ビジネスパーソンにチャレンジの土壌を。走り続けてたどり着いた、社会構造への挑戦。

ビジネスパーソンが、仕事を辞めずに、成長企業の経営に参画できるサービスを運営する秋山さん。サービスに込めた思いとして「もっと世の中にチャレンジを成し遂げる環境を作りたい」と話す背景には、ご自身の過去の経験に加え、日本社会へのある課題意識がありました。

秋山 貫太

あきやま かんた|ビジネスパーソン向け成長企業参画サービス運営
株式会社リクルートキャリアにて、
ビジネスパーソンが、仕事を辞めずに、成長企業の経営に参画できるサービス『サンカク』を運営する。

サンカク

目標に対して突っ走る学生時代


神奈川県に生まれ育ち、両親が教師という家庭環境だったこともあり、
小中学校からよく勉強をし、中学では学年トップをとっていました。

ただ、やらされている感覚があったこともあり、
地元の進学校の高校に入学してからは、すぐに、

「与えられて何かするということはつまらないな」

と感じてしまったんです。
自分の中で、強い目的があって勉強していた訳でないことに気づいたんですよね。

それ以来、何がしたいのかわからないのに勉強をしているのが嫌だと感じ、
授業に出なくなり、気付けば学年400人中397位という成績を推移するようになりました。

その分高校では陸上の長距離に打ち込んでいたのですが、
引退してからは勉強も陸上もなくなってしまい、「自分には何も目標がない」という状況になってしまったんです。
ちなみに高3の春の模試の偏差値は35という調子でした。

そんな折、陸上部の先輩から話を聞いて、多様な人に巡り会えるという早稲田大学に憧れを抱くようになりました。
先輩の話は聞いたことが無いような話ばかりで、シンプルに突き動かされたんですよね。

それからは、早稲田を目指そうと決め、志望校を一本に絞り、
半年間ひたすら勉強をしました。
もともと、目標が決められていると走ることができるタイプだったこともあり、
なんとか早稲田大学に合格することができ、社会科学部に入学することになりました。

大学に入ってからは一般的な「楽しい大学生活」という感じでしたね。
サークルを掛け持ちして授業に出て、日々友達と飲み、週末は旅行に。

そんな大学生活を経て就職活動を迎えると、正直社会のことがよくわからなかったこともあり、
あらゆる業界を見ようと、100人以上の先輩にOB訪問を行い、説明会も200社以上参加しました。

そんな風にたくさんの社会人や会社に触れる中で見えてきたのは、
自分にとって何をするかよりも、誰と働くかが大事ということでした。
そこで、最終的には、仕事をとにかく楽しみ、チャレンジしていこうというマインドに惹かれた、
リクルートエージェントに就職することに決めました。

また、就職活動で出会ったベンチャー企業で、自分と近い年齢の人が本気でビジネスをしている姿に危機感を抱き、
就職活動を終えてからも、ベンチャー企業でのインターンや複数の学生団体の運営等、
再び突っ走る日々を過ごすようになりました。

そんな所で落ち着いているお前はかっこわるい


リクルートエージェントに入社してからは、東京・大阪の企業の採用支援を行う法人営業として働き始めました。
最初の2年間はとにかく目の前のことに全力で、がむしゃらに走りましたね。
夜中も土日も仕事のことを考えていて、営業成績を追いかける毎日でした。

ところが、業務にも慣れ、成果が伴ってくると、
次にどこに進むべきか分からなくなってしまったんです。
日々の仕事から得られる刺激の量が減り、成長が鈍化していく危機感がありました。

仕事では成果を出しているにも関わらず、

「この先この仕事を続けていいのだろうか?」

という不安があり、モヤモヤしていたんです。

そんな悩みを半年ほど抱えていたある日、
恩師である先輩と大阪でお酒を飲む機会がありました。
そこで、自らの悩みを話すと、

「それがお前の到達したい世界だっけ?」
「そんな所で落ち着いているお前はかっこわるい」

という言葉を貰ったんです。

「本当にその通りだな」

という感じでしたね。
その言葉で、自分がなんとなく満足していたことに気づき、
自分の中にあったモヤモヤが吹っ切れた気がしました。

そして、手の届かないくらい高い目標に、今すぐにでも挑戦した方が良いと考えるようになったんです。
また、ちょうど社内でシンガポールオフィス配属への公募が行われており、
その締め切りが翌日であることを知りました。

もともと、自分の英語力は自己紹介もまともにできないレベルだったのですが、
だからこそ挑戦しようと決め、すぐにエントリーし、
翌日には英会話スクールに20万円を払い、毎朝6時30分からの授業を受けてから出社をするようになりました。

正直、英語の面では不安もありましたが、
かなり思いをもって面接等にも臨み、無事社内選考に合格し、
シンガポールオフィスに配属することが決まりました。

リスクをとってチャレンジしたい


シンガポールでは、日系企業の採用支援の業務を行いました。
実際に仕事を初めてみると、自分の頭の中の世界地図が塗り替えられるような感覚でしたね。
シンガポールに集まる様々な人種についてや、皆18時30分には仕事を終えるような生産的な働き方、
そんな人たちと一緒に働くための組織作りなど、何もかもが新鮮でしたね。

また、自らの仕事だけでなく、世界で挑戦する日本人にたくさん出会ったことが非常に大きな印象に残りました。
年齢等関係なく、思い一つでリスクをとってチャレンジしている日本人がたくさんいることに本当に驚かされました。

そして、そんな人達と接するうちに、
自分自身も、将来は広い環境でリスクをとってチャレンジしたいという思いを強く抱くようになりましたね。

そんな覚悟とともに1年のシンガポール滞在を終え、日本に戻ることになりました。

会社に勤めながら、外の世界に触れられる世界観


日本に帰ってからは、シンガポールでの出会いに触発されたこともあり、
自らサービスのオーナーになり、社会を動かす経験をいち早くしたいと思い、
自身の希望によって、10人規模の事業部に配属してもらい、事業戦略の策定や運営に携わるようになりました。

それまでは営業しかやったことがなかったこともあり、
実際に配属されてからは、できないことばかりでしたね。
特に、戦略論等は理論としては早くから学びながらも、現場で使いこなすのは非常に大変で、
最初の半年はとにかくもがいてチャレンジする日々でした。

土日もひたすら仕事のインプットという生活でしたが、
目標が明確で、自分が出来ていないだけなので、前向きに捉えていましたね。

そうやってどんどんできることが増えていき、1年を終えると、
今度は自ら0から事業を立ち上げる経験を早く積みたいと考え、
再び社内公募に手を挙げ、ネットビジネスインキュベートグループという、
インターネットの新規事業を立ち上げる部署に配属してもらうことになりました。

ただ、手を挙げる段階では、何か0から立ち上げたいという気持ちはありながら、
具体的にやりたいことが決まっていませんでした。

そこで、改めてどんなことをしたいか考えてみると、
もっと色々な人がチャレンジできる世界になったら良いな、という思いが自分の根底にあることに気づいたんです。

自分自身、一時期目標を見失ったことはあったものの、
その後再びチャレンジすることができたからこそ、
自らのキャリアが変わっていった感覚がありました。
特に、自分が置かれている環境の外に身をおく経験が自分を変えてくれたことが大きいと感じたんです。

しかし、現在のビジネスパーソンにチャレンジの土壌があるかというと、それは微妙でした。
日本の社会構造だと、1社で長く勤めることが良しとされるため、
キャリアチェンジが許容されにくい、
ということを採用支援に携わった経験からも痛感していたんですよね。

そこで、ビジネスパーソンが会社に勤めながら、外の世界に触れられる世界観をつくろうと考え、
サービスを開発することに決めました。

もっと世の中にチャレンジを


そんな背景から、2014年9月、
ビジネスパーソンが、仕事を辞めずに、成長企業の経営に参画できる、
『サンカク』というサービスをリリースしました。

まだ公開から日は浅いですが、
実際にサービスを公開してみると、想定以上に反響が大きく、
個人の会員は予想の3倍以上のスピードで推移しています。

また、ベンチャー企業からの掲載希望もありがたいことに毎日いただいているのですが、
その中でも、コンセプトに共感してもらって声をかけてもらえるのがすごく嬉しいですね。
クライアントというより、仲間という感覚が近いです。

今後は、このサービスを通じてもっと世の中にチャレンジを成し遂げる環境を作りたいと考えています。
それは日本に閉じた話ではなく、自分自身、いつかは世界でチャレンジしたいですね。
世界は広くて面白いと思うんですよね。

2014.10.27

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