デザイナー、クリエイター就職の負をなくす!僕がダメ社員から事業責任者となり目指すもの。

ポートフォリオを軸にクリエイターやデザイナーの就職マッチングサービス「ViViViT(ビビビット)」を展開する小宮さん。「働いたら負け」と思っていた小宮さんが就職し、新規事業を立ち上げるほど仕事にのめり込んでいくまでには、どんな背景があったのか、お話を伺いました。

小宮 大地

こみや だいち|デザイナー、クリエイター向け採用プラットフォーム運営
ポートフォリオを軸にクリエイターやデザイナーの就職マッチングサービス「ViViViT(ビビビット)」を運営する、
株式会社ビビビットの代表取締役を務める。

ViViViT(ビビビット)
株式会社ビビビット
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逃げるように辞める


幼少期は、祖父母からも可愛がってもらったこともあり、
さみしがりやで、誰かに必要とされていたいと考えるような性格でした。

幼稚園の頃にサッカーを始め、将来はプロサッカー選手になりたいと思い、 小学校中学校とサッカーばかりしていましたね。
そして中学卒業後、Jリーグユースの支部組織に入ったのですが、すぐに辞めてしまいました。
支部組織でありながら、他のメンバーのレベルの高さを痛感し、プロになるのは無理だと思ってしまったんです。

後ろめたい気持ちがありつつも、逃げるように辞めてしまい、その後は高校のサッカー部に入り直しました。
プロは無理かもしれないけど、うまくなりたい気持ちはあったんです。

そして高校3年で引退するまでは部長を務めるほどサッカーに熱中していたので、勉強は全くしていませんでした。
もともと受験勉強のために高校時代の貴重な時間を使うのはもったいないと思っていたので、浪人しても良いと思っていたんです。

案の定、現役の大学受験では全て落ちました。
そして、浪人時代は勉強に打ち込みどんどん成績を上げていき、最終的には早稲田大学に合格することができました。

個人を見てくれる会社


大学時代は特に打ち込むことはなく、麻雀などのギャンブルをしながら、
たまに地元の友だちとフットサルをするような生活を送っていました。
ギャンブルは勝ち負けがはっきりするのが好きで、
勝つための戦略を考えつつ、最後は直感も効いてくる感じが好きだったんです。

そんな生活だったので授業にはあまり出ていなく、将来も就職したら負けだと思っている、 典型的なダメ大学生でした。

とは言え3年になると周りと同じように就職活動を始めるようになり、
なんとなく名前を知っていて安定している大手企業に入りたいと思っていました。
そして大手の面接練習のために、早く選考が始まるベンチャー企業を受けたほうが良いと聞いていたので、
いくつかのベンチャー企業の選考を受けるようになったんです。

そこで出会ったのが、セプテーニグループでした。
セプテーニは他の会社とは違って、自分個人をしっかりと見てくれている感じがして、こんな良い会社はないと思いましたね。
また、大きい組織の中の一部でいるよりも小さくても自分の会社でトップになりたいという気持ちから起業にも興味があったので、
社内起業を推奨している点にも惹かれ、入社を決めました。

会社の顔である


入社当初は営業を希望していたのですが、人事部の新卒採用チームに配属されることになりました。
営業で成果を出して会社に貢献したかったのに、人事部への配属だったので、貢献できている感覚は薄かったです。

最初のうちは細かい事務作業も多く、先輩の指示に従って動いているだけで、仕事が楽しいと思えないでいました。
そんな感覚で働いていたせいか、ある時自分の担当業務で大きなミスを連続でしてしまったんです。
その結果、学生や他の採用メンバーにとても迷惑をかけてしまいました。

これを機に、自分の仕事の責任の重さを実感するようになり、仕事に対して当事者意識を持つようになりました。
すると、それまであまり面白いと感じていなかった採用の仕事が面白くなってきたんです。
人事は学生を採用することが仕事ですが、会社の顔でもあり、関わった人が入社してくれなかったとしても、
その後もセプテーニグループを好きでいてもらえるかに関わる大切な仕事だと分かってきたんです。

また、人事主導で企業価値を上げられる組織にしたいと上司が話している姿を見て、
人を採用することは長期的には一番会社に貢献できる仕事ではないかと思うようになりました。

圧倒的な差


2年目の夏に、社内の新規事業コンテストに参加しました。
普段業務をする中で、新卒採用のあり方を変えたいと思っていて、
1000人会った中から10人を採用する非効率なやり方ではなく、
10人に会い10人採用するという採用を実現したいと思ったからです。

コンテストでは、予選を通過し、合宿形式で行われる決勝に進みました。
合宿ではセプテーニグループの役員がメンターについて、ビジネスプランのブラッシュアップを図るのですが、
私たちのチームには、社内ベンチャーとして会社立上げ経験があり、
経営企画部門で様々な事業にも関わっている役員がメンターにつきました。

その人からのアドバイスをもとに事業プランをどんどん変更していき、プレゼンした結果、コンテストで優勝することができたのです。
この時、メンターの役員と自分に圧倒的な差を感じてしまったんです。
同時に、この人を追い越すためには、多くの修羅場を経験しなければならないと思いました。
そのためには自分で事業をやるしか道がないと思い、新規事業開発部門への異動を決めました。
管理部門からの異動は、会社の中でも初めてのことでした。

美大生就活の負を無くす


そうして始めたのが、今の事業の「ViViViT(ビビビット)」です。

最初は企業から学生にスカウトできるようなサービスとして始めたのですが、あまり使われませんでした。
一方で、「ポートフォリオ」という自分の作品やアウトプットを登録する機能が美大生に使われ始めたんです。
その傾向を探る中で、美大生の就活は、非常に難しいという実態が見えてきました。

美大生の場合、ポートフォリオと呼ばれる作品集を作り、企業に送って実力や感性を評価してもらうことが多いのですが、
そのポートフォリオを作るのには結構なお金もかかるし、一度提出したら戻ってこないのがほとんどなんです。

また、企業側も美大卒というだけで作品を見ないで採用するにはリスクが大きく、
私たちのポートフォリオ機能は、まさに双方のニーズを満たせるものになっていたのです。

そこで事業の方向性をデザイナーやクリエイター等の美大生向けの就職マッチングサービスとして特化して運営を行い、
2013年10月に法人化しました。

セプテーニグループの会社といえども、メンバーは全員外部から採用していて、2014年度からは新卒採用も始めました。
人を雇うことに責任は感じますが、自分を信じてついてきてくれるメンバーを幸せにしたいので、絶対に成功させたいです。

将来は、デザイナーやクリエイター就職の課題をもっと広く解決したいと思っています。
正直、美術系の学校を出たからと言って、美術系の仕事に就くとは限りません。

ただ、美術系の学生はすごく勉強しているし、大学の課題提出において何度も試行錯誤を繰り返すという経験をしており、
それをビジネスの世界でも活かして活躍できる力を持っているので、
美術系学生が美術職以外の職種で就職するサポートもできればと思っています。

そして、デザイナーやクリエイター志望の学生や採用に関わる会社として、
単なる人材サービスを超えて、デザイナー・クリエイターの夢を叶える場としてサービスを広げていきたいと思います。

いつかはそこで関わった人たちと一緒に映画でも作れたら最高ですね。

2015.02.07

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