それからは、営業の成績は順調でした。すぐに支社で表彰もされ、支社史上最高の売上を達成したり、全社でも表彰されたりと、様々な成果を上げることができたんです。

しかし、10年以上会社で働き続けると、短い期間で辞めてしまう人もたくさん見てきました。結果が出ずに、自信を失って悪循環に入って辞めてしまう。もちろん営業ですから、成果が出せなくて辞めて行くのは仕方ないことかもしれませんが、彼らの成長のためにできることがもっとあったんじゃないかと。

できる限りのアドバイスをしてはいるものの、日中はみんな外に出払い会社に帰ってくるのは深夜なので、そこまでのフォローはできませんでした。現場ではなく、育てる側のポジションに異動する話をもらうこともありましたが、会社の目指す人材成長の方向性と、自分が目指す教育の方向性には合わない部分もありました。

ただ、私自身、結果が出なくて苦労していた時期が長かったので、辞めていく人を見るのは辛かったし、痛いほど気持ちが伝わってきたんです。

最初から売れたわけではない自分だからこそ、伝えられることがあるんじゃないか。人を育てることが、私の天職なのではないか、そんなことを考えるようになりました。

そして、2013年、12年働いたプルデンシャル生命を辞め、営業マンを育てるための会社を興すことに決めたんです。

初めてのことなので、うまくいくか不安はありました。しかし、自分の中に芽生えた志、天職を全うするためには挑戦するしかなかったんです。