもあって、楽しかったですね。

ところが、10ヶ月ほど働いたタイミングで、協賛企業の業績悪化に伴い、会社が倒産することになりました。突然の出来事に驚きましたが、私にはどうすることもできません。そこで、すぐに「次だ」と気持ちを切り替えて、企業が発行する︎PR誌を制作する会社に入りました。