会社を有名にして、恩返しがしたい。「なんとなく」入社した僕が、今できること。
主にエンジニア派遣事業などを行う株式会社VSNで、若手ながら社内の管理職として次世代の育成に取り組まれている武内さん。 とにかく単位を取ることに必死な大学生活を過ごし、目標も持たずなんとなく現在の会社に入社したそうです。そんな会社に、現在のように恩返しをしたいと思うまでにはどのような背景があったのでしょうか、お話を伺いました。
武内 雄太
たけうち ゆうた|エンジニア派遣会社勤務
IT・情報システム分野などにおけるエンジニア派遣事業を行う株式会社VSNで、
10年間のエンジニア経験を活かし次世代の育成に取り組んでいる。
株式会社VSN
野球やラグビーの練習に明け暮れていたが・・・
僕は東京の練馬区で生まれ、埼玉の戸田市で育ち、
幼い頃からスポーツが好きで、小学校から高校まで部活などの活動にとても力を入れていました。
小学校2年生の時に野球好きの親に勧められ、クラブチームに入りました。
しかし、平日に加えて1週間の中で学校が唯一休みである日曜日にも練習があったため、
当初は練習に行くのが本当に嫌だったんです。
ただ、休日に友達に会うことができ、みんなで一緒に1つのことに取り組むことがとても楽しかったため、
徐々に野球自体も好きになっていきました。
雨の日も関係なく毎日練習があり辛いこともありましたが、仲間と一緒だからこそ、
中学卒業まで続けることができたと思っています。
そして、高校に入学すると今度はラグビー部に入部することにしました。
最初は野球を続けようと思っていて、野球部の見学に行こうとしていた時、
たまたまラグビー部の練習しているグランドの前を通りかかったんです。
そこで体験させてもらうことになったのですが、実際にやってみるととても楽しかったんですね。
また、センスがあると先輩に言われ、野球よりも活躍できるかもしれないと感じ、
ラグビー部への入部を決めました。
ところが、センスがあるかもしれないと期待されて入部した割に、
試合で結果を出すことができなかったんです。
先輩からもレギュラーを取れるのではないかと期待してもらっていたので、
とても辛かったですね。
そして高校3年生の初めには、部活を辞めてしまいました。
なかなか結果を出せないことに加えて、小学校から野球やラグビーの練習ばかりの毎日を送ってきていたので、
純粋に遊びたいと思ってしまったんです。
その後は帰宅部になりもっと学生生活をエンジョイできると思っていましたが、
すぐに大学受験の時期が迫り、今度は勉強に追われるようになりました。
僕はいつからか漠然と、将来はちゃんとした大学に入り、
外に出て様々な人と関わりながら、バリバリと働くサラリーマンになりたいと思っていたんですね。
そこで一般的で、どんな企業にも通用しそうな経済学部の経済学科に入学することに決めました。
留年により、今までの自分を振り返る
大学に入学すると、部活や勉強から解放されたことで、完全に遊びが中心の生活になっていきました。
1年生の最初からほとんど授業には行かず、1年間で24単位しか取ることができませんでした。
しかし、授業に行かなかった割には意外にも単位が取れたと調子に乗ってしまい、
大学2年生になっても同じ生活を続けてしまったんです。
毎日クラブに入り浸り、それ以外の時間は遊ぶお金を貯めるために、
とび職やパチンコ屋などの様々なアルバイトをして過ごしていました。
すると大学3年生になる時に単位が足りず、留年が決まってしまったんです。
その時初めて今まで過ごしてきた時間を振り返ると、何も頑張っていない自分がとても格好悪いと感じてしまいました。
さらにちょうどその頃に、最愛の祖父が脳梗塞で亡くなるなど、嫌なことが様々に重なり、
ますます気持ちが落ち込んでいたんです。
そこで、このままではまずいと感じ、心を入れ替えようと決心しました。
それからはまず、ほとんど出席していなかった授業に全て出るようになりました。
加えて、自分に自信を持つためにも自立しなければと、1人暮らしを始め、
アルバイトにも今まで以上に励み、学費や生活費などもできる限り自分で払うようになったんです。
その後も学校中心の生活を続けていき、
そのまま就職活動もせず、大学4年生の12月を迎えました。
単位の取得に必死になりながらも、さすがに何もしないままではまずいと思い、
まず1社だけでも見てみようと、情報サイトでたまたま見つけた、
エンジニア派遣事業を行う株式会社VSNの説明会に応募することにしたんです。
ところが、説明会当日は道に迷って1時間以上も遅刻し、
会社の説明は15分程しか聞くことができませんでした。
さらに、その日は選考会も兼ねていることをその場で知り、
何もわからないまま面接に臨むことになったんです。
その時、会社のことを何も知らない僕みたいな人を面接してくれることがとても不思議で、
何故なのか聞いてみることにしました。
すると、「いつどこに優秀な人材がいるかはわからないから、いつでも誰でも面接をするんだ」と言われ、
そんな会社もあるのかと、とても驚きました。
そして面接の結果には自信がなかったものの、年明けには内定をもらうことができ、
他に選考に進んでいる会社がなかったので、この会社に入社することにしたんです。
「バリバリ働くサラリーマン」に、ここでなれるのか?
入社すると、エンジニアが所属するIT事業部に配属され、
自分もエンジニアになるべく、研修を開始しました。
全く踏み入れたことの無い領域の勉強でしたが理解していくことが楽しくて、前向きに学ぶ事ができました。
そしてすぐに大手通信会社に配属されました。
もともと特にやりたいことも、目標もなく入社したのですが、
こんな自分をせっかく採用してくれたからには頑張って働こうと思っていました。
そして通信回線保守や運用、運用設計など様々な業務を行い、
2社目では暫く異動がなく4年以上同じ業務をしていたんです。
ところがその企業との契約が終了する時に、ふと会社を辞めることを考え始めました。
本来、様々な企業の現場に行くことでいろいろな人と関わり、
スキルを身につけられることがこの仕事のメリットであると感じていたんですよね。
それにもかかわらず、自分は同じ現場に居続けていたため、
このままでは、高校生の頃からずっとイメージしてきた「バリバリ働くサラリーマン」になれないのではないかと思ってしまったんです。
そんなことを考えながら1か月間会社で待機をしていた時、
たまたま営業部から案件の紹介がありました。
それは主にマネージメントを行う、スーパーバイザー候補者を募集している案件だったんです。
以前の現場では、なかなか他のメンバーを上手くまとめることができずに苦労した経験があったので、
リベンジしたい気持ちが湧いてきました。
何よりも、大して会社の事も知らなかったし、吸収しきっていないという想いが待機の期間で強くなっていたんです。
そして今の会社に留まり、新しい現場に行くことに決めました。
新しい現場で、マネージメントに再チャレンジ
新しい現場はコールセンターで、立場もマネージメントをする側に変わり、
今までとは持つべき視点が変わっていきました。
以前のように、現場の自分の仕事だけを考えるのではなく、
現場の他のメンバーのことを1番に考えていく必要があったんです。
新しい現場から、様々なことを新たに学び、
上司であるマネージャーや現場のメンバーに恵まれたこともあって、
また充実感を持って働くことができるようになっていきました。
すると仕事に対する真面目さや、処理能力の高さ、お客様との折衝、
そして女性メンバーが多い現場の中でも皆を公平に評価できることが信頼を集めて、
2年目からはマネージャーを任されることになりました。
マネージャーの仕事は、それまでのスーパーバイザーよりも大変なことばかりで、
持つべき視点がさらに増え、お客様の会社のこと、さらには自社のことまで考えなければならなくなりました。
ただそのように様々な視点を得ながら、日々必死に働いていく中で、
最初の現場では上手くいかなかったマネージメントができるようになっていき、
自分の中で自信がついていきました。
そして10年目の32歳の時には、上位のユニットリーダーに昇格し、
さらには自社の中期経営計画のビジョンを実現するための13人にも、
若手ながら抜擢されたんです。
この時、結果を出す重圧を感じながらも、次の成長ができるチャンスを会社から与えてもらい、
自分が期待されていることを実感できたため、少しだけ認めてもらえた気がしました。
そして、自分の中での「バリバリ働くサラリーマン」像に近づいた感覚があったんです。
次世代を育て、会社を有名にする
そして11年目の現在では、中期経営計画の一貫で学んだコンサルティングやエンジニアとしての経験を活かし、
現場に身を置かず、社内の管理職の立場から次世代を育成するようになりました。
ただ、育成とは言っても自分は現場におらず、具体的な技術については実際に教えることが難しい環境なんです。
そこで会社が求める管理職を遂行する中で、更に自分の力を最大限に発揮できることは何かを考えました。
それが、会社のビジョンの1つを達成する為の育成です。
つまりお客様の業績を阻害しているものを解決するための問題解決能力、
「考え方」を伝えていくことです。
育成は難しいですが、とても働きがいを感じています。
またこれまでのエンジニアとしての10年間と違い、対お客様の仕事ではないため、
このタイミングで自分の中での仕事に対する目標設定を改めて行ったんです。
そこで考えたのが、「会社を有名にする」ということでした。
目標もなく、なんとなく入社した自分に様々な成長のチャンスを与え、育ててくれた会社、
そして周りの方々全てに、今とても感謝しているんですね。
そのため、今まで自分が学ばせてもらったことを活かしながら、次世代の育成に励み、
会社にさらに貢献することで恩返しをしていきたいんです。
ただ、この会社でなければ活躍できないというのはだめだと考えています。
だから、組織に対して貢献しようとする自分の強みを生かしながら、
今の仕事を通じて更に自分が成長していき、
どんな組織においても引っ張りだこの「人財」になりたいと思っています。
2015.01.16